月のカケラと君の声

大好きな役者さん吉岡秀隆さんのこと、
日々の出来事などを綴っています。

秋の色、空の行方

2008年09月02日 | 山田監督作品


満男くんは、
ミステリアスだ。

謎の部分がとても多く、
それが私の心を惹きつけてやまない。
例えば、
どうして満男くんは秋になると家出をするのか?
どうして旅先でやたらとシャツを脱ぐのか?
どうして旅にでるとカレーと柿ばっかり食っているのか?
どうして目玉焼きの白身はあまり食べないのか?
どうしてコケてスベって転がってばかりいるのか?
どうして笹野 高史さん似のおっさんが頻繁に周りに出没するのか?
どうして泉ちゃんまで秋の外出祭りを繰り返すのか?
どうして諏訪家の玄関は毎回デザインが変わるのか?
三平ちゃん、時給はいくらなのですか?
などなど。
海より深い謎の数々。
ミステリー数記録保持者ニッポン代表かもしれない。
なんて深い男なんだ、満男くんよ。
その割にチミの人生はとてもシンプルに見える。
何故なのだろう?
それがまた謎を呼ぶのだわってばよ。
ミステリー満男。
深い。
ような気がする。
気のせいかもしれない。

ということで九月でございます。
気分はもう秋モード。
秋といえば満男君。
なんてたって満男くんは秋男でごぜいやす。
秋男。
英訳するとカンバックサーモン。
しかし秋男といっても別に武蔵野の木立の中を散策しながら、
「風立ちぬ。いざ生きめやも。。。」
などと遠目&ため息まじりで呟いている
堀辰雄チックなあっき~君ではなく、
満男くんのそれはなんというかはっきりいうと、
秋祭り野郎。 
中国語で大騒男是大収穫也秋哉。
となるのかもしれないけどそれはどうかな、フフ。(←なにやつ?)

人は旅をして何かを学んでいく。
だから旅エキスパートの満男くんは
一秋ごとに成長しているのだ。
だからきっと毎年成長するために旅へと出るのだと思う。
そうに違いない。さすがだ、満男。
でもほぼ毎年すったもんだの挙句に家出という形で旅立つのは
何故なんだろう?
それが彼の旅における流儀なのだろうか、それとも
前頭葉辺りに高性能記憶リセット機能がついているのかもしれない。
ミステリアスなのだ、やはり。

この満男くん家出秋祭りの歴史の中で、
とりわけ印象に残っている家出カウントダウンの場面は、
第46作目の回。
就職試験に落ちまくって鬱屈状態の満男くんが、
「大学なんてほんとは行きたくなかったんだ。
母さんが父さんのために行けって言うから行ったんだぞ。」
みたいな言葉で親に八つ当たりをして親父さんに叩かれる場面。
んまーっ、なんてことなの、満男くんっ。
あんなにちっこくって可愛いくって画面の端っこに額縁みたいに映っていた
満男くんがぁ~~こんな風に親に反抗するなんてぇ・・・なんてことなんだぁ~
なんてことなのかしらぁ~~~なんてことなの~~~なんてことをするんだっ
博ぃ~~~~~~っ!!!
ぶたなくったってええやんかぁっ。
おいちゃんは悲しいぞぉ。
ちなみにこの場面を最初に観た時はビックリしすぎて
「ほぶゃっ!?」っと叫んで、
ブーブークッションに座ってしまった河童のように
座席から気持ちは三メートルくらい飛び上がってしまったとです。
なんてことはどうでもいいのだったわ、そんなことより、
おいおい博ぃ~、どうしてくれるのだっ、
泣いちゃうじゃないか、みっちゃんがぁ~。
涙もろい気持ちの優しい子なんだぞぉ、満男くんは~。
親の教育が良かったのね。見習えよ、博!
って博が親父さんだったずら。
ということでまた家出ずら。

でも満男くんの家出はなんというか、
保険がついている気がするですばい。
温かい家族という保険付きの家出。
それがあるからこそ満男くんはこうも簡単に
家出ができるんだろうな~。
帰ってくる場所がある。
そこで待ってくれている人がいるって
幸せなことだよね、満男くん。
そしてその幸せをないがしろにせず
しっかり心で感じ取って大切にしている満男くんは、
やっぱり最高や~。

人としての、
根本的な優しさを
満男くんはきちんと持っているとですねぃ。

彼の原風景は
とてもシンプルで、
とてもわかりやすいですだ。

曇ったり、雨が降ったりもするけど、
でもそんな時でも雲の向こうの太陽は
その光をどこか見えないところにも照らし続けている。
という安心感、安堵感みたいなものが
観ていて自然と受け取れるとです。

生き方に防御柵がないというか、
とても健全な開放感が広がっているというか、
凝り固まった執着心がまるでない気がするですばい。
執着心がないのだけれど、
でも独自の哲学を持っていたりなんかして、
あなどれないずら。
そんな人って探してもなかなか周りにいないでごわすよ~。

そう考えると満男君という人は
とても貴重な人物だったりするのですがしかし、
「架空上の人だからええやん、それで。」
とは決して思わせない、全然ふつ~なその他大勢、
日本代表ご近所くんみたいなリアルな人物だったりもするので、
そこがまたごっつう貴重だったりするわけで。
やっぱりミステリアスなのだ、満男くんってば。
すっきやでぇ~、もう~っ。

はぁ~恋しいのぉ~、満男く~ん。
またいつか会えないかな、
今の満男くんに。。。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山田ミステリー

2008年03月08日 | 山田監督作品


満男君は秋になるとよく家出をする。
これは生態学上、「逆サーモンの法則」、または
「サーモン行って帰ってショートバージョン」
と呼ばれるものなのかもしれないけどわからない。
この生態学にもうちょっと補足を付け加えるとこうなります。

1 家出先で馳走になるのはカレー
2 柿を見れば皮ごと齧りつく(渋柿限定)
3 やたらと薄着になったりもする

というリピートディーテールまで付いております。
意外と満男くんは几帳面なのかもしれない。

今日はこの満男サーモン生態学について
ちょっと書きたいと思いますです。
まずは生態学その1・カレー。
満男くん初めての家出の際も、重要アイテムとして
重要キャラ名人・笹野さんと登場したカレー。
しかしそれは以前に書いたのでここでは割愛いたしまする。

「男はつらいよ 第48作・紅の花」の作品では、
いっぱしの家出名人となった満男くんでありますが、ここでは
カリメロユニバース元代表みたいな美しいリリーさんに
またもやカレーをご馳走になっております。
ここでいつも私は思うのであります。
テーブルの中央に置かれた小皿にのっている、
あの赤い丸玉くんは一体なんなのでしょー?
赤玉パンチ? 
いやまさか。
カレーなる歴史に花を添えるものといえば、
それは福神漬け。
満男君はこの場面で、
カレー皿に僅かに残っている福神漬けを
手でつまんで全てたいらげております。
王道であります。さすがのカレー大臣。
しかしそんなことより気になるのはあの赤玉くん。
なんなのだろー? 
カレーと一緒にオーダーしていて、
色は赤であり、
所は小皿である。
カレー + 赤 + 小皿 =
変形福神漬け?
沖縄の福神漬けはまん丸なのかっ? 
いやそんなことは聞いた事もないぞ、シーサーよ。
ならばカレーといえば、らっきょうも可。
らっきょうは丸い。
とするとあれは情熱の赤らっきょう? 
らっきょうレッド丸だとでもいうのだろうか? それとも福神丸? 
思い切ったところでびゅんびゅん丸かもしれない。
壊れてきちゃったわ、また。
軌道修正。
この場面でみっちゃんは、確かにあの赤玉くんを
パホンっとお口の中に放り込んでいるのであります。
食す物なのだ。確かに。しかもコロコロ転がっている。
いや球だから転ぶであろう、ピョン吉よ。(←なんで急にピョン吉?)
だぁーーーっ、一体あの謎の物体Xはなんなのれすかーっ?!
と、二日酔いの茶川さんばりに頭を掻き毟ってしまう私なのでありまするだ。
山田ミステリーであります。

と、解けないミステリーはこの際ここらで打ち切って(←!)
お次の生態学2はこうしましょう。知らんぷり。
ということで生態学3であります。
これは語りだしたらやめられないとまらないのかっぱえびせんであります。
なのでここでは、最後にして最大インパクトな有終の美を飾った
48作目での満男生態学3に絞って手短に書きたいと思います。

「’’」
 ↑
これが48作での満男生態学3・ハンモックバージョンを
初めて観たときの私の劇場でのリアクションでありました。
しかしこのシーン、どうみてもおかしい。
ハンモック登場は判るような気がする。
しかしその使用法がなんか違うような気がするのであります。
みっちゃんだったらきっとスヤスヤ眠りながらもズベリンっと
そこからずり落ちたりして~の満男コケ・ハンモックバージョンを
展開して笑いを取ると思っていたのにぃ~っ、なぁ~~~んでここだけ
JUNON MITSUO?
山田監督よ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふぅわんたすてぃっくっ!
一生ついていきますだ、大御所ツボラ~殿。ありがたや~。

ちなみに先に書いた「”」でありますが、これは
「だっひゃぁーーっ!!?」
という、初めて火を見た石器人のような雄叫びを、
かろうじて「だ」の濁点だけ音声化して後は飲み込んだ、
という苦肉の濁点叫びなのでありました。

ファンも(時には)つらいよ、でありまする。んふっ

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

満男くん、悩める青春

2007年11月10日 | 山田監督作品



「さらば」
と言い続けて宇宙戦艦ヤマトは何度も帰ってきた。
「ジョゥワッ!」
と叫びながらウルトラ兄弟も三分間限定で地球に舞い戻り続けていた。
以外に子沢山なのね、ウルトラの母ってば。
やはり歴史は繰り返すのだ、ヘーゲルさん。

ということで、これでもかぁっ!なくらい枯葉舞散りまくる晩秋の夜、
心のホッカイロといえば、それは書くまでもなく、
満男くんリターンズ。(←書いている。)

男はつらいよ・第45作「寅次郎の青春」であります。

満男君シリーズだけに絞っていえば、
これはかなりの好き好きランク上位に位置する作品でありまする。

なんてたって、磨き出された輝く原石のような吉岡満男くん。
ってだけでも「キャイ~~~~~ン」っておはようスパンクみたいに
叫んじゃうのに、更にこりゃまた、永瀬出演ときたもんだで、おっかさん!

