萌黄色だった若葉がいつの間にか濃い緑色になりすっぽりと樹々を包んでいる。それをみてもう初夏だなあと感じる。地球の回転軸が斜めになっているお陰で日本には四季がある。四季の移り変わりによって人は時が過ぎてゆくのを感じる。四季の無い熱帯に住む人は時が過ぎるのをどのように実感するのだろうか?しないのか?
私は時が過ぎてゆくのを感じることのないのっぺりとした人生は充実感がないと思う。時間軸を意識しつつほんの少しだけ緊張感があるが、それでも時間に縛られない生き方をしたい。
体調を崩して大阪の姉の家で療養していた母が横浜に戻ってきた。駅まで母を迎えに行ったが、杖をつきながらヨボヨボと歩いてくる姿をみてこの一ヶ月余りで一段と老け込んだように感じた。人生の終わりは枯葉がひらひらと舞い落ちるように穏やかなものでありたい。果たしてそんな穏やかな日々を母に提供することが出来るであろうか?