5月13日 俳句会例会を行い、欠席投句4名分11句を含む、10名分29句で選句を行いました。
高得点句及び作者名は以下の通りです。
選評は、代表世話人の小板橋泰山(俳人協会会員・全国結社「万象」同人)が担当。
4点句 大楠の基地めく洞や春入日 作者:吉仲洋子
(選評)季語の「春入日」は、うららかな春の太陽の日差し。たくさんの葉が元気に成長している楠大樹でも、地面に近い部分には、空洞の部分が見られることが多い。子供のころ、探検の真似事で、大楠の洞の中に入ったことを思い出す。一読して、基地めいた楠大樹の洞に春の光が差し込んでいる情景が浮かんだ。
3点句 朱の碗に春潮の朝香り立つ 作者:立木欣吾
(選評)春になると、潮の色も藍色が薄くなって、明るい色に変わってくるという。旅先の海岸沿いの宿の朝食が目に浮かぶ。朱色のお椀のお吸い物か、味噌汁であろうか。具は地元名産の魚と野菜であろうか。海からは潮の香りも伝わってくる、朝の贅沢な時間が想像できる。
3点句 風薫る今日だけママをひとり占め 作者 稲垣庸子
(選評)いつもは、ママをひとり占めすることに制限があるのだろう。しかし、誕生日かなにか特別の日か、その日は思う存分、ママをひとり占めできるのだろうか。子供の喜ぶ、うれしい気持ちが想像できる。季語の「風薫る」は木々の緑の香りを運んでくる、気持ちの良い風。幸せな母子を祝福しているようである。
自薦句:
・ 撮み(つまみ)縫ひ半袖シャツの首回り 田中とき子
・金港の今昔語りさつき咲く 東島正樹
・すくと立つ子鹿二頭の駈出せり 小板橋泰山
・籐椅子の古び家族になりにけり 榎本義子
・青葉満つ新築ラッシュの光る屋根 三ツ堀哲宗
・添削例として紹介します: 作者 原田由紀子
「竹食らふ」でなく、「竹を食らふ」とあえて6音にしたのは、野性的な動きを表現。 原句:土佐煮にて灰汁(あく)も命の竹を食らふ → 竹を食らふ灰汁も命の土佐煮かな
次回は6月10日(土)13時から横浜稲門会事務所にて
新たな入会者も随時募集しています。未経験者も歓迎です。お申込み、お問い合わせは世話人立木までお願いします。 TEL090-6276-1402 メアド qqht6cr9k@mist.ocn.ne.jp
立木記