前回の【コーチングのお仕事】の続編です。
現在野球解説者ドラゴンズで活躍しその後コーチとして各球団を渡り歩きチーム優勝の礎を築き、1998年ベイスターズ38年ぶりの優勝に導いた監督であった権藤博さんの指導法・組織論・人材育成術を一読した。
『教えない教え』
彼の教えの鉄則は、
「Don't over teach」=「教えすぎてはダメ」。
「投球フォームは選手の主張」とフォーム指導をしない個性的な指導で多くの投手を育てた。
《権藤さんの考え方》
「そもそもプロ野球の監督・コーチは選手に教えることではないんです。
教えるのが仕事だと思ってる人が多いですが、選手の持っている力は、プロに入ってきた段階でもうだいたい決まっている。監督・コーチの仕事は、教えることよりも選手の能力や適性を見極めた上で、誰をどう使ったら勝てるかっていうこと。これがプロ野球の監督・コーチの仕事だ。あくまでも、選手という戦力の運用、すなわちマネジメントなのです。
プロ野球に入ってくる選手はみんな光るものを持って入ってくる個性集団。監督・コーチは、その人たちの個性のいいところを生かしていけるような使い方や言葉のかけ方に気を配るだけでいいはずです。」などなど。
権藤さん著者の本には彼の個性的な考え方が詰まった内容は一般社会の人間関係に置き換えても十分に通じる一冊。
前に書いた石井打撃コーチと通ずる考え方。
ここからは今シーズンの戦い方を私個人の勝手な考えを延べて、今年を締めくくってみたいと思います。
ここ数年Bクラスが常連となってしまったチームの最大の弱点は監督以下首脳陣のチーム編成とゲームプランだと思います。
今季も戦力的にはセ・リーグ5球団に引けを取らないくらいであったはず。
なぜ、ここまで負けが混んでしまったのか?
今季の戦い方を振り返っても分かる様にチームは先制するも、
ことごとく終盤に逆転され負けたケースが多すぎた。
現代プロ野球は投手力が8割と良く言います。中でも7.8.9回の重要性は非常に大きなウエイトを占めてます。
今季セ・リーグで如実な成績結果が讀賣と阪神の差にある。
抑えを任されたカミネロやその前の中継ぎがしっかりしなかった讀賣。
一方、中継ぎにマテオ、高橋聡、桑原、抑えのドリスが活躍した阪神。
讀賣は、菅野、マイコラス、田口の先発三本柱で貯金「27」を作ったが終わってみれば貯金「4」。
最後の最後8.9回でひっくり返されるゲームが多かった。
1点差ゲームは13勝27敗と酷い。
先発防御率は3.26リーグ1位。
2位の阪神が3.68、3位の広島が3.71という結果。
ところがリリーフの防御率は1位阪神2.65、2位が広島で2.77、3位讀賣はずいぶん下がって3.40。
讀賣は勝ち星でも防御率でも先発三本柱はいずれもベストテンの上位に入っているが、中継ぎのホールド数は、讀賣以外の5球団はベスト20の中にそれぞれ3人以上入っているが、讀賣はマシソンただ1人。
また、パ・リーグは圧倒的な強さでソフトバンクが優勝しました。
シーズン序盤から楽天が首位をひた走り、馬なりで楽天の後ろに付けていたが、ちょっとムチが入ってスッと首位に立つと、後は独走した。
尻上がりに良くなったのは工藤監督の“球数制限”があった。
リリーフ投手を休ませる為にブルペンの投球を指示を出すまで投げるな、肩を作るなと。
結果、クローザーのサファテを筆頭に、岩嵜、森、嘉弥真、五十嵐、モイネロが6回ををリードして終わったゲーム成績は、74勝2敗、勝率9割7分4厘でした。
この数字を見るとやはり、後ろが大事なことが分かるし、後ろが活躍しないと優勝争いは出来ないこということになる。
現代プロ野球をきちんと見ていれば、勝つ為に後ろの投手が大事だというのは明らかです。
前が良くても後ろがダメなチームが優勝したなんてことはなく、むしろ前が少々頼りなくても後ろがしっかりしているチームの方が成績が良い結果が出ている。
今季、開幕時ドラゴンズの抑えを森繁監督は明言することなくシーズンインした。中継ぎ陣容も決まらぬままスタートを切った森繁ドラゴンズ。(獲得した、アラウホ・ロンドンを使いたかったのか)取っ替え引っ替えの投手プランであった。
