陽だまりの中のなか

前田勉・秋田や詩のことなど思いつくまま、感じたまま・・・。

河口

2007-02-25 | 詩関係・その他
風は冷たいが、青空の午後、
近くの雄物川河口へ数年ぶりに散歩に出かけた。
陽気に誘われてか、河口では釣人も多い。

雄物川、流路延長約133kmの河口である。
何年か前も同じようなことを思ったような気もする。
淡水と海水が揉み合いながら融合している箇所。

ふっと
かつて同じ詩誌の同人であった細部俊作氏の詩を想った。
「橋のうえで」という作品の中で
人生を詩を自分を旭川の流れに寄せ
「詩は
 河口のように
 広い河口をもつものであればい」
と表現した。

当時まだ27歳だった彼の冷静な見方に感服したものである。
流れて川は、水は、河口へと到達して終えるだけなのか。

河口の先を見ると、水平線を蜃気楼に揺れる旅客船が航行し、
その先には男鹿半島と寒風山が浮いていた。

風の冷たさが思いのほか心地よかった。




※細部俊作(ほそべ しゅんさく)秋田市生・住
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