うろこ玉絵日記

日々のなにげない一こまを絵日記にしてみました。大阪に近い奈良県在住です。
マウスでかいてまーす。

八部衆

2012-04-27 | Weblog
奈良にきてから2ヶ月半が経ったけど
興福寺と東大寺にはもう3度以上行っているのです。


住まいから、これらのお寺のある最寄の近鉄奈良駅までは
1時間以上かかるのだけど
友人がきたり夫がきたり親がきたりするととりあえずまだここしか案内できるところを知らないので
ここだけ頻度が抜きん出てるんです。

法隆寺とか秋篠寺とかも行きたい。そのうちね。
もっとくわしくなりたいよ。



でも、興福寺の国宝館は、今は何度行ってもいいな、と思ってる。
お寺の建築とか伽藍配置とかじゃなくて、仏像みて楽しむのが好き。



東大寺では、戒壇院の広目天さま(うちではアイドルを呼ぶようにこう呼ぶ)が断トツに好きなんだけど
人を連れていってもすぐ見終わっちゃう。
「ん?これがすきなの?」といわれる。
拝観料が500円かかる。

興福寺の国宝館は、たっぷりいろんなのが観られて600円。

気に入った仏像の前で各々好きにみてすごせる。
いい時代だなー、とこのときばかりは思う。
身分の差もなく、子ども連れでも、仏教徒でなくてもみられるんだもの。



板に彫った十二神将も、金剛力士も、天燈鬼も龍燈鬼も梵天も毎回グッときますが
いまは八部衆さんたちがお気に入りです。

阿修羅、といえば誰もが知ってるスター。
阿修羅を入れた、八人の神さまたちの像が安置されています。



もとはインドの異教の神さまたちだったそうですが、仏教に取り入れられてからは守り神とされているそう。

この神さまたちをつい「この子」と呼んでしまう。
なぜなら、みんな不思議な異形の神々だけど、少年のような顔立ちをしているから。



頭に象をかぶった子。
頭に蛇を巻いた子。
獅子をかぶった子。
角を生やして目がみっつある子・・・などなど。




阿修羅のはりつめた表情にも心うたれるけれど
この、絵にかいた五部浄くんが好きです。

この子だけ、体がうしなわれているのです。
頭にのってるのは、象です。


この像をつくりあげた1300年くらい前の仏師は
なぜ少年の面立ちにしようと考えたのか。
少年みたいだから、どうしても、わたしたち大衆に向けた表向きの表情ではなく
悩みや葛藤を抱えたような内向きの表情にみえてしまう。


今にも動き出しそうなみずみずしさを、今でも放っています。



お土産やさん(ミュージアムショップ)でこの子達の写真買ってこ!と思って
いざ製品化された絵はがきなどをみると、なんかちがう。

わたしがみた表情と、ぜんぜん違う顔で写っている。

たぶん光の当て方とか、撮影の角度とか、微妙な加減で変わるんだろうけれど
「こんなに険しい顔してない」と思って買うのをやめる。



見る人によって、たぶんぜんぜん違う顔で映ってる。
それもまた、仏像のミリョクかも!?