町の酒屋の暖簾が消える

2006-12-19 23:55:52 | 徒然に


福島の旨い酒「奥の松」の純米吟醸酒である
毎年、新年の酒を近くの酒屋さんにお願いして届けて貰ってる

昨年から、「奥の松酒造」の吟醸酒を薦められて飲み始めた
といっても、去年の私は、正月だけ日本酒を飲み松が取れれば
ピール、焼酎を飲む事にしていた
日本酒は旨いけれど、飲み仲間が糖尿の気があり、
日本酒を辞めたなんて話を聞いていたので、なんとなくそうしていた

今年に入って、美味い大吟醸酒の味を教えてくれる仲間が出来て
興味を持って飲み始めて、すっかり旨さの虜になってしまった訳だ

で、昨年に続き、今年も、正月用の年賀の酒と自分の分として
三本の奥の松純米吟醸酒を馴染みの酒屋さんにお願いした

この酒屋は、私がこの土地に家を建て越してきてからの付き合いだから
もう24年になろうかというお付き合いだ
若旦那が軽トラックで午前中に「ご用聞き」をして周り、
品物を夕方までに届けてくれる

私が越してきた20年も前の頃は、
酒は町の酒屋で買うのがごく当たり前の時代だった
ケースに入ったビール瓶をお願いしたり、味噌、米も配達して貰っていた

なにも、酒屋だけでなく、八百屋も、魚屋も、肉屋も、
みんな小売の商店が、はい、いらっしゃいと、
馴染みの客と無駄口タタキながら、この客ならこの位の商品と
あ・うん、の呼吸で商いをしていた、良き時代だった

そして、今、我が家、御用達?の酒屋が今年いっぱいで店を閉めると言う
聞けば、11月に大旦那が亡くなったそうな、
大旦那が生きている間は、厳しい酒の小売を続けてきたが
やはり、大型スーパーや酒の量販店の進出で、成り立たないのだそうだ

そういえば、我が家も瓶ビールの配達はおろか缶ビールだって、
随分まえにとるのを辞めてしまっている
付き合いでお米、味噌、そんなものしかお願いしていないのだから
なんとも、申し訳ない気持ちになる

又一つ、町の老舗の灯が消え、暖簾が消える
複雑な想いで、奥の松純米吟醸の栓を抜き、
感慨深く酌む秋の夜長である