グリコ二粒600メートル。

おいしすぎる。
なんとツボまくりなキャスティング。さすがのツボラ~キング山田監督。
おいどんはやりもうした。いやおいどんがなにをしたわけでもなかですが、
とにかくやりもうしたのだ。感涙でごわす、うぅ。
と、作品公開当時は暮れ行く夕日にこぶしを固めて涙ぐんでいた
伴宙太な私でありやした、星君、大リーグ魔球じゃ。ストラ~イクッ。

この作品、もうのっけから、「ごっつぁんですっ!」でありまして、
シリーズ恒例、寅さん夢のシーンから幕を開けるでありますが、
この冒頭場面はもう、「参りやしたっ、山田監督っ、ははぁ~~~~っ!」
と思わずその足元にひれ伏したくなるほどの、吉岡黄金映像その748番目。

なんてっ、フフ~、たってぇ~、フフフ~、書生さん、ンフフ、姿のぉ~、
フッフフッフ~ってまともにしゃべれなくなっちゃうでねぇですか、
ノックアウトでごぜいますわよ、吉岡君ったら、フフフフフ~♪ んふ♪
ってなっちゃうほどの、ザ・おいしすぎるでしょう!

吉岡君は、着物が大層似合いなさる。
袴姿まで凛々しく着こなしてしまう。
おまけにそんな麗しいお姿で、はいからさんが通るのような泉嬢の乗る
人力車に並んで走っているっ!!!!!!!!!
おぉおおおおおお~~~~~~~~~~~走っているのだっ、満男君っ!
この走りっぷりがたまらんのだっ。切なくって、頼もしくって、凛としてて、
後姿全体から流れるような感情を飛ばしてくる走りっぷりじゃよ~。
健さんもメロスもびっくりじゃ。なぁ~んてかっちょええのだぁ、
そうじゃそうじゃそうじゃった、チミはツボラ~王子くんでもあったのだぁ。
かなわんじぇ~。

と、夢のシーンは夢のように終わり、本編始まって、きゃい~~~ん
満男君ったらまた走ってるわぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
だめじゃん、満男。
全身で、でびゃれ~~~~~ん、とへたれきってるでぇ。
やはりあれは夢の走りだったのかぁ、みっちゃんよぉ~~~~。
基礎体力がないんだ、とオヤジさんに小言を言われても仕方ない走りっぷりだで。
しかしそれを演じる吉岡君は基礎土台力完全装備。
満男君を支える縁の下の力持ち。素晴らしい。そんなチミにフォ~リンラブ。

そんなこんなの相変わらずへたれキング満男君でありますが、
朝から食卓を囲んでなんだかそわそわうっきうき~。
何故かといえばそれはもう書くまでもなく、
泉ちゃんロケットモード。(←やはり書いている。)
泉ちゃん諏訪家ご招待チケットを無事に手に入れた満男君は、
きちんと目玉焼きの白身も食べてるわぁ~。
泉ちゃんはチミにとっての食生活改善理事長なのでしか?
さすがだ、満男君。人生とはとてもシンプルなものなのかもしれない、
と、君の姿を見ているとそう思うぞなもし。

さてさてその後登場した泉ちゃん、
えらく大人っぽく色っぽくなっていたのでびっくらこいたでごわす。
満男君もそんな泉ちゃんの姿に、急にドッキリドキドキしちゃったりして、
でもそんな気持ちを泉ちゃんに持ったこと対してすぐに自省しちゃったりして、
んも~満男君ったらなんて優しくて純粋でどこまでもまっすぐなのだぁ、
大好き~~ん!
しかし泉ちゃんのあんなお美しい顔でもって、
いたずらっぽい上目遣いで見つめられたら、
どんな殿方でもドキドキちゃうってもんだわな~。
満男君なんてご丁寧に階段落ちまでしちゃったわよ、まただわ、
出たでコケツボプレミア~ム! 
満男七不思議現象の一つであります。
満男君はどうやら泉ちゃんにも弱いけど、地球引力にも弱いらしい。
そんなチミの引力に魅かれっぱなしじゃよ~あたしゃ~。

とにかくこの作品でも、ヘタレパワー、天然吸引力、純情パワー、切なさパワー、
八面六臂の満男パワーで吉岡だし風味。さすがのミスター昆布つゆ。
だしが基本です。

この作品の中で、一番印象深かった場面が、
宮崎から寅伯父さんと柴又に帰ってきたあとで、
一人江戸川の堤防で黄昏の君になっている満男君の姿。
あともう少しで夕闇に変わっていく直前の茜空がとても美しく、
吉岡君は、その風景にとても綺麗に溶け込んでいるであります。
でもほ~んの僅かにだけ、前面に自分を出して、満男君の気持ちを
スクリーンにのせてきている、っていう雰囲気というか、
風景に重くのしかかっていない存在感がそこにはあって、
風景と彼の存在感がとても良いバランスで響きあっていて、
必要とされる場所に、必要なバランスで存在している、
そんな感じがするとです。

さてですね、この物語の終盤、泉ちゃんが急に名古屋へ
帰ることになってしまったことを知って、
急いで泉ちゃんのいる駅へと走る満男君。
また走っているぅ。
だみだぁ・・・も~~~う、チミは切なくなっちゃうだけでも、
まるで月時雨に憂う君、なのにその上さらに、
ナイーブランナーしているとは、ツボ多発。
七曲署の新米デカでさえ思わず太陽に「かなわねぇぞっ!」と
吠えてしまうに違いないずら、吉岡走りナイーブ版、無敵の必殺。
たまらんねーっ! 
っとなっているうちに、画面の中では、泉ちゃんと無事に会えた満男君。 

この場面、切なかです・・・・・。
泉ちゃんも、満男くんも、どっぷり切なか~。
切なすぎちゃって、呼吸困難になっちゃうのよ~んって、
ちょっとまったぁーーーーーっ、
どっどっどっどっどっどっどれみっみっみみみみみみみみみそらしどわぁ~っ!
ってそうでなくて、こうでした、
どっしゃぁ~~~~~~~っ、みつおくんがぁ~~~~~~~~~~~、
接吻なさりもうした。


はしゃぁっ
どぅわぁっ
おひぇええぃっ
フッ

ついでにクラ~。

と、思わず擬音起承転結を劇時で展開して、
ついでにエピローグまでつけてしまったくらい、
当時は衝撃的だったですば~い。今もだけど。

満男くんよ、おいどんはまた泣きもうした、よく泣くでごわす。
何にって、今度は感慨深さに泣けたであります。
いや、その涙にはティースプーン三さじくらいのジェラシ~が混入されて
おりましたが、とにかくツツ~と涙が自然と鼻から流れてしまったですばい。

あんなにちっさかった、いや最初はやたらとでかいちびっ子だったけど、
途中でいきなり縮小漂白されて画面の端に出たり入ったりしていた
まるでパンの耳みたいな存在だったちびっ子惚れさせ大将がぁ、
気付けばくちづけのお年頃。時は金なり。
青い春だわ、満男君。
人はこれを略しても略さなくても青春と呼ぶらしい。

しかし切ない。
新幹線を見送る満男君の後姿が切なすぎて泣いちゃったよ~、ぐっすん。
みんなみんなやりきれないほど切ないね~。
やりきれない切なさだから大人になっていくのかな?
それとも大人になるからやりきれなく切なくなるのかな?
どちらにしても、また大きく成長したんだねぇ、満男くん。

世の中には、理不尽なことがたっくさんあるけど、
でも理不尽なことに対して理不尽なことでやり返したりせず、
そしてそんな場所へ決して成り下がっていかないチミは
やはりとっても魅力的で芯は逞しい人なのだ。
頑張れ、負けるな、満男くん。沢山の人が応援してるよ。
自分の歩幅で自分の道をまっすぐに進んでいく君が大好きだよ~。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

満男くん、20歳の休日

2007年10月05日 | 山田監督作品



満男くんは、めでたく20歳になった。


成人した満男くんは、
やはりめでたい満男くんのままだ。


好きやでぇ、満男くん。



この世の中には、なんとなく得するタイプの人、
という人種の方々がいると思われ。


例えば、長蛇の列に並んでいる自分のまん前に、
いきなり割り込んできたいかつい体のおっさんが、
振り返ったらゴマちゃんみたいな顔をしていた。
キュ~。

としたら、

驚き及びに和らぎ効果で憤怒のわななきも瞬時にしてすっ飛んでしまうと思われ。

このように、
「わなわな感をそのキャラで押し切ってしまうめでたい人」
という人種の方々は、なにげに高いエンゲル係数率で
日本の食卓に存在しているのかもしれない。

葛飾柴又あたりには、そういった方々の住居率は
きわめて高いような気がしないでもないのですが、どうでなのでしょう、
満男くん、血統ですか?


男はつらいよ・第43作「寅次郎の休日」であります。


本作品での満男くん、親離れ真っ最中のようでありまして、
相も変わらず両親をいがいがキィ~~~ッとさせながら、
なにやら一人暮らしを計画中。

ええんでないかい、一人暮らし。
責任感が大きく芽生えてきたのじゃの~、満男くん。
成長したねぇ~、おいちゃんは嬉しいのだ。
しかしちゃんとピーマンは食べろよ。

さてさて、一人暮らしを反対され、またまた両親を
いがいがキィ~~~~っとさせてしまった夜の数日後、しかし負けずに
大学の友達たちに手伝ってもらいながら見つけたアパートへと、
八王子から柴又まで引越しの荷物をレンタカーでとりに帰る満男くんは、
そうです、ここです、泉ロケットカウントダウン。


友達を家の外に待たせてカウント3、

「これから引越しするけど」と母に宣言してのカウント2、

「お~い入れよ。」と友達に声をかけてカウント1、

タッタッと階段を上がりかけて泉ロケット 


泉軌道に乗った満男くんは、
引越しも、友達も、いがいがキィ~~~~~ッも、
まるで何事もなかったかのような遥か彼方のイスカンダルで、
世界は一つ泉ちゃんだよ僕の心はユネスコ級。
その夜、ご機嫌で泉ちゃん参加の諏訪家の食卓を囲んでいるわけで。


めでたい。
めでたすぎるぞ満男くんっ!

成長したのではなかったのか?


いいよ、いいよ、満男くん、いいんだよ~ん。
親をやきもきさせたって、満員電車に乗りたくなくったって、
手伝ってくれた友達をトンボ帰りさせたって、ピーマン食べれなくったって、

ってピーマン食べてるぅっ!!!!!!!!

どっしゃぁああああああっ!


