ぼうずみ愛さんの第二詩集『岬 待春』が刊行された。
本名、平塚愛子。1982年に潮流出版社から処女詩集『坊住山抄』を出版。秋田生まれの先輩詩人。本詩集は、これまでの長い詩歴の中から自選された31編を収録。
ぼうずみさんは、お話も表現される世界に関しても実に情熱的な人である。まさに芸術肌。同封されている栞に寄せた秋田県現代詩人協会吉田慶子会長が、書き出しで<ぼうずみさんは愛の詩人である>と書いているほど。また、帯文を書かれた故山形一至元秋田県現代詩人協会会長は、<生涯の大部分を村上透画伯との師弟関係で貫いた行動の軌跡は、今も天空に浮かぶ白月のようだ>と、愛の詩人ぼうずみさんを言い表わしている。
「岬待春」
絵である
本土最北端
龍飛の海から生まれ
さかまく波にあらがい
岬から
玄のみちをたどり
上野の森の都美術館の壁面から
群衆の目に
「絵は生きもの」と
美のしんりを吹きかけ
いのちをつたえ
そして
絵の旅は
子午線を西にくだり
漂流の果て
房州海岸 ホスピタルカメダ
終の住処とさだめ
太陽が燦燦と目もあやに
昏れる日日
二十一世紀を生きる