≪森に願いを≫ 乾 ルカ著
内容紹介
あなたも歩いてみませんか。
小さな奇跡の森を。
いじめ、就職、恋愛、不治の病……
さまざまな思いを抱えた人々の運命を変える言葉とは?
静かな感動を呼ぶ「森」のミステリー。
僕は死に場所を探しに、この森に入った――
登校拒否の息子を持つ母親、自分に合った仕事が得られず世間に不満を抱く女、
余命間近である瞬間を見たいと思い続けている青年、リストラされた中年男……
希望を失い、森に迷い込んだ人々に森番の青年は語り掛ける。
「ここはとても気持ちのよい森なんです。どうか歩いてみてくださいませんか?」
そして、最後に明かされる、森と森番に秘められたミステリーとは?
森にも、人にも、新たなる季節がやってくる――
『あの日にかえりたい』『メグル』の著者が贈る希望のストーリー。
【目次】
■色づく木――鏡の森
■春めく木――我は地に伏し
■雪待つ木――インディアンサマー
■病の木――夏の名残のバラ
■育ちゆく木――五十二歳の秘密基地
■とらわれの木――揚げひばり
■新たなる木――光差す場所
私の自宅近くに、野幌(のっぽろ)森林公園という場所がある。公園となってはいるが、たとえば休日に弁当を持った家族連れでにぎわうような憩いの場という趣はあまりない。北海道開拓記念館や、昨年秋、NHK連続テレビ小説『マッサン』のロケに利用された北海道開拓の村といった教養娯楽施設はあるものの、その敷地のほとんどは原生林を含む広大な森だ。札幌市、江別市、北広島市の三市にまたがっている。
ご本人が発刊に寄せて書いたこの文章を読書後に読みました。
「先に読まなくて良かった!」と…だって、北海道民のwanikoは乾さんの小説を読む度に~この場所はあそこ?!かもって
札幌は、アチコチにこの本に中に出て来るような森がいっぱい!
森番の青年の声についての下りがスキです。
色づく木の母亜希子は、よく通るテノール~まるで荘厳なパイプオルガンを待っていたところにいきなりピアニカが登場したみたい
春めく木の23歳麻衣には、妙に間の抜け那響きのテノールが春風に乗って漂った
雪待つ木の20代後半の丹 俊光には、珍妙なテノール
病の木の高校生の長谷 臣には、すっとぼけたテノール
育ちゆく木の52歳の鳥居毅一には、ヘリウムガスを吸引したような
とらわれの木の40代崎山奈々には、もう少しでと頓狂の意気に足を踏み入れそうな高い声
新たなる木の金髪の中年女性メアリはちょっぴり変わっているけれど、とっても素敵なテノールと
wanikoが一番スキなお話しは最後の「新たなる木」テノールの声を持つ青年がなぜ森番なのか…
そして名前が気になる。。。。読み飛ばしたのかと実は、3回再読(笑)
乾さんには、野幌森林公園が癒しの空間。wanikoには、発寒川と西野緑道。
今は、桜が満開のはず~そして、今年こそまた御衣黄に会いに行きたいです!
wanikoの手に届くには、ずいぶん時間がかかった本ですが自分の森に行って(西野緑道は林に近いけど…)リフレッシュしたくなりました。