チミってやつぁ~・・・・・・、
泉ちゃんさえいれば、
泉ちゃんさえピーマンを切ってくれればぁ、

それでええのか、みっちゃんよ?


なぁんてわかりやすい性格なんだぁ、満男くんよぉおおおおお~~~。
まるでジャッキー・チェンの香港映画で悪役を瞬時に見つけるのと
同じくらいのわかりやすさだでよぉ~、ええでぇ~、満男くんっ、
さいっこうだぁー!


このように、満男くんという人は、
こと泉ちゃんのこととなると、
状況を天秤にかけたりしないあっぱれ見事な決断力を
コンマの速さで発揮するであります。


これはある意味、非常に男らしい。

そしてある意味、とてもおめでたい。


東京を離れてしまった父親を尋ねに九州まで行こうとする
けなげな泉ちゃんに、満男くんもたまらず一緒に新幹線に飛び乗ります。


ここじゃだばでだばすばだばって、 ♡ ♡ すぎて言語不能になっちゃったズラ、
やったぜ、満男っ、大ホームランだぁ!!!


驚く泉ちゃんの前で、ただただ黙って何も言わず、
少し照れたように、でもしっかりと「その場」に「一緒」に
気持ちを寄り添わせてくれる満男くん。

なんて男らしい優しさなのだぁっ、惚れるでねぇかっ。
みっちゃんったら、たまらんねーっ!

あ~んな風に好きな人に電車に飛び乗られて一緒にいてもらえたら、
徳永英明の歌がなくっても切なくて泣いちゃうぞぉっ。


そんでもってとことん初々しかったりするのよね、チミってばぁんっ!
満男くんの鼓動が直にまっすぐ伝わってきて、
キュ~~~~~ンッと共鳴鳴り響きましての心拍数急上昇。

何度も書いちゃうことでありますが、
吉岡くんは、こういった、体裁コーティングされていない生身の感情を、
そりこそ「新鮮直送でお届けしやすっ」といったフレッシュインパクトで、
時には雷鳴のようにどど~んと容赦なく、
そして時には鳥の羽のように微かに震えるように、
などなどな~どのエトセトラで書き出したら止まらない程、
そりゃ~繊細多様な波動でもって伝えてくるでありますだ。

画面という柵がまるで存在していないかのような温度と質感でもって、
心情という鐘を様々な形で鳴らしてくるでありますだで、
見ているこっちも心がどわわ~っと揺さぶられちゃうのでありますのだぜぃ、
さすがのエースだ甥っ子くん、とれびあ~ん。

ちなみにこの場面を劇場で観た時の私は、

はしゃわやららららわわわ~~~~~~~~~~~

と、骨抜きクラゲみたいになってしまったとです。
まいったね、だよ、満男くん。


満男くんが持つ優しさというのは、とてもふんわりとしていて、
押し付けがましくない気がするでありますだ。

コットンみたいに白くて柔らかくて温い、
とても心地いい優しさをもっている人のように感じるですばい。
そしてとにかく一直線。

新しい土地で、新しい女性と暮らす幸せそうな父親の姿をみて、
何も言えずに立ち去ったセンチメンタル・ジャーニーの泉ちゃんを
懸命に慰めようとする満男くんは、それはそれはただただ一心。
一心に泉ちゃんの傷ついた気持ちを思って想う満男くんは、
邪心がなくて、とても一直線でありますだ。惚れるぜ、みっちゃん♡


きっと、そんな傷心の泉ちゃんをもっと元気付けさせるために、
温泉旅館で一曲歌って踊ったのに違いないのだ、満男くんったら、
なぜにちびまる子ちゃんの歌?

いや、その場で、「ギャランドゥ」とかを歌われるよりは
全然ましであります。ましでありますのですが、しかし、
いくら大好きな満男くんであっても、
いきなり、酔っ払った浴衣姿で、目の前で、
たったたらた~、あ、そ~れそれ~♪
などと踊り唄われたら、
私はツンドラ気候に投下されたバナナのように瞬間冷凍されて
その場で釘を打ってしまうかもしれない。

やはりめでたいのだ。

千手観音もお千手上げだよ、満男くん。


しかし、ぴ~ひゃらな満男くんを目の前にしても、
微笑むことができるのが、さすがのモービルオイル泉ちゃん。
いかなる時も凍結しない。

これは恋というより、すでに愛にちかいのではなかでしょうか?

でなければ、突き抜けちゃった人を目の前に、
余裕の笑顔で微笑むことなどできないはずだぁ。
菩薩のようじゃで、泉ちゃん。

やはり満男くんには、泉ちゃん。
泉ちゃんには、満男くん。
終わりがあるから恋で、終わりがないから愛なのかもしれんとですね~。
ええカップルでごぜいます。

泉ちゃんをひたすら想って想いぬく、
男らしくて、おめでたい満男くんは、
やはりとっても愛しいお人であります。

彼が持ち合わせる「男らしさ」と「めでたさ」というのは、そのどちらも、
「それが満男じゃ。」
と、その場その場面で、違和感を全く与えることなく、
観客を自然に納得させ得てしまえる、
ナチュルルブレンドパワーを持っているでありますだ。

場面から生まれる性格描写ではなく、
満男くんから生まれる場面、っていう感じでありますけん、
凄いわ惚れるわフォ~エバ~。

絶妙な軽妙度でミックスブレンドされた満男くんの喜怒哀楽を、
至極当たり前に、至極当たり前の仕草で、至極当たり障りなく
こなしてしまう吉岡奥義、山田流。

深いでごわす。


さて、泉ちゃんが母親と一緒に、名古屋への帰途へつくのを見届けた後、
満男くんも寅伯父さんと一緒に柴又へと帰りまする。

伯父さんとの旅をまたひとつ終えた満男くんは、
年明け早々、またまた泉ロケットを炸裂させたりしておりますが、

新年明けて、
満男くんは走る。
自転車に乗って、走る走る走る。
まっすぐに続く道をひたすら走る走る走り続ける。

人間はほんとうにわかりにくい生き物なんだなぁ、と
哲学しながら成長していく満男くん。
大好きやでぇ~。


そして、
ほんとうにわかりにくい生き物である人間を、
懸命に生み出し続ける吉岡くん。


あなたの存在で、私の世界はバラの包みのたかしまや~。


いつもありがとう、吉岡くん。
大好きだよ~。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

満男くん、19の家出

2007年08月24日 | 山田監督作品



満男くんはどうやら親不らしいので、浪人生らしい。

そして遅い反抗期の真っ只中にいるらしいので、
なにやら親を毎日嘆かせているらしい。

しかし親族を何十年も嘆かせ続けている寅伯父さんには、
さらっと心を開いてついでに二人でぐでんぐでんに酔っ払ってしまうらしい。

やはりこの伯父と甥は濃い血で繋がっているらしい。


恋する満男くん、19の秋であります。


男はつらいよ・第42作「ぼくの伯父さん」では、
なんだかいつも眠そうな顔をしている満男くんでありますが、
頭の中は寝ても醒めても泉ちゃんのことで一杯らしく、
江戸川のほとりで、伯父さんからもらったエジソンバンドを
頭に装着して考えた末、徳永英明の歌をバックに、
バイクで恋する泉ちゃんのもとへと旅立ってしまう甥っ子くん。
これは親にとっては一人息子の家出となるのでありますね。

青春じゃの、満男くん。

青春と親のため息は、切っても切れない
金太郎飴のようなものなのかもしれんぞな。

そして青春とは、どっひゃ~っ!となってしまう出来事とも
常に背中合わせでございます。

特に満男くんは、ひたすら純情一直線な子だから、
その純情さが時には危険分子吸引力となってしまうことも、しばしば。

その「満男どっひゃ~っ第一弾」にして最強チャンピオンベルトだったのが、
この作品の中での、「おっさんライダーどっひゃ~っ!」事件。

旅の途中、バイクで転倒してしまった自分を助けてくれた
おっさんライダーに、ランチをご馳走になっている満男くん。
名優・笹野さん、上手すぎるっす・・・・・・。

それにしても、あなた、よくカレーをご馳走になってますね。
奄美大島でもリリーさんにカレーを馳走されてましたですね。
カレーが大好きなの、満男くん?
ばら寿司もいいけどカレーもね、って感じなのかしらん?

ってそんなことはどうでもええのでした。
この場面での満男くん・・・・・・・・おいおい、チミ・・・・・


変だと少しも思わないのか、満男くんよ?


どうみたってどこからみても変でねぃですか、このおっさん。

黒のレザージャケット、白いライダーパンツに黒ブーツ、おまけに
ゴルゴサーティーンのようなグラサン、って・・・・
杉良太郎だってこんな格好はしないぜよ。

ひと目で「変ちくりんっ!」てわかるでねぃですか。
なんで気付かないんじゃ、みっちゃんよ・・・。

バイクで転んじゃったのがそんなにショックだったの?
そりともここでも泉ちゃんのことで頭が一杯なの?
もしくは物事を濾過純度分解して見てしまうのですか?

純粋じゃのぉ~、満男くんったらぼくドンちゃん。


って、なぁ~んでおっさんと一緒の部屋に泊まるんじゃーっ!!!!


満男くんよぉおおおおおお、あんたって子はどこまで・・・泣けてくるぞぉ。
この涙をなんと呼べばええのですかぁ・・・グリコのポーズでお手上げじゃよ。
無垢すぎるんだば、いくら二十歳前とはいえ、なんでやねんなっ?!


それにしても不思議すぎる・・・・・この場面。

まるで松竹ミステリー劇場のようですだ。
何故なら・・・・・

何故に満男くんは、わざとらしい程に
片方の胸がさらけっちゃっているのですか?

何故に満男くんは、ホテルの薄っぺらな、
病院の検査着ガウンみたいなのを着ているのですか? 
たしか満男くんは自分のパジャマを持ってきているはずだ・・・・。

何故に満男くんは、おっさん接吻を危うく避けたはずの上唇に
うっすらと赤いルージュがついているのですかぁ~~~?

泉ちゃんとの初キスもまだなのにぃ、なんでなのぉ?
なんでなんで切干大根みたいなおっさんライダーなのれすかぁっ?!
もうなんでなんでなんでなのぉぉぉ~~ぉオ~~~~ノォ~~~!