今まで何度も私ごとき素人がここで書き続けた、先発の代わりはなんぼでもいる。しかしゲーム終盤の煮詰まってきて1点を守り切る抑え投手は最重要投手なのだからチーム編成上、先ずもってここを決定しなければいけなかったはず。
先発先発とこだわるチーム編成は時代遅れとなっている。
先発は6回までゲームを作ってくれればOKくらいじゃなきゃ、長いシーズン通して勝ち星を増やしていくことは難しい。
もはや先発完投の時代でなく、投手1人の力で勝つことは難しい。それなら継投で勝てば良い。継投がうまくいってチームが勝てば何人ものヒーローが生まれる。1人で勝つよりみんなで勝つ方がチームが盛り上がる。その結果、強いチームが出来る。1人ひとりの力を見れば勝って当然の様なチームが勝てないのは、ほとんどの場合、継投がうまく行かない、みんなで勝って行くんだというチーム全体の盛り上がりが欠ける。
打つ方も1人の強力な4番バッターだけで勝つことは出来ない。塁に出るつなぎ役がいて大量点に結びつく。投手もまた継投でつないでいって、相手に点をやらない野球をしなければならない。
今季、投手継投を森繁ドラゴンズがまっとうに采配(継投ミス)していれば5割ラインは簡単にクリアしていたと思う。
一軍の監督・コーチは勝つことが至上命題なのだから、勝つためにはどの選手をどう使うか。これを決めていくのが仕事です。
監督・コーチが教えることがあるとすれば、技術ではなく戦い方。
ここ数年のセパとも結果が物語ってる。
ここを肝に命じて来季は取り組んで行かない限り、どんな選手がチームに加入しても結果は同じだ。
もう1つ森繁首脳陣と編成部に言っておきたいことがある。
“多様な個性と多彩な能力をどう発揮させるか?”
(ちょっと横道にそれるが“松坂獲得問題”、みんなが疑問を抱く点です。
大義名分を説明して頂きたいものです。)
選手起用については、やっぱり一番の原点は選手間の競争です。競争なく首脳陣の好き嫌いで起用をする差別はダメ。競争で勝った選手を監督以下首脳陣は見極め起用するべき。
森繁さんのおメガネにかなった選手ばかりでしたね。
ファームで頑張ってた選手は最後まで使ってもらえなかったのが残念でなりません。
差別のない本当の実力で選手を見極め適材適所で起用して欲しいものです。
今年もいよいよカウントダウンです。年が明ければ新たな戦いの始まりです。
来季は5年間の悔しい思いを胸に新しいドラゴンズで一つでも多く良いゲームを出来ることを期待したいものです。
2017.12/29
現在野球解説者ドラゴンズで活躍しその後コーチとして各球団を渡り歩きチーム優勝の礎を築き、1998年ベイスターズ38年ぶりの優勝に導いた監督であった権藤博さんの指導法・組織論・人材育成術を一読した。
『教えない教え』
彼の教えの鉄則は、
「Don't over teach」=「教えすぎてはダメ」。
「投球フォームは選手の主張」とフォーム指導をしない個性的な指導で多くの投手を育てた。
《権藤さんの考え方》
「そもそもプロ野球の監督・コーチは選手に教えることではないんです。
教えるのが仕事だと思ってる人が多いですが、選手の持っている力は、プロに入ってきた段階でもうだいたい決まっている。監督・コーチの仕事は、教えることよりも選手の能力や適性を見極めた上で、誰をどう使ったら勝てるかっていうこと。これがプロ野球の監督・コーチの仕事だ。あくまでも、選手という戦力の運用、すなわちマネジメントなのです。
プロ野球に入ってくる選手はみんな光るものを持って入ってくる個性集団。監督・コーチは、その人たちの個性のいいところを生かしていけるような使い方や言葉のかけ方に気を配るだけでいいはずです。」などなど。
権藤さん著者の本には彼の個性的な考え方が詰まった内容は一般社会の人間関係に置き換えても十分に通じる一冊。
前に書いた石井打撃コーチと通ずる考え方。
ここからは今シーズンの戦い方を私個人の勝手な考えを延べて、今年を締めくくってみたいと思います。
ここ数年Bクラスが常連となってしまったチームの最大の弱点は監督以下首脳陣のチーム編成とゲームプランだと思います。
今季も戦力的にはセ・リーグ5球団に引けを取らないくらいであったはず。
なぜ、ここまで負けが混んでしまったのか?
