TULIP DIARY

届くといいな やさしい風に乗って

にいちゃんのランドセル

2010年02月02日 | 読書日記
にいちゃんのランドセル 城島充 著 講談社
阪神淡路大震災で
幼い子供たちを失った一家のお話だった。
地震が子供たちと一緒に
幸せな家族の思い出を一瞬に壊してしまった。
あのときの「がんばろう神戸」の言葉は
被災して身近な家族を失った方々には
これ以上がんばれないつらい言葉にしか
聞こえないときもあったという。
その後の家族の格闘はいつまでも続いていた。
まだ完全に立ち直ったわけではないんだ、
けれど、人生は生きるに値するものだ。
それを一番天国で見守ってくれているのが
亡くなった子供たちだったそうだ。
一瞬で命を失った幼い子供たちは
少なくとも子供たちと出会った人々の心の
中に生きているのはかけがえのない事実だった。
そして命がはかなくもろいものだが、
命の尊さをこの地震を経験した方々が
一番よく知っておられることなのだと思った。





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