ってあちしはムンクの叫びのようになってしまったのでありますだ、監督。


手塩にかけて育てるとは、
こういう試練をも与えるということなのですか?
星一徹のような容赦ない厳しさですねぃ、監督。


そんなこんなの思い込んだら試練の道をどんと行く満男くんでありますが、
どうにかこうにか無事に泉ちゃんの住む佐賀へと到着しますだ。
そこでやっと念願の泉ちゃんと再会。

ういういしいであります。
不器用ですからどうぞよろしくであります。
甘酸っぱ~いレモンスカッシュのような青春であります。
そしてやはりコケってスベってついでにドアに頭をぶつけているであります。
最高の天然パワーじゃよ、満男くん、大好きでっせぇ。

それにしても、この作品での満男くん、
泉ちゃんに対して、なんだか全面的にとても男らしい。

言葉使いも、泉ちゃんをぐいぐいとひっぱっていっている感じで、
とても頼もしいであります。
泉ちゃんの叔父さんに厳しい嫌味説教をされたあとに、
思わず泉ちゃんにもきつい言葉を返してしまう満男くんなんて、
すごい希少ものずら。

この作品での、泉ちゃん全面的牽引力を、一体いつどこに
置き忘れてきちゃったのだ、満男くんよ。

この先、満男くんと泉ちゃんの位置関係が、あれよあれよ~と
逆転していくのでありますね、恐るべし泉パワー。

やはり「軽いノリであいらぶゆー」とはいかないのだと、
この旅で悟ったのだろうか、満男くん・・・。

しかし、かわええのぉ~・・・・。
この作品でのチミは、ほんまに、ぼくドンちゃんでドンチャック、ふふ♡


途中、謎の二年の寄り道はあるものの、この作品から、
満男くんの泉ちゃんに対する長~い純愛物語が
幕を上げるのですね~、しみじみ・・・。

ただひたすらに、泉ちゃんを想って走り続ける満男くん。
惚れたらとことん想いぬく、純情一直線の満男くん。

それはとても一生懸命で、純粋で、まっすぐでありまする。

ただ相手をひたすら思いやって思い焦がれてその道を行く。
世間体なんて垢に決して汚されたりなんかしない、
いっとー純粋な想いでありますだ。

やはりこの伯父と甥は濃い血で繋がっているらしい。


コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

満男くん、19の秋

2007年08月11日 | 山田監督作品



紅の花からちょっと巻き戻ってみまして、
「男はつらいよ」第42作。

どうも私のブログは、
話題があっちゃ~いったりこっちゃ~いったり
落ち着きがないので、ここらで一旦、
満男くんシリーズは原点に戻って、
42作目から書いていきたいと思いますです。


「男はつらいよ」第42作、ぼくの伯父さん。


吉岡くんサナギ時代の作品であります。
そして実質的な彼の初主演作なのだと思われ。

んがしかし、公開当時は
「ゴクミマドンナ、寅さん一緒に大集合!」
ドバ~ンッ!
と大宣伝していたこの作品。

なんでやねんなっ! 

「ぼく」の伯父さんって、
わざわざその副題に付いているでねぃですかぁ。
満男くんを忘れているのではねぃですかっ、え?!
なんでゴクミばっかりぃ~っ、きぃ~~~~~~~~っ!

とアングリーモードで地団駄ふんでシコまで踏んじゃっていたものの、 
しかし論破できない自分が悲しい・・・・。

と、ひそかに悲しみのブルースを歌っていた満男くんファンは、
私を含み日本全国津々浦々散らばっていたに違いない・・・
はずだぁ。

しかし現在、

今の吉岡くんを見よっ、どんなもんじゃっ、
ムフハハッハッハッハッハ~でヨ~~~ロレイヒ~~~~!

と仁王立ちスキップしながら
喜びのヨーデルを歌っている満男くんファンも、
日本全国、海峡を越えた大陸までにも沢山いるに違いない。
(↑そこまで突き抜けている人は珍しいらしい・・・)

やったのぉ、満男っ、何度も書くが、
おいちゃんは嬉しぃぞっ!


さてこの「満男シリーズ第一弾」でありますが、
しかしやはり・・・正直言って・・・・・、

何でわざわざ相手が国民的美少女なのでしか、山田監督?
すでに叶わぬ恋なのかぁ・・・満男くんよ~、うぅ・・・・。

と当時は涙目にならずにはいられなかった、
ずばりバリバリ寅遺伝子キャスティング・・・。

んがしかし蓋を開けてみれば、
なんだか全く説得力がないような二人なのに、
なんだかものすごい納得力のある青春ど真ん中カップルっ!

とジャイアンツの王さんもお手上げの大逆転ホームランで森のうた、
ついでにナボナもよろしく。
という感じでありましただ、さすがじゃ、山田監督。

国民的美少女泉ちゃんとサナギな満男くん。
応援せずにはいられない、ほのぼの純愛カップルの
登場でありました~。


吉岡くんは、
決してあくの強い顔の持ち主ではないし、
あくの強い雰囲気を持ってもいないけれど、
しかし、
あくの強~い女優さんたちのあくを和らげて、
かつ相手の魅力を引き出しながら、
自分はそこから一歩も引けをとることなく、
あくを全く出さずに自分のもち味を十分に滲み出している、って
まるで半紙のような人ですねぃ、チミ。

神業じゃ、ヒデタカくんっ!

あくを出さない、
こりは難しいですぞい。

煮込めば煮込む程、出てきてしまうあくであります。
このふつふつ湧き上がる役者あくみたいなものを、
片時も微塵もその演技に見せない吉岡くん。

達人じゃ~、吉岡くんよ。

君はあく掬いチャンピオンで全国行脚できるに違いない。
できれば一緒にお供したいわ、きび団子がなくったって
ついていくわよ、どこまでも。


吉岡くんには、
「あく」というものが全くないし、
お相手の女優さんのあくを吸い取って蒸発させてしまえる
確かな演技力と、そこにしっかりと根付いた
空気のような確かな存在感があるから、
だからこそ彼は、どんな女優さんと一緒に演じても、
何の違和感も厭味も感じさせることなしに、
等身大の人物のまま、すっ、と
相手に自然に寄り添うことができるのではねぃでしょうか、と
推測するのだ明智君。

こりが、名優というものじゃの~。
しかも吉岡くんは当時20歳前じゃよ、わんだほ~。

泣けるぜよ、君の才能と努力に・・・。


この作品の中で、なにが一番ググ~っと
心に響いたか、というと、
冒頭での満男ナレーションであります。

「伯父さんは、生まれつき人に親切だ。」
から始まる満男ナレーション。


純じゃないぜよ、おやっさん。


このナレーションは、
もちろん純くんでもないし、吉岡くん自身でもない、
あくまでも「満男くん」。

そんなもんどれも同じに喋ってるだけじゃね~か、
と思われるそこのジェントルメ~ンッ!

チッチッチッチ、
ふっ、甘いな、お主。

満男くんと純君のナレーションはね、

きちんと聴かなくたって、きちんと明白な違いが出ているんじゃ、うりゃ~!

ナレーションとは、
声音で勝負でありますだ。
そしてそれをのせてくるキャラクターで、
難易度分け。
なのだと思われ。


青年吉岡くんは、

純くん語りで、
タイヤから空気が微かにスワ~っと漏れているような、
低音アンニュイ語尾フェードアウト型で底がない響き。

満男くん語りで、
気の抜けたファンタグレープみたいな気合のなさで、
低音だらりん語句はっきり句読点付き型で底がある響き。


純くんと満男くんの語り口を、
根っこから違えているわけでありまっせ、ジェントルメンよぉ。


しかも吉岡くんは、その語り口の違いを
決して大げさには変えていないわけであり。
        ↑
ここですっ、ここなのですだば、神業ナレーションの醍醐味!        
  

満男くんと純くんは、
そのキャラ基盤がおおげさに描かれていない人物たちであり、
この二人はあくまでも、

「普通ですから、どうぞよろしく。」

という日本全国青年団その98643、及びに98662番目、
といっても過言ではないほどの、
どうにもこうにもリンダまいっちゃうほどの普通キャラ。

この普通キャラのナレーションというのが
どすこい難易度なのだと思うのですぜ、おやっさん。

どこまでもいっても普通の兄ちゃん二人の声を、
どこまでいっても普通に表現し分けている、
尋常じゃないナレーション技なのじゃ~、どりゃ~っ!


吉岡くんは、普通の男の子二人の心情を、
まるで普段着感覚で語ってくるわけで。

そしてその普段着は、純君と満男くんで
「さりげな~く」着替えているわけで。

さりげないから、その違いが気にならない。
気にならないから、すっとそのまま心に入ってくる。
すっと心に入ってくるから、人物そのものとしての語り口を
しっかり伝えてくる。
しかし決して大げさではない。

ブラボ~~~~~~、さりげ大王ヒデタカく~~~~んっ。
惚れちゃうんだよ、まったくもーーーーーーっ!


と、我思う夏の空。




想いも文章も、つづく・・・

であります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

満男くんもつらいよ

2007年08月02日 | 山田監督作品



暑中お見舞い申し上げますぅ~♪

とその昔晴れやかに歌っていた、
モルツくんちの大家さん。
今じゃ、ほわわ~とモルツくんと一緒にビール飲んどります。

うらやましすぎるぞっ、スーちゃんっ!!!

せめて私もあの謎のボール君たちその1になりたかった・・・。
できれば目立つ赤色希望・・・。


日本も今、夏真っ盛りなのでしょうか?
こちらは、しょちゅう暑中お見舞い申し上げておるので、
私の脳みそは蒸発し続けており、
最近は時の経過についていくことすらままならず、
先日はどうしても自分の年齢が思い出せなかったであります・・・。

しかし、この間七月に入ったと思ったら、
あらよっ、という間に八月ですね~。

八月といえば、満男くんでございます。(←どうしてもこうなる・・・)


以前、三高とか3Kとか谷啓とかという言葉が
お嬢さんたちの間で男性や仕事を選択する時においての、
基準ワードみたいになっていた時代がありましたが、
このキーワードをくるまやバージョンで
なんなくクリアー達成していたのが、
男はつらいよ・寅次郎紅の花での満男くん。


まず、
高じた気持ちで
高気圧台風のように
高っ飛びっだよ愛しの泉ちゃん、
での三高。

なのに、
キョーレツに、
きめちゃったのに、
きがつけばハンモック。

ガチョ~ンっ!

