土曜日の夜からそれは始まった
「ねぇ 明日の予定は?」 「何して過ごすの?」 「ん?」 相棒の執拗なまでの問いに
「別に~ 気ままに過ごすわ どうぞお気遣い無く・・・」 私はそれとなく言って目を逸らす
それが何度続いただろうか 質問の答えを得られず、相棒は遂に根を上げ寝室へ消えた
どうせ山に行くくせに~ 期待は、裏切られた時に切なさも倍になるから、最初からしない
一夜明け、いつもよりゆっくりな朝を迎える あれ?昨夜の質問の主の相棒が珍しく家にいる
山には行かなかったのかと尋ねたら、雨になるから止めたと言う カッパ着てでも行くのに-
するとまた始まった「ねぇ 今日の予定は?」「何して過ごすの?」「ん?」それしか言えんのか
私が、墓参りに行こうと思っている旨告げると「俺が運転手してあげようか?」「一緒に行こう」
切り戻すと、花はまた綺麗に咲きだすもんね (本文とは全く関係ありませんから-)
「どうしても行きたいと言うのなら・・・連れて行ってもいいよ」 腹の中でニンマリ笑う私~
墓参りの梯子 まずは我が家の納骨堂へと出向き、その後は高速にて北へ車を走らせた
雨の宮崎自動車道 車内コンサート始まり始まり~♪ 観客はドライバー相棒さん
下手くそな歌でも、文句も言わずに黙って聞いてくれるから有難い^^ 犠牲者とも言う
トンネルを抜けると、雨は一層強く降って来た 「こんな日に墓参り?」 イイのイイの-
「雨が降るから付いて来たんでしょ?」 「まぁね」 妙に低姿勢の相棒が可笑しかった
ひとり日帰りの旅が、思い掛けなく二人連れになったことが、何だか不思議・・・
雨の贈り物にありがとうと言った 雨にね 夜更かしした為に、本当は躊躇っていた
窓の外に目をやると、景色がビュンビュン飛んで行く 山を越え平野部へ走り抜ける
やっぱり嬉しいかな? 嬉しいわなぁ~ 居眠りしようがなにしようが楽チン楽チン♪
腹が減ったら腹ごしらえ 都農の田舎家さんでお食事グフフ…チキン南蛮に生姜焼き
和食なのにいきなりナイフとフォーク? 美味しければ何でも構わぬでござ候~
こんなにいっぱい食べられる訳も無く、運転手相棒にちょびっとお裾分け ちょびっとね
あはは… オノロケはいらんと言う人もいるだろうが、美味しかったからこれでイイのだ
コソコソ
実家の墓前で手を合わせ、実家により仏様を拝み、ほんの20分ほどで暇を告げた
晴れていれば草取りも出来ようが、雨の中にカッパ着てまでは~~~ねぇ
甘柿がたわわに実っていた 「高過ぎて採れないから、誰も食べない」と弟は言う
そんなことなら、高枝きりバサミ持参したら良かった 食いしん坊さんは相槌を打った
さぁ~さぁ~さぁ~ 何処か行きたい所ある? 急ぐ用事もございません 帰ろう-
そのまま、一路我が家を目指して高速のインターへと向かった まさに“とんぼ返り”
雨が降っていては、傘差してまで遊び歩くのも面倒だし、家が一番です
帰りがけは眠りに落ちた 家に帰ってもソファーでぐうたら昼寝 爆睡じゃ-
雨よありがとう 相棒と一緒に居られた日曜日 心配無用な時間が嬉しかったよ 頑張ろう宮崎!