ゴールデンカムイ 全31巻
漫画、野田サトル
アイヌの隠し金塊を巡り大争奪戦をする物語。
めっちゃ面白かった。
実写映画も大ヒット。
最初は3巻ぐらいまで読んで
アイヌの生活のリアルさに驚き
命をもらうことの凄さを目の当たりにし、
私も現代っ子だったんだなぁと衝撃が強すぎて
一端リタイアしました。
ですが、色んな方におススメされ
もう少し頑張って読んでみようかなと思ったら
途中からハマって一気に読みまくって
しまいました。
(土方歳三というワードに弱い私)
全31巻ですので かなり端折って勿体ないけど
取り敢えず頑張って書いてみました。
主人公は“不死身の杉元”と呼ばれる
元陸軍隊員で、戦死した幼馴染との約束を
果たすためにゴールドラッシュに沸く北海道で
アイヌの少女アシリパと出会い相棒となり
アイヌの埋蔵金争奪戦に巻き込まれていく。
というお話。
埋蔵金の場所は“のっぺらぼう”と呼ばれる
死刑囚が他の死刑囚たちに彫った
入れ墨の暗号を解くと分かる仕組みになってて
その死刑囚たちは脱獄してバラバラに。
その“のっぺらぼう”がアシリパに深く関わる
人物。
金塊争奪戦は入れ墨人皮争奪戦となり
入れ墨のある脱獄囚を探す旅になっていく。
アシリパは金塊よりも、
金塊に関わった父親のことを知りたいのだが
金塊の暗号を解く鍵を知ってるのは
アシリパであることが分かってきて
金塊争奪戦は入れ墨人皮争奪戦と並行して
アシリパ争奪戦にもなっていく。
アシリパは何が鍵になるのか
父が何を考え、何を成そうとしていたのか
自分はどうすればいいのか悩み考える。
杉元は常にアシリパさんの意志と安全を思い
争奪戦が激しくなるとアシリパさんには
争奪戦から抜けて安全確保して欲しいと
思うようになるが、最後はアシリパさんの
意志を尊重する。
争奪戦を繰り広げるのは、
アシリパ&杉元組(+脱獄王 白石)の他に
鶴見中尉組と土方歳三組がいて、
その中で裏切りやらスパイやらで
敵味方が入れ替わり立ち替わりして
そこにキロランケやらソフィアやら参戦したり
世間は狭かったりして とってもややこしい。
ざっくりいうと
アイヌの生活を守りたいアシリパさん、
蝦夷地独立のための戦争起こしたい土方組、
軍事政権を実現させロシアと戦いたい鶴見組。
鶴見中尉が掲げてるのはロシアに攻め入り
戦死した仲間が眠ってる場所を日本領地にし
彼らが日本の地で眠っていることになるように
したいというのが大義名分。
これに賛同し鶴見の人たらし術にハマり
鶴見信者になっている人たちの多さが凄い。
鶴見中尉は色んな意味で能力のある人を
信者にしていくので、
能力特化してるせいか
ちょっとキテレツな人が多くて
やってること酷いのに面白くて困る。
色んな人が幼少期から信者になるよう
仕掛けられていて、
どんだけの時間をかけて
念入りに準備してたんだ鶴見中尉と
その執念に脱帽です。
鶴見中尉vs土方歳三(アシリパ)の構図になり
同時に金塊の隠し場所に気づくが、金塊に
辿り着いたのはアシリパ&杉元(土方)。
そこから最終的には
鶴見中尉vs杉元&アシリパとなり、
アシリパ&杉元が生き残る。
(土方戦死、鶴見は遺体みつからず)
アシリパは
元あった金塊の半分で用意されていた権利書
だけを使ってアイヌを守る交渉をしていくこと
に決め、金塊は使わないことに。
杉元は少しの金塊(それでも十分)を
幼馴染との約束に使い、
アシリパの故郷に一緒に帰ることを選びます。
ラストのオチは
白石の顔が描かれた金貨が
杉元に送られてくる。
という笑えるオチになってます。
白石は亡くなった“海賊房太郎”の夢を叶え
何処かの無人島かなんかで
自分の国を作って王様になって
自分の顔の金貨を作らせたのかもしれない
というラストになってます。
(明言しない面白おかしさが出るのが
白石の面白さ)
本当に濃ゆい人たちがいっぱいで、
高度な駆け引きとか心理戦や
過酷な過去や色々あるんだけど、
登場人物の大半が小学生男子みたいな
言動が多くて、残虐なシーンの後でも
すぐに笑いがあったりして
その塩梅が物凄く秀逸。
面白くて勉強になって考えさせられて
でも結局は面白かったと思う漫画でした。
全部読めて凄い満足。
楽しすぎる。
ありがとうございました。