破れた表紙を修復しての現在形・・・
先日、某TV局で三省堂「新明解国語辞典」のヒストリー番組が放送されていた。「そういえば以前使っていた辞典はこの辞典か?」と思って物置になりつつある別室に行って手に取ると、表紙の色と奧付けはまさにそうであった。それまで出ていた「明解国語辞典」を刷新したものらしい。発行年月日は昭和47年1月24日、初版第一刷とあるからまさに初版本。TVのヒストリーでは、国語学者たちの人間関係がごちゃごちゃした中での発行だったらしい。
名を連ねる編集者は、金田一京助、金田一春彦(京助の息子)、見坊豪紀(けんぼう ひでよし)、柴田武、この辞典の主幹として山田忠雄となっている。驚いたのは、①編集のトップに名を連ねている金田一京助は名を貸しただけで執筆していないこと。もっとも、元の辞典では「監修」とあるから、編集も監修も・・・・ ②元となる実質的な語彙収集研究等は見坊であったこと ③それでいて山田が主幹として編集発行のメインとなっている逆転現象であることであった。ここら辺を番組は掘り下げていたが、内容的には見坊の辞書と言った方がふさわしいな、と思った。
いずれにせよ、「新明解国語辞典」は新しい言葉を採用したという意味で歴史に残る辞書とのことらしい。この辞書を買ったのは20歳の頃であったか・・・・定価千円とある。その後、私は広辞苑とか広辞林とか実用国語辞典とかいろいろ買ったが、なぜか手軽な「新明解国語辞典」が手元にあった気がする。(もう一つと言えば、「現代用語の基礎知識」・・・これは毎年買っていた)使い勝手がよかったのだろう。画像のように、表紙破れている次第だ。
・・・まぁ、初版であろうがなんであろうが、要は頭に練りこませていたか、残っているか・・・・が辞書の本領だから、さてさて・・・と消沈している。