で、三K+谷啓。

完璧すぎるぞ、満男くん。

やはり君は、
汗かきベソかき歩いている
人生ワンツ~パンチなお人なのだ。
チーターも一歩進んで二歩下がって驚いているに違いない。


満男くんという人は、
なんか、言葉や文字に表しにくい、
びみょ~~~~~~~~~な角度域の、
「ズレ」
をお持ちの人なのだと思われてしかたないであります。

彼はどうにもこうにも表現しづらい
ズレキングであって、
それはなんていったらいいか、
例えば、
雨が降ると校庭に飛び出しハリキリシュートしてしまう
あぁ青春のサッカー部員みたいな感じっていうか・・・、
なんかわかる気がする行動をとっているのだけれど、
しかし同時に、
なんかどこか理解に苦しむ行動をとっているのではなかろうか?
と思考文末に「?」が頻繁に登場してきてしまうような
「微かに感じるズレ感覚」、をお持ちな人なのであります。

このズレ感覚は、
彼の成長に沿って次第にその頭角をニョキリ~ンと
現していった第二次伯父遺伝子みたいなものでありますが、
それがパカッと花開いてしまったのが、
この男はつらいよ・最終作品でのことでありやした。

この作品での満男くんは、
とても悩んでいる。

いや、満男くんだって、彼流に、
いつもすごく悩んで哲学しながら、江戸川沿いで
エジソンバンドを頭に装着していたりするのだけれど、
この作品での彼は、外側から悩み始めたというより、
内側からもがいて悩んでいる、といった感じですばい。

これは満男くんシリーズ第一発めでの
満男くんの悩み方と、とても似ているであります。

まぁ、これは要するにやはり、
どうにもこうにもにっちもさっちももんちっちも
どじょう食べてお酒飲んで酔っ払って親父さんに叩かれようが、
焼肉食べてばら寿司食べてファミレスメニュー眺めて
鉄板焼きカルビってまだ食うのかよっ? 
と思われようとも、結局は、
泉ちゃんで世界平和だ満男くん、
でありますだ。
満男くんったら惚れぬくね~。
そんなチミに惚れぬいとるよ~、あたしゃ~。

しかしこの時期の満男くん、
なにやら複数の女性の影がチラホラホラリ。
しかし所詮それはシルエットララバイ。
それはある日突然満男くんの会社に現れた泉ちゃんよって、
瞬時にして彼の世界から消え去ってしまったのだと思われ。

突然会社まで会いにやって来た泉ちゃんに
舞い上がってしまったのか、
もともとやる気がないのか、
満男くんは泉ちゃんの姿を見るなり
商談もほったらして泉ちゃんを連れて
さっさと喫茶店へと向かってしまいます。

出たよ、満男の間欠泉!

もうこれは誰にも止められない
ナチュラルズレズレ現象なのだと思われ。

しかしこの場面での吉岡満男くんったら、
思わず私も間欠泉でぶっとびシャララ~ン世界は平和で火の用心!
でありました。
これも誰にも止められないナチュラルドキドキ現象なのだと思われ・・・。

「満男さんにね、会いたくなったの。」
なんて殺し文句をサラ~っと言ってしまう泉ちゃんに
「どふぁっ、うそつけぇっ(嬉しさ∞)!」
って言った時の吉岡満男くんは、

も~~~~~~~~~~~~~~~~う(←牛じゃなかとです)、

初雪のようにサラサラっとまっさらで泉のように濁りけのないピュア100%の
南アルプス天然水のような君は晴れ渡った夏の青空のようにすくすくと気持ちが
いいほど邪気がないのだあぁ君は純粋の塊でありますのでわたくしはもうそんな
チミに句読点も打ち忘れるほどぞっこん惚れ直しちゃったのでありもうす西郷どんっ!

まるで針のとんだレコードのように
何度も何度もリピートして見続けてしまったシーンでありました・・・・。
さいっこうだぁ~、ヒデタカく~ん。

ここでの吉岡満男くんは、
句読点も打ち忘れるほどの純粋ぶりでありますが、
しかしやはりそれだけ表現しているのではなく、
ドキドキしながらも泉ちゃんの翳りをすっと察して
すっと動揺している様を、瞬きの仕方や目線の角度などの
微細な演技の膜によって、そりゃ~繊細に表現しておりますだぁ。
さすがじゃ~、吉岡く~んっ!

満男くんは、どちらかというと、
単純一本なおおまかくんでありますが、
それを演じる吉岡くんの演技は、
とても繊細で細かく隙がない。

満男くんを演じているときに限らず、
どの役を演じているときでも、
一瞬たりとも「地顔」を出したりしない、
あっぱれくんでありますだ。

さすがの集中力の持ち主。

吉岡くんは、それが好きか嫌いかは別にして、
役者根性はどっぷりある人なのだと思いますだ。
だから、役に対する思い入れは
そりゃ~相当大きいものだと思うのでありますが、
しかしっ!
ここが吉岡くんのすごさなのでありますが、
そういった役者根性の裏側を、彼は
ぜ~~~~~~~~~ったいに役の上に
ミジンコほども出してこない、
スーパー葉隠れ役者なのだと思われ。

自然な演技、と簡単に言ってしまうけれども、
そもそも自然な演技ってなんなのでしょう、お茶の水博士?

吉岡くんにとっては、「演技」をしているのだから、
そこに自然も何もないのかもしれない。
しかしそれを見る方は「なんて自然な演技なんだぁ~」
と感嘆してしまう。
というところに、彼の凄さがあるのだと思われ。


だから「ただ地でやってるだけじゃんかよ。」
なんて想像力がまるで木枯し紋次郎のような人たちには、


地でやっているって思わせることが神業なんじゃ、
ばかたれぃ。

と、ついつい言いたくなっちまうのでっせ、あたしゃ。

満男くんの役は難しいっ!
と、私はWHOで世界宣言してもかまわないっ。

純君を演じるのとはまた違った難しさがそこには
あったのだと思われ。

なんてたって満男くんは、
作品を二時間ひっぱっていくには
普通過ぎるキャラであります。

ヘタレでズレズレっち~ではありますが、
そんな人はどこにでもいるわけであり、
そんな彼には特にきわめて突出している性格描写はなく、
ただただ愛しい泉ちゃんの為に右往左往しているだけ。

それは長年愛され続けてきた寅伯父さんのバトンを
受け取って「スクリーン」上を背負って走っていくには
あまりにも弱いキャラ設定なのだと思われ。

しかし吉岡満男くんは、画面をすいすいっと
ひっぱっていく力を、彼独特な空気抜き演技の
存在感でもって、十分に発揮しているわけであり。


満男シリーズを敬遠する長年のファンの人は、
少なくないであります。
しかし満男くんシリーズを応援していた
長年ファンの人も確かに多いと思う。
私の父親も甥っ子くんをいつも応援しておりました。

そんな長年のファンの人たちや、
とらやの名優さん達に支えられながら、
満男シリーズを背負って立派に完結させた吉岡くんは、
ほんとによく頑張ったよね、ありがとう、
と賛辞せずにはいられないわけで。


って、一体何のことを書いていたのかしらん、私ってば?

吉岡くんったら、
あまりにも演技が細かくてすんばらしいので、
どうにも思考があっちゃ~いったりこっちゃ~いったり
してしまうであります。

この「男はつらいよ」寅次郎紅の花の
満男くんのことは、また後日ゆっくり
書いていきたいと思いますです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

言の葉ぐさ

2007年07月31日 | 山田監督作品


「医師であることの、意味を、問い続けることを・・・、
放棄しては(~)いけないと思っています。」

(~)☜こりゃなんじゃいっ?!


との、ご質問がありましたので、
補足したいと思いますです。

(~)←こりは、いわゆるひとつの
「ヒデタカ吐息記号」
と一般的に呼ばれているもの、
ではないらしく、
海を隔てたどっかの町の片隅で
勝手にそう呼ばれているものらしいのでそうなるらしい。


これはですね、吉岡くんが、
台詞の合間、または末尾語に重ねて吐息することによって、
見ている方にまで、(~♡)と
咲かせて咲かせて「ももいろ吐息」にさせてしまうという、
特選ヒデタカ必殺技の中でもかなりの上位に位置する
ヒデタカ節の一つでありまする。

この(~)には、種類がありますですね。

例えば、音階だとこう。

(~)♭ (~)♯ 

更に場所までも、

(~)北 (~)南  (~)三丁目 (~)教壇 (~)法廷 (~)大学病院 

その他モロモロなどな~ど、
より子どり子みどりちゃんのバラエティーの多さでありますぜぃ、
さすがの「よりどりみどり大王」じゃ、吉岡くんっ。


このヒデタカ吐息記号が、顕著に聞かれる人物が

(~)♭北 ←北の吐息大王、黒板 純

(~)♯南 ←南の吐息王者、五島 健助

このお二方であります。
おぉ、南北制覇だ、吐息くん。


ちなみに柴又の満男くんは、この記号を殆ど使用しておりません。
彼の場合は、( . )←コンマ使用であります。

満男くんという人は、
自分で吐息を吐くというより、彼の肉親、友達に、
「はぁ~」と思いっきり嘆きの吐息をはかさせてしまうという、
遺伝式吐息配達人でありまするだ、困ったもんだよ、みっちゃん、
そんなチミがすっきやでぇ。


さて、この(~)でありますが、
こりは簡単そうに思えて、しかし
その言葉の出し方と息を吐き出す量のバランスのとり方が
非常に難しいのではないだろうかと思いますだ。

例えば、コトー2006最終話での、
彩花さん手術後の五島君と鳴海君の会話での(~)。

自分の気持ちを苦しそうに吐き出す鳴海君に、
少し驚いたように「鳴海先生?」と呼びかける時の
五島君の吐息言葉。

こりはちびっと変形(~)であります。
記号化するとですね、

(~「鳴海せんせい?」~)

こんな感じであります。


これはさすがの、
吐息バランスでありましたぜぃ、セニョ~ル。


この台詞は、「儚き気だるい君はオペ後の五島健助」
状態であったので、ここで息を吐き出しすぎると、

「はにゃるみふぇんふぇ?」

と、入れ歯の外れた謎の中国人おじいちゃんが
パンダに呼びかけるような言葉の響きになってしまうだろうし、
また逆に、声を出しすぎると、

「鳴海先生っ?!」

とハッキリくんになりすぎて、
「なんだい、五島くん?」
と思わず鳴海君が答えてしまうような響きになってしまうであります。


この場面をリズムでひっぱっていくのは
堺さんの演技でありますが、
しかし感情面でスス~っと視聴者の心を引き寄せていくのは
吉岡くんの演技なのだと思うであります。


ここでの吉岡くんの演技は、
レースのカーテンみたいでありましただ。

出過ぎていなくて、引っ込んでいる。
けれども場面をフィルター浄化していく
ゆるぎない存在感を持っているであります。

五島くんから発している悲しみ憂いやるせなさを、
ひっそりと、鎮めるように、力を落として、
レースのカーテン越しからそっと静かに揺らめかせている感じ。

そして、ともすれば熱くなりすぎてしまう
鳴海君の感情露呈を、やはりそのカーテン越しから、
静かに静かに切なく包み込んで、その悲しみの光を
反射しながら放散している感じ。


痛いほど切ないっす。
だけど、
とってもひっそりとしている。

これですがなぁ、おっかぁ~っ!!!!

