これが私の生きる道

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葛城事件

2013年04月20日 15時27分50秒 | 演劇
昨日は「葛城事件」というお芝居を観に行きました。
一昨日行った「二都物語」とは180℃趣きが違う作風です。
劇場は「スズナリ」で、過去何度か行っている場所なので
時間をあまり気にしないで向ったら
下北沢駅の地下化工事とかで
今までとは丸っきり違っていて
何だかいつもと違う改札口へ出てしまったようで
すっかり迷子になってしまいました。

駆けずり回ったあげく、何とか見覚えのある場所を見つけ
10分前に会場に到着しました。
中に入るともうほぼ満員で
隙間をかき分け席に着くと
持って帰るフライヤーと置いて帰るフライヤーの
仕分けもできないまま、開演を迎えました。

女性客が7割~8割を占め
何でか分からなかったんですけど
新井浩文目当てのようでした、
終演後も出待ちみたいに人がたくさん残っていたし。
有名人も何人かいて、
荒川良々とめちゃイケに出ていたヨモギタ君は
自分でも分かりました。

プレビュー公演扱いということもあり3300円と
それでけでもお得感あふれる価格なんですが
鈴木砂羽、新井浩文とテレビでもおなじみの両名が
出演するとあって、通路を埋めるほど満員なのは当たり前で
この倍の値段でもこの収容人数なら余裕で埋められたと思います。
演出の赤堀さんが挨拶文に、客演に対する複雑な胸中を書かれていましたが
この値段設定はそれに対する意地のようなものを感じました。
(有名人が出演するとすぐに値段に跳ね返る!)

砂羽さんは生で見ると、テレビで見るよりも断然綺麗で
ちょっとびっくりしました。
20代の頃よりも30代の方が魅力的になった
稀有な女優さんの一人で
これから増々、良くなっていくんじゃないですかね、
でもバラエティにも適応できるから
そっち方面の露出が増えていくのでしょうか。

新井浩文は数年前は映画とかWOWOWのドラマとかのイメージが強かったけど
よく見かけるようになりましたね。
最近といえば二階堂ふみとの交際も報道されていました、
その二階堂ふみが出演する「不道徳教室」も観に行きたいのですが
こちらはチケット代が高いので様子見です。
彼の役どころは幼稚園児を8人殺した容疑者、葛城稔役です。
言うまでもなく池田小学校の事件をベースにしていて
彼が死刑されるまでの物語です。

もちろん殺人を犯すのは単純に悪いことだし
何の言い訳にもなりませんけど
彼の言う、このまま何もない人生を送る位なら
このような人目を引く事件を起こして
ある種の注目をあびる生き方をしたい、
という主張はあながち分からないでもありません。
特に現代のような閉塞的な状況では
そう思う人がいてもおかしくありません。

こういう事件が起きると、心の闇だとか本当の理由だとか
色々調べるけど
お腹が減ったから食べる、
眠いから眠る、位の感覚で
むかつくから殺す、程度の単純な動機でしかないと思うんですけどね。
矯正なんかは絶対無理ですから
残念ですが死んでもらうしかないですよね、現実的には。
ベストは他人を殺す前に自決してもらいたいです。

この稔と獄中結婚する星野順子役は安藤聖さんです。
個人的には安藤さんが出ているだけでも
かなり嬉しいのですが
この順子というのが一番理解できない人でした。
実際に彼女のように死刑囚と獄中結婚する人っていますけど
稔に被害者遺族に対して贖罪させようとさせます。
そもそも贖罪させることに意味があるとも思えません。

不慮の事故などで殺めてしまって謝るのは分かりますが
意思をもって殺した相手に謝られても
怒りが増すだけでとても許せる気分になんかなれません。
それならば憎みきった方がいいような気がします。
順子は死刑廃止論者でもあって
その理由もよく理解できませんでした、
まぁ自分が死刑賛成派だからそれは仕方ありませんけど。

稔の父親、清は家族というものに対する思いが人一倍強く
それが崩壊するということは
本質的な己の人生の崩壊でもあります。
自分が親になってこんな子供が生まれてきたらと想像すると
とてもじゃないけど欲しい気にはなりません。
子供がしたことで自分には関係ないと
良心の呵責がないような性格なら逆に楽なんでしょうけど
稔の母親、伸子のように完全にボケちゃう方がむしろ楽です。

とにかく色々考えさせられる内容で
かといってシリアス一辺倒というわけではなく
むしろ笑わせる箇所が多いので
その値段の安さも加味しておススメな作品です。
しかし下ネタが多いので注意してください。

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