今季の戦い方を振り返っても分かる様にチームは先制するも、
ことごとく終盤に逆転され負けたケースが多すぎた。
現代プロ野球は投手力が8割と良く言います。中でも7.8.9回の重要性は非常に大きなウエイトを占めてます。
今季セ・リーグで如実な成績結果が讀賣と阪神の差にある。
抑えを任されたカミネロやその前の中継ぎがしっかりしなかった讀賣。
一方、中継ぎにマテオ、高橋聡、桑原、抑えのドリスが活躍した阪神。
讀賣は、菅野、マイコラス、田口の先発三本柱で貯金「27」を作ったが終わってみれば貯金「4」。
最後の最後8.9回でひっくり返されるゲームが多かった。
1点差ゲームは13勝27敗と酷い。
先発防御率は3.26リーグ1位。
2位の阪神が3.68、3位の広島が3.71という結果。
ところがリリーフの防御率は1位阪神2.65、2位が広島で2.77、3位讀賣はずいぶん下がって3.40。
讀賣は勝ち星でも防御率でも先発三本柱はいずれもベストテンの上位に入っているが、中継ぎのホールド数は、讀賣以外の5球団はベスト20の中にそれぞれ3人以上入っているが、讀賣はマシソンただ1人。
また、パ・リーグは圧倒的な強さでソフトバンクが優勝しました。
シーズン序盤から楽天が首位をひた走り、馬なりで楽天の後ろに付けていたが、ちょっとムチが入ってスッと首位に立つと、後は独走した。
尻上がりに良くなったのは工藤監督の“球数制限”があった。
リリーフ投手を休ませる為にブルペンの投球を指示を出すまで投げるな、肩を作るなと。
結果、クローザーのサファテを筆頭に、岩嵜、森、嘉弥真、五十嵐、モイネロが6回ををリードして終わったゲーム成績は、74勝2敗、勝率9割7分4厘でした。
この数字を見るとやはり、後ろが大事なことが分かるし、後ろが活躍しないと優勝争いは出来ないこということになる。
現代プロ野球をきちんと見ていれば、勝つ為に後ろの投手が大事だというのは明らかです。
前が良くても後ろがダメなチームが優勝したなんてことはなく、むしろ前が少々頼りなくても後ろがしっかりしているチームの方が成績が良い結果が出ている。
今季、開幕時ドラゴンズの抑えを森繁監督は明言することなくシーズンインした。中継ぎ陣容も決まらぬままスタートを切った森繁ドラゴンズ。(獲得した、アラウホ・ロンドンを使いたかったのか)取っ替え引っ替えの投手プランであった。
今まで何度も私ごとき素人がここで書き続けた、先発の代わりはなんぼでもいる。しかしゲーム終盤の煮詰まってきて1点を守り切る抑え投手は最重要投手なのだからチーム編成上、先ずもってここを決定しなければいけなかったはず。
先発先発とこだわるチーム編成は時代遅れとなっている。
先発は6回までゲームを作ってくれればOKくらいじゃなきゃ、長いシーズン通して勝ち星を増やしていくことは難しい。
もはや先発完投の時代でなく、投手1人の力で勝つことは難しい。それなら継投で勝てば良い。継投がうまくいってチームが勝てば何人ものヒーローが生まれる。1人で勝つよりみんなで勝つ方がチームが盛り上がる。その結果、強いチームが出来る。1人ひとりの力を見れば勝って当然の様なチームが勝てないのは、ほとんどの場合、継投がうまく行かない、みんなで勝って行くんだというチーム全体の盛り上がりが欠ける。
打つ方も1人の強力な4番バッターだけで勝つことは出来ない。塁に出るつなぎ役がいて大量点に結びつく。投手もまた継投でつないでいって、相手に点をやらない野球をしなければならない。
今季、投手継投を森繁ドラゴンズがまっとうに采配(継投ミス)していれば5割ラインは簡単にクリアしていたと思う。
一軍の監督・コーチは勝つことが至上命題なのだから、勝つためにはどの選手をどう使うか。これを決めていくのが仕事です。
監督・コーチが教えることがあるとすれば、技術ではなく戦い方。
ここ数年のセパとも結果が物語ってる。
ここを肝に命じて来季は取り組んで行かない限り、どんな選手がチームに加入しても結果は同じだ。
もう1つ森繁首脳陣と編成部に言っておきたいことがある。
“多様な個性と多彩な能力をどう発揮させるか?”
(ちょっと横道にそれるが“松坂獲得問題”、みんなが疑問を抱く点です。
大義名分を説明して頂きたいものです。)
選手起用については、やっぱり一番の原点は選手間の競争です。競争なく首脳陣の好き嫌いで起用をする差別はダメ。競争で勝った選手を監督以下首脳陣は見極め起用するべき。
森繁さんのおメガネにかなった選手ばかりでしたね。
ファームで頑張ってた選手は最後まで使ってもらえなかったのが残念でなりません。
差別のない本当の実力で選手を見極め適材適所で起用して欲しいものです。
今年もいよいよカウントダウンです。年が明ければ新たな戦いの始まりです。
来季は5年間の悔しい思いを胸に新しいドラゴンズで一つでも多く良いゲームを出来ることを期待したいものです。
2017.12/29
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