さすがじゃ、ヒデタカ殿。


ここで彼の発する
「鳴海先生?」
という言葉は、台詞であって台詞ではなく、
ほぼ吐息に近いものなのだと思われ。

吐息だから、あるようでないであります。
だからこそ彼は、彼の台詞によって、
メインで場面を引っ張っていく堺さんの台詞のリズムを
決して崩しすようなことはしていないし、
あくまでも合いの手のような形で、
そっと背後から寄り添っていくような台詞の響きを
出せているのだと思われ。
しかし五島健助の悲しみ切なさやるせなさは、台詞に頼らず
しっかりとその存在感から醸し出している。

まるで、星飛雄馬の姉ちゃんのようだよ、星君、いや、吉岡くん。
う~ん、マンダムじゃのぉ~。

彼は、台詞に頼ってしまうような役者さんではねぃと思います。
しかし、台詞が場面ごとに担う「役割」ということは、
感情で感じ取れる人なのだと思いますだ。
でなくっちゃ、(~)は生まれてこないと思われ。


吉岡くんは、
台詞に感情を乗せていくタイプの役者さんではなくて、
感情に台詞が乗ってくるタイプの役者さんなのだと思うわけで。


名優じゃよ、チミってば。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

満男くん、ひと秋の恋

2007年07月22日 | 山田監督作品



拝啓恵子ちゃん、

「男はつらいよ」第47作目のサブタイトルは、
「拝啓車寅次郎様」と、その名をフルネームで拝啓しているわけですが、
しかし拝啓恵子ちゃん、
君の苗字は一体何だったのか、どうしても思い出せない私は、
やはり純くんより満男くんっ子だったのだと思われ。

今日も空が綺麗です。


日本は梅雨がもうじき明ける頃でしょうか?
ロスは、ど根性はいった暑さと乾燥で、私のお肌は
旱魃状態であります。

しかし私の心は、時に観る満男くんで潤いたっぷりヒアロル酸。
そんな潤い浸透率120%の満男くんの中でも、
特に潤い率が高いのが、
42,43,44,45,46,47,48作、
って満男シリーズ全部じゃんかよ~。

この満男くんシリーズでありますが、
吉岡くんの成長自体に目を向けると、回を増す毎に、
その美しさも比例増加していく様が見れるという、
ドキュメント美の進化記録・柴又バージョン、でもありますだ。

特に私にとっての、45~48作目でのヒデタカくんは、
艶っぽさ艶ってキラキラ~ンのキラキラお艶さんでありあます。

そんなキラリン艶々吉岡くんに包まれた満男くんは、

羽交い締めにしたいっ、とぅあっ!!!



であります。  


「男はつらいよ」第47作での満男くんが、
やわりんとひと秋の恋をしてしまうのは、
旧家育ちのお堅い菜穂ちゃん郵便局員。

満男くんは、芯がしっかり一本通っている
HB鉛筆のような子が好きなようであります。

大学時代の先輩に招かれて、滋賀の長浜に出向いた満男くん。
祭りの準備の喧騒の中、先輩の実家である旧家に通された
満男くんでありますが、そこはやっぱり満男くんでありまして、
ただでは廊下を歩かない。いや歩けないのかもしれない。
やはりスルリンっと廊下を滑っての自然満男現象を起こしております。

んがしかし、これはあくまでコケ前座。

居間だか客間だかでお昼寝中の先輩の妹さん菜穂ちゃんのお顔を、
思わずホヤ~っと吸い寄せられるように見つめてしまった満男くんは、
ひと気に気付いて目を覚ました菜穂ちゃんの大騒ぎによって、
コケるぜ満男っ、背面バージョンだ、新技っ!

しかし「痛いよぉ~」と情けねぃ声で言いながら、
手で痛みを押さえている場所は、何故か額・・・・。
その後、絆創膏も額に貼っております。

何故なのだ・・・・・・満男くん?

何故に背面落ちして額に傷が?
首が360度自由自在に回るのですか、って、
それじゃ~まるでロボコンみたいでねぇですか。
何故なのだろう? 
何故といえば、何故にこの作品でのチミは、
一矢チックなTシャツの着こなしなのだ? 
ありがとう。

この作品の満男くんは、意外な面が沢山見れるでありますだ。

ツンツンしちゃいながら、それでも満男くんに
町を案内するお怒り菜穂ちゃんに対して、
仕舞いには満男くんの方も思わずプンプンッ!
おぉ、女の子にプンプンッしたぞっ、満男くんっ。
これはお珍しいっ!
しかも菜穂ちゃんを置いて、一人でとっとと帰っちゃうし。

泉ちゃんにはぜぇ~ったいに出来ないことだよね、満男くんってばよ。

意外と男っぽいんだねぇ~満男くん、と思った矢先に、
しかし突然登場ハスキー犬くんにバウバウ吠えられへっぴり腰。

あぁやっぱりチミはいつまでたってもヘイヘイホ~・・・・・。

けれどもそこはやはりミスター甥っ子・諏訪満男。
さすがのくるまやエースだヘタレくん!
チミはどうしようもないくらいのヘタレだけれども、
しかしどうしようもないくらいのイカすヘタレのヘイヘイホ~だっ!

このワンチャンどっきりヘタレアクションによって、
菜穂ちゃんの意固地さを瞬時に取り払ってしまってしまうのだ、
おぉやはりチミはどこまでもいっても寅の甥っ子、遺伝じゃの。

そしてその後、満男くんと菜穂ちゃんは仲良くカフェでお茶しとります。
菜穂ちゃんが自分のお兄さんのことを、
「専務なんて肩書きだけや。何にもせんむ~。」
などと、ほんまもんの専務がかましたらオフィス中を瞬間冷凍させてしまう
ようなギャグで二人はアッッハハハハァ~♪





ここで菜穂ちゃんは、満男くんが、自分のお兄さんによって
長浜に招かれた理由をさりげなく聞き出しておりますが、
って、ちょいと待ってくだせぃ、山田監督。
ここでの会話でありますが、
一体、
いつ、
どこで、
どないしてどのようにどうやってどうしたら

満男くんは大学時代に野球部員だったのでありますかっ?!!!!

どっしぇ~~~~~~~~~~っ、の
衝撃新事実で目からコンタクト、ポロリ。

知らなかったでありますよ・・・・・というか、
気付かなかったでありますだ・・・・というか、
一体どうすれば気付けたのでありまちゅか、
満男くん大学時代野球部所属の隠された事実・・・・。

高校の時は、というか確か中学の時から、
吹奏楽部に所属していたのではねぃのでしょうか、満男くんってば?
いや確かに、ちびっ子の時は、よくバットとミットを抱えて
「行ってきまぁす」または「ただいまぁ」とさりげに言いながら
画面隅っこに出たり入ったりしていた満男くんでありましたが、
しかし、思春期に入ってからの満男くんは、音楽っ子だった記憶が・・・。

なのに大学でいきなり野球部員とな?
魔が差したのだろうか、満男くんよ。 

チミの大学時代は、
「バイトも余暇も全ては君のためさ泉ちゃんシャバダバダ~♪」
なのではなかったのでねぇですか? 
しかもポジションがピッチャーって・・・オイオイ・・おいおい
おいおぉぃお~ぃおぃおぃおぃ・・・思わず泣けてきてしまいました、監督。

満男くんよ、チミは一体いつ野球部の練習に参加していたのです? 
君のお部屋には、いつ何時も野球を匂わすものは何も無かったはずだ・・・。
そりとも、野球部員だなんて肩書きだけや、何にもせんむ~、アッッハハハハァ~♪
だったのですか?
そりゃ~、万年補欠だわなぁ。

でもその菜穂ちゃんとの会話中、
「オレ? オレねぇ、ピッチャ~」
って言いながら、スイッハラリ~と投球ポーズする仕種が・・・・
万年エースだっ、出たよ必殺ハンドホワイティー!

なんてエレガントな表情を持つお手てくんなのだ・・・。
しかも品よく流れるような色気がある、おまけにとことんホワイティ~。
そんなチミの手に白魚くんたちもヒレあげ間違いなしだよ、ヒデタカくん。
手タレでも十分食べていけまっせ~、旦那ぁ。
いつかその美しいお手をフル発揮で見れるような、
指揮者の役を演じてもらいたい・・・。

そしてやっぱりそのお手てくんには野球のボールなんかより、
キーボートを弾いたりして繊細に手を動かしていることの方が似合ってるよ~。
野球部なんかじゃなくて、あやとり部とかだったら
全国制覇間違いなしだったのに・・・・オバカさんね、満男くんったら。
(☝オバカなのは間違いなく私のほうだった・・・)。


さてそんなこんなで(ってどないやねんな?)
急速に仲良くなった満男くんと菜穂ちゃん。
祭りの夜に、菜穂ちゃんが、自宅の客間にいる満男くんのもとへ
柿を盛ったお盆を持ってきますが、そこで菜穂ちゃん、
満男くんのうたたね顔を発見っ! おぉっ!!!

もうダミだ・・・。

可愛すぎる・・・その寝顔・・・・・満男く~ん・・・・・吉岡く~ん・・・
ヒデタカく~ん・・・・・要するにヨシオカヒデタカく~ん・・・

すっきやでっ!(←発作であります。)

もし私がその場にいたら、(ってまた「もしものコーナー」であります)
ササっと、うたた寝している満男くんの目の前に正座して、
その寝顔をじぃ~~~~~~~と見つめながら、(←って怖いぞ・・・)


うたた寝の  隣の客は  よく柿食う客だ
                             字余り


なんてため息交じりに一句詠ってしまうよ。 (←もう救いようがない・・・)


それにしてもなんて無垢な寝顔・・・。
スヤスヤミッキーみたいな寝顔でねぇですかぁ。
そんでもってうっすらとお目めを覚ます様が、どっ

ツボッ!

