いすみ鉄道 社長ブログ
いすみ鉄道のようなローカル線は、鉄道会社といっても零細企業です。こういう小さな会社は、社長が何を考え、どういうポリシ―や方向性で進んでいるのかを皆さまに直接お伝えし、ご理解いただくことが大切だと考えています。このブログでは、地元の情報やイベントなども併せて、「いすみ鉄道の今日」をお伝えいたします。どうぞお付き合いくださいますようお願い申し上げます。
なぜ中国人が騒いだか。 2016.12.28 Wednesday
雪で閉鎖されていた新千歳空港で、中国人観光客が騒いだというニュースをやっていました。「また、中国人か。」「中国人はどうしょうもない。」そういう世論狙いの報道だと思います。
私がそう思う理由は、中国人が「なぜ」騒いだか。その「なぜ」の部分がまったく報道されていないからです。
国際線の待合室というのは日本を出国後ということですから、お客様は自由に出入りできない状態です。
そういう所に前の晩から閉じ込められたまま、十分なケアもされていない中で、騒いだのが夜8時過ぎということのようですが、2晩目を同じ場所で迎えようとしているわけで、その人たちの目の前を、24日の同じ便が、23日のお客ではなくて、24日のお客を乗せて出発していく。そういう状況を目の当たりにしたら、そりゃあ私だって暴れますよ。
少なくとも、入管や税関はどういう取り扱いをしたのか。航空会社はどういう取り扱いをしたのか。元業界人としてはとても気になるのですが、最初のTBSのニュースを見る限りは何も記されていません。
それはどうしてか?
おそらくメディアの人たちの情報源が空港当局者だからでしょう。
空港当局者、つまりオーソリティーは、きちんと旅客をケアしなかった側ですから、そういう人たちにぶら下がり取材をして、そのままニュースにするようだと真実や原因は解明されないのですが、速報性にこだわるばかりそうなるのでしょうね。
今回は空港ですが、JR北海道の報道も、同じようにある種意図的なものを感じるものがほとんどでしたが、そういう報道というものを視聴者は見抜かなければならないのに、「そうだ、そうだ、中国人が悪い!」的なことを言う人たちが多く見られるのはどうなのかなあと思うのです。
韓国や中国では、「日本人が悪い!」「日本は悪い国だ!」と国民全員が言っているように報道されてますが、本当なのでしょうか。
私の知る限り、日本バッシングをしているのは多くは50代から30代ぐらいまでの人。その上の老人たちは日本をあまり悪くいう人はいません。
どうしてか? 彼らは日本時代を実際に経験しているのに対し、若い人たちは教育でしか知らない。ということはそういう教育をされてきた。つまり政府の意図でそう教え込まれてきたということです。
日本も同じで「中国人が悪い!」という人たちは、だいたい40代以下の人たちで、60代以上の人たちは中国人のやっていることを見てもバッシングなどできません。
なぜなら、自分たちだってバブル以前にさんざん同じことを海外でやってきているからで、ある意味、文明の発展過程や経済の発展過程で通り過ぎる必要性がある一つの通過点に、今、中国がさしかかっているということがわかるからです。
日本だって公害垂れ流しで、大気汚染が激しく、学校では体育の授業が中止されるなんてことが当たり前でした。
クラクションを鳴らしながら交差点に先に入った方が勝ちという運転マナーも当たり前だし、整列乗車などができるようになったのもここ30年ぐらいだと思います。それまではラッシュアワーの電車のドアに乗客がわ~ッと群がっていましたから。
たばこの投げ捨てやごみのポイ捨ても当たり前。
喫茶店に入れば、テーブルの上に置いてある砂糖やミルクをガサッと鷲掴みにしてポケットに入れて持ってくるおばちゃんなんか普通だったんですが、60歳以上の人たちは知っているけど、若い人たちはそういう日本人を知らない。
だから、「中国人はどうしょうもない!」と言っている人たちは40歳以下ぐらいの人で、60歳以上の人たちは、自分たちもそうだったから黙っているわけです。
だから、政府だって、中国人に日本人がバッシングされようとも、きちんと公害の防止対策などを指導して、技術協力や資金協力をしているのですが、たぶん、今、マスコミの第一線でカメラを回して、記事を書いている人たちは、40代以下の「中国人はどうしょうもない!」と考えている人たちが多いのではないでしょうか。
もう少し本質をとらえて、なぜ、彼らが暴動を起こしたのか。その原因はなんなのか。
私が気になって仕方がないのは、国際線のロビーで、ということで、だとすれば入管や税関のコントロール下にあったわけですから、そういう所に原因があったかもしれない。何しろ、私の知る限り、入管や税関は、「お客様ファースト」などと言う考えの全くない人種の集まりですから、だとしたら、インバウンド政策を国が取っている以上、改善しなければならないのはそういう所のはずで、それが本質だと思うのですが、そのオーソリティーにぶら下がり取材しているだけでは、何も本質をとらえることができないのではないかと思うのであります。
そして何より忘れてはならないことは、40代以下の人たちが「中国人はどうしょうもない!」と声を出しているかもしれませんが、日本人もかつては金の力にモノを言わせて、海外で傍若無人の行為をさんざんやってきて、アメリカやヨーロッパでは「ジャップ!」と呼ばれて軽蔑されていたということで、つまりは、あなたたちのお父さん、お母さんたちは、今、あなたたちが毛嫌いしている中国人と同じだったということなのです。
そして、あなたたちには、今、あなたたちが毛嫌いしている中国人と同じ行為をしてきたお父さんお母さんの血が流れていて、お父さん、お母さんに育てられて大きくなったということなのです。
田舎者が、田舎から出てきて、一生懸命頑張って、生活をして子育てをして、40年経って、その大きくなった子供たちが、田舎から出てきた人たちに向かって、「お前らのような田舎者はどうしょうもない!」と言っているのと全く同じ構図ということなのですよ。
だから、そういうことはあまり口に出さない方が良いのです。
そんなことよりも、根拠の乏しいマスコミ報道に踊らされている言動の方が私は恥ずかしい。
昔々に「一億総白痴化」といった人がいましたが、マスコミを鵜呑みにする人間が大半を占める時代だとすれば、確かにそうなってきているのかもしれません。
もし、お読みのあなたが、今夜の私の文章を「???」と思ったとしたら、それは、たぶん、危険信号ですよ。