何度も述べた様に音楽を演奏する目的は、あくまで作曲家の感情に共感し、その感情を代弁する事に有ります。
すなわち、作曲家の感情と同化しなくてはならず、そこに疑問を持っては演奏できないのです。
作曲家はその作品について自分の思いを伝えるに際し、ただ自分の感情のままに書き綴っているのではなく、やはり構成、言い変えれば結論を導き出す為の計画を練っています。
その構造を理解するだけで無く、その構成の流れに従った感情のコントロール (演出)に、身を任せる様に従って行きたいのです。
感情を抑制したり、爆発させたり、わざとじらせたり、あおったり、さまざまに我々の気持ちを揺さぶってくれる事に素直に反応し、それを楽しむほどの余裕があれば、自ずとその場での感情の動きを作る事が出来るでしょう。
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