だぁ~~~~~~、もうっ、タックルしたいっ!
どこまで可愛いへたれっちぃ~なのだぁ、チミって人は、満男く~ん、
すっきやでっ!!!!  (←また発作・・・)



って、だみだぁ・・・・
満男くんのことを書いていると、突き抜けてばっかりで、
書きたいことの半分も書かないうちに、すでに
長文すぎる長文になってしまったとです・・・。

お付き合いくださってありがとうございましたぁ。
つづきはいつかの後日ということで、
てけてん、
でございます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

左門殿でがんす

2007年07月12日 | 山田監督作品



新聞の三面記事やら社会面やら掲載恋愛小説やらに
サ~っと一通り目を通している時に、
ふっと縁側に目を移すと、
猫が陽だまりで招き猫のポーズをとっていた。
さすがじゃ、ニャンコ先生。

隠し剣に登場する左門殿は、
なんかそんな感じのお侍さんでがんす。

いや~、この作品でありますが、
まず、なんてたってキャストで号泣!

倍賞&吉岡・柴又コンビの再登場。

あぁ、生きてて良かった・・・・。(←どえらい感動)

永久保証書付き24金コンビのこのお二人、
母を訪ねて三千里のマルコだって
2856千里くらいでお手上げだよ、
ってなくらいの、おっかさんと息子の絆でありますだぁ、
満男く~ん、会いたいよ~、柴又カンバ~ック!

あ、ちが~う、今は左門殿のことを
書いているのでありました。

そうそう、お次はこれでありましたっ、
永瀬&吉岡・同画面点と点コンビ。

この作品の製作発表を最初に耳にした時は、
ぬぅわんだってぃ~~~~っ、
永瀬の親友役なのでありますかいなっ吉岡くんっ、
やっと同画面点と線コンビになるのね~っ、ィヒャッホ~ッウ、
やったぜパパっ場外ホームランでオロナミンC!

なんてなほどの浮かれっ子でありましただ。

ツボをついてくるキャスティングでありますだ~。
さすがツボ売り大将山田監督・・・。

さて、待ちに待った映画館での鑑賞時、
重々しいオープニングロールの後に映し出された
お侍さん三人衆でありますが、その姿を観た時は、
そりゃ~もう、

「永瀬はどこ?」

でありましただ。

この初場面・・・・・・
なんていうか・・・・・
自然と・・・・・・・・

吉岡くんに目がいく配置なんでねぃですかい、監督?

いやいやいやいやいやいやいやいやいや、
これはファンの欲目からではなく、あくまでも純粋に、
視覚効果の観点から書いているのでありますだっ。

一応小澤さんが真ん中に飛び出て立ってるけど、
なぜか遠近法で中心がボヤケて見えるのは
何故なのでしょうか? 気のせいなのでせうか?
なにはともあれ普通こういう場面は、
主役が左側に立つのでねぇでしょうか?
オープニングでありますですよね、これ?
思いっきり左門殿が左に位置しておりますですよ。

永瀬ってばぁ、あげな奥まった右端に・・・めじょけねぇ。
これが隠し剣ってことなのですかぃ、旦那はん?

ハッ、こ、こりは、この配置はもしや・・・・もしかして・・・・・・
秘蔵っ子愛情配置なのですか、監督?

なのだとしたら・・・だとしたらぁ・・・・
松竹には一生ついていくでありますっ。


この作品での秘蔵っ子吉岡くんは、
とても地味~であります。しかし
ひじょ~~~~に地味なのだけれども
ひじょ~~~~にメリハリのある演技をしている
「ジミーちゃんちのメリーとハリー」
なのだと思われ。

笠地蔵みたいな宗蔵はんに、やわっと起承転結の笠を
かけてあげているのがジミー左門殿なのであって、
その笠を被ることによって、笠地蔵宗蔵はんは、
雨の中、吹雪の中へも一人果敢に出向いていけるのではないのかと。

これがツボツボ大将、ヨージヤマダの狙いなのでねぃでしょうか。
そしてツボツボハンター吉岡くんは、やはり狙いを外さない。
ツボターくん、とでも命名したらよかとですか、吉岡くん?

彼は主役である永瀬の後ろに、いつも
半歩下がる形で寄り添い、支えて、引き立てているけれども、
でも決してその影に隠れすぎてもいない。
さりげな~い引きと出の強弱をつけながら、そこに
「いるよん」
という存在を貫き通している、まるで
スターウォーズのチューバッカみたいですな、
もしくは座敷わらしでも可。

ええぞぉ~っ、ヒデタカく~ん。

笑いを取るシーンにしたって、メリハリ演技で
作品に軽妙なリズムをつけているジミーくんなのだと思われ。

例えばどんがらずるのシーンでの彼は、
「はぁ~うんめぇのぉ~」で、メリ~出現。
「志乃はんがつくられたのか?」で、ハリ~幕下登場。
志乃はんが兄はんにからかわれているのに
なんだかわけわからずに同調して微笑んでいる演技で、メリメリ。
でぇこんを指差して大笑いしてしまう天然ボケ演技で、ハリハリッ。
いきなり泣き出した志乃はんに「あ、やべ」となって、メリ~ジェ~ン。
「わたしの嫁ださけ、わたしが決めることでがんす」でやんわり決めるぜ、
ミスターハリー。

更に法事のシーンもこれまた最高でがんした。
石頭おんちゃま二人攻撃から宗蔵はんを心配そうに見つめるメリー左門。
そこからさり気なく彼の横にすわって援護射撃をするハリー左門。
あっちゃけ!といわれてメローに憤慨メリリン左門。
その後すぐに、やっべ、また地雷を踏んじまっただ、となって
ギョエっとハリーに俯きメリーでキョロちゃんハリーでメリーもいるよ、
早送りメリハリ。

最高すぎるっス、吉岡どの、フッ、こりだから君ってばよ。(←って何がっ?!)


この作品の、というか、山田監督作品の中での
吉岡くんは、とても温かい感じがするでありやす。
なんか、子供の午睡を見ているのような感じというか、
ほんわりと温泉に入った後みたいな感じというか、
そういった和らぎみたいなものが内に続いていく、
そんな温かさが根底に流れているように感じられるのであります。

重くのしかかるシーンであっても、ただその錘を
ドボ~ンと投げ沈めてあばよ、というのではなくて、
錘を落とした後に出来る波状の余韻を、
ゆっくりと、やわらかく、けれどもしっかりと、
彼の持つ温度で観客に伝えることの出来る人なのだと思われ。

それは、きえを連れ戻した後、夜の帳がおりた宗蔵の家の前で
手提げ提灯を持ちながら志乃はんを待って一緒に帰る場面や、
「きえをなんとかしぇ」と城門口で宗蔵はんに切り込んでいく演技にも
よく現れているのではないだろうか、と私は思うのでがんすでやんす。

さすが松竹山田道場出身だぁ~、基礎工事がしっかりしてるぜよぉ。

いい役者さんですだぁ、ほんとに・・・。

これからが楽しみな役者さんだでぇ~・・・・って、
思い起こせば、彼のファンになってからずっと、
「これからが楽しみな役者さんだわ~」って
同じことを言い続けているような気がするですばい。

それって、彼が決して「ここまで」っていう
限界線みたいなものを、その演技に見せた事が
ないからなのかもしれない。

いつだって最高の演技で魅せてくれる彼だけれども、
しかしそこで止まったりしない人でありますだ。

いつでも、いつだって、「そこ」から「この先」へと
遥か遠くの水平線を仰ぎ見ることの楽しみをも
与えてくれるお人なのだと思うであります。

いつもいつも、ありがと~、吉岡く~ん。
大好きやで。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

寅さんの甥っ子

2007年07月03日 | 山田監督作品


あっ!


というまに七月ですね~。
七月といえば、満男くんでございます。(←なぜかこうなる・・・)


満男くんという人は、
よく転がり、
そしてよく滑り、
おまけによくこけなさる。

しかし彼が転がちゃって滑ちゃってこけちゃう時は、
その原因を直接に引き起こす障害物というものが、
彼の周辺にあまり見受けられない気がするのであります。

これは俗にいう「自然突発満男現象」というものなのかもしれない。
(↑明らかに俗にはいわないらしい・・・)

また別の見解をとっていえば、
「ただの天然やん。」
ということにもなるのでありますね。

コトー先生も、ドクターモードOFFの時は、
かなりの天然記念物でありますが、
しかし彼はこけたりしないであります。
チャリンコこけ2003はあったけれど、
しかしあれはどうなのでしょう、こけなのでありますか?
ダイブのように見えるのであります、あちしとしては。

こけ と ダイブ
さけ と コンブ
   ↑
こんな感じの差かもしれない。

こけてくださらないコトー先生ってば、
小池さんばりにラーメンばっか食べていないで、
たまにはこけてほしいと思うわけで。
意外にコトー先生は、ああみえて平衡感覚の優れている人なのかもしれない。
地に足がしっかと根付いている人なのだ、きっと。

その反面の満男くんはといいますと、
「こけてばっかりいないでちゃんと目玉焼きの白身も食べなさいっ」
と諏訪家のダイニングでお母上から毎朝小言を言われているだろうと
容易に想像できえてしまうほど、よくこけよく滑りそしてよく転がる
万有引力ひれ伏し型エキスパート。(←よくわからない・・・)

しかしこれがたまらんのダ、満男くんよ。

チミのこけ技はニッポンチャチャチャの金メダルで君が代級だわ。
ちなみにノンポリくんのは、銀メダルじゃの。
茶川せんせのはロケット打ち上げ級で判定不能の素晴らしさだと思われ。

この体育会系満男アクションが、
後年の男はつらいよ作品群においての、
躍動感と新鮮味を取り戻させている息吹、いってみれば
薬味のような役目も果たしたいると思うのですが、
そこは年季の入ったこけ技エキスパートヒデタカくん、
まったく自然にやってのけちゃうから、
まったく自然に笑えて流せちゃう。

何気に笑い王。

さすがだぜぃ、ヒデタカくんったらマルチだねぇ~。

この「山田仕込満男回転こけ滑り」は、
江戸川沿い、そこかしこの階段、そこかしこの廊下、
時に校庭、およびに砂丘、たまに海岸、と
全国をまたにかけていたるところで見受けられる
自然現象であります。

ちなみに海岸でありますが、ここは
「満男くんったらハンモック」という、
なぜなのだっ、しかしありがとーっ!
という感涙の伝説ショットを生んだ場所でもあり、
うかうかしていると見ているこちらのほうが
ビックリリバース大回転を起こしかねないので、
油断は禁物なのでありますだ。

さすが影のツボツボ大将・山田監督・・・。

さてこの満男アクション舞台場でありますが、
諏訪家の階段では、自宅という安心感もあってなのか、
満男くんはそこで階段スライド落ち+ガラス戸ぶち当たり、
という派手なダブルアクションを発祥させた場所でもあります。

これは第44作「寅次郎の告白」でお披露目された
満男落ちでありますが、これ、一体、
何テイク撮ったんだろう?

ムムッと純情丸出しで父上に憤ったまま
タッタッタと階段を上がっていった先で耳にする
「泉ちゃんかぁ」
という満男最大引力語によって、瞬時にダダダーッと
階段を駆け下り滑ってそのまま階下へ雪崩れてしまうという
吉岡満男くんは、こけ滑りの申し子なのかもしれない。

勢いあまってズドド~と階下に滑り落ちつつも、
めげずに即座に立ち上がったらガラス戸激突だよ満男くん、
というその「落ち着きなされぃっ!」な雪崩激闘タイミングと、
それでもまだめげすに受話器を取って「もしもしぃ~?」の
ハラヒレ声で泉ちゃんキャッチ、純情という名のど根性でありもうす!
というワンショット撮影の動作一連が、
ナチュルるナチュればナチュルときナチュル、な
ナチュラル変化法でお楽しみあれ、という感じでございます。

最高だよ、満男くん。

しかしほんとうに痛そうですね、もしかしたらほんまに痛かったのだろうか?
痛かったのかもしれないよな~、あの落ち方と激突だったら・・・。
ちびっと可哀相だわ、そう考えると。でも笑っちゃうのだ、許してくれぃ。

この作品の中での満男くんは、この諏訪家階段落ちだけに止まらず、
わざわざ鳥取の料亭においてでも、手すり壊して池落ちアップップ、
という、ソニー千葉も顔負けだよあんた、なアクションぶりも
披露してくれておりますが、世界のMrソニーと違うところは、
柴又のMr満男には、その演技にまったく力のこもったいきみが
見られないというところであります。

いやこの違いは、なんてたって世界だし、ソニーだし、千葉なので、
名前からして気合の缶詰っ!って感じだけど、
なにしろアクション映画だからアクション映画なのであって、
「ぬおわぁっ!」というこめかみの血管が切れちゃうような
意気込みは必須だと思うし、それがまたアクション映画を
非日常的に楽しむ醍醐味でもあって、もし何の気なしに
「ちょっと失礼、ここで三段キックでもどうかな、君?」
みたいな冷静さと何気さで演じられちゃったら、
なんだか半湯でのパスタみたいなしこりばかりが残ちゃって
アクション自体が味気なくなっちゃうと思われ。

ってアクション映画におけるソニー千葉論はどうでもええのでした。

閑話休題。

満男くんの属する世界は日常劇であるから、こういった
「これから落ちるぞぉっ」
というメラメラ~ンな意気込みや、はたまたそれとは真逆の
「落ちるんだよ~ん」
というヒョエヒョエな躊躇感も、その表情に見せないのが
普通なのだとは思うだす。
しかしこういった大きな芝居を日常レベルで
普通に演技するというのは至難の技なのだと思われ。
なぜならこういうシーンは、その場面に立つ役者さんたちにとっての
「見せ場だせよ」なものとなりえてしまって、

つったるでぇ~っ、とりゃぁっ!

という土佐の一本釣りみたいな気合が、その演技に
見え隠れしちゃいがちなものなのではないのかと思われるらしいので
そう思うらしいからそうらしいと思うらしい。(←はっきりせんかいっ)

吉岡くんには、「場面を背負う気合」という演技の
不旋律みたいなものがま~ったく見られませんっ!(←はっきり言っている)

あくまでも話の流れの一部で、
「満男として」笑いを取っている
ナチュルル達人なのだと思いますっ!
(↑更にはっきり言っている)

自然すぎてその裏側が全く見えてこないという、
神隠し演技でありますぞな、湯ばぁ~ば。

すごい集中力だ・・・・見習いたい・・・。

こういった「気合抜き演技」みたいな雰囲気は、
何も吉岡くんからだけではなく、もちろんとらや全員の
名役者さん達全員に見られる日常感覚演技だから、
これはやはり山田監督はじめ、その現場が一緒になって
作り上げた場の雰囲気がそこに大きく作用しているのだと
思うけれども、しかしそれにしたって、
「若さ」という勢いに決して押し切られることなく、
場の空気感をじっくり読み込んだような居心地の良さで
観客を屈託なく笑わせてしまう吉岡くんは、
やっぱブラボ~で惚れちゃうでましょ、ウフ♡
となるわけであるからそうなるらしい。

とらやの空気、ってやつなのかもしれないですだのぉ。

そういった空気を小さな頃からきちんと吸い込み吐き出していた
吉岡くんって、すごいな~って思うですばい。

彼はきっと上等な肺活力+心機能を持っているに違いないズラ。



「男はつらいよ」の作品群って、
極上な会席料理みたいな感じがするっていうか、
一応メイン料理はあるけれども、しかしそれだけニョリリン、
と突出しているのではなくて、他の料理もメイン料理同様
どれもみな丁寧にバランスよく周りに添えられた極上料理として
十分に堪能できる良さをもっているから、
だから食べ終わってみると、全体一つの料理として
「たいへんおいしゅ~ございました。」
となれるのではないかしらん、と思ったりするわけで。

吉岡くんは、あくまでも「とらやの一員」として、
作品一つ一つの中に、彼独特の空気感でもって、
満男くんとしての役割、存在意義を「添えている」
のではないのかしらん、と私なんぞは思うわけでありまして。

そういった雰囲気を持つ彼から生み出される演技は、
やはり見ていてとても安心するし、
ほんわっと笑えて和ませてもらえるわけで。

心地よい笑いってぇもんは、ええもんです。
そこにはいつも名優さんたちがいるわけで。

名作喜劇に名優あり、山田ヨージは知っている、ダバダ~♪

そういった意味をもっていっても、
吉岡くんは正真正銘まぎれもない、立派な、
寅伯父さんの甥っ子くんであるのだと思うでありますだ。

感慨深くて泣けてくるぜよぉ、おいちゃん。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

走る満男くん

2007年06月11日 | 山田監督作品


純情一直線をひた走りに走り続ける聖火ランナー諏訪満男。

泉ちゃんという聖火台に近づくためならば、
友情もコンマの速さで道端に置き去りにしてしまうという
暴走っぷりまで見せてしまうゼッケン甥っ子満男選手。

しかし何故かその男三人の友情は長~く続いているという
人格謎まで呼ぶ満男くん。
要するに彼も友達もいいやつに違いない・・・。

この満男君の泉ちゃん争奪杯は、途中謎の二年間の寄り道を除けば、
長い長~い年月を掛けて開催されているものであり、
多分その始まりは、泉ちゃんが彼の世界に登場する高校三年生
(二年生説もあり)の時からで。

そして多分今現在も柴又あたりで、
まるでトーテムポールのような泉ちゃんの周りを巡って、
満男くんは相も変わらずドンドコドンドコグルグルグルグル
踊り祭って走って祈っているに違いないと容易に予測できるわけで。

純だな、満男くんってば。
(↑富良野の純じゃないですばい。)

こういった恋愛傾向に顕著に見られるように、満男君という人は、
「くるまやの団子には、もしや純情育成物質が混入されているのではないのだろうか、
おいちゃん?」
とついつい疑惑の目を画面に向けてしまう程の純情まっさら人間。

彼はエベレスト級の高さの天然驚愕巻き込みパワーを持っている人でありますが、
その中でもとりわけビックラこいちまう天然素材は、
「やましさマイナス120%」
という、ウルトラ白紙ノート技をその心に持ち続けているということであります。

彼の中には、寅次郎&博というダブル焙煎された、
「惚れぬき対応おくて遺伝子」が、
その血の中に色濃く流れているのは火を見るより明らかなわけで。

ウブだぜ、満男~っ!
とか、
だめじゃん、満男・・・・・
とか、
やったぜ、満男~!
とか、
やっぱへたれかよ、満男・・・・・
とかですね、

アップダウンが非常に激しいのも満男くんの恋愛特徴の
一つでありますが、しかし彼は泉ちゃんゴールに向かってなら、
例えそれが上り下りの激しいサンフランシスコの町並み級の坂であっても、
決して走ることをやめないメロスもビックリど根性ランナーであるわけで。

そのど根性ランナー精神は、彼が受け継いだもう一つのダブル焙煎遺伝子である
「惚れぬいちゃったら情熱一途貯蓄型」の所以に違いなく。

ちなみに彼のお父上は、石の上、いやタコ壷の中にも三年で、
やっと想いを寄せていたとらやのお嬢さんと一緒になることができたわけで。

満男くんが突如発揮する、この「泉ちゃん限定情熱パワー」は、
「満男くんよ、そのパワーをちびっとは勉強や仕事に向けろよ。」
とついつい余計なおせっかいを口に出したくなっちゃうような、
泉ベクトル保存貯蓄パワーであり、そしてそれがいったん
スイッチオンされようものなら、その威力はスペイン闘牛も牛負けの
軌道修正不能暴走型になってしまうのですな。

これはとりわけ、寅伯父さんから色濃く受けている遺伝子のせいなのだと思われます。

遺伝だよね、い・で・ん、満男くん。

その彼の情熱の嵐は、親族、ご近所、会社の皆さん、はたまた時には
南国バナナまで全部一緒に巻き込んでのてんやわんやの
半径1000Km圏内暴風雨みたいな騒がしいものでもあり、
しかし一旦嵐が過ぎ去ってみると、一見以前とな~んら変わらないような
平穏な柴又生活にカンバックサーモンしているという、
まったくもってお幸せな方だよ、あんたって人は、満男くん。

しかしなんでそんな満男くんが好きなのか?

多分、満男くんは、「ヘタレッピ~だけれどガンバくん」、
という魅力を満載に携えている人だから好きなのだと思われ。

これが私にとっての純くんの場合となるとですね、
「ガンバくんだけれどヘタレッピ~」、
といった名詞入れ替え現象が起こるわけでありまして、
この二つは似ているようでいて実は全く違った意味合いをもってくるものでありますだ。

これは決して、純君って好きでな~い、と言っているのではないわけでありまして、
私は純君のことももちろん好きであり、特に「初恋」の時の彼に私は、
「やられちまったぜじゅ~んっ! 我が家を富良野に移住してくれ~いっ!」
とのたうち叫ばせ、「とうとうきれちゃったわ、うちの子・・・」
と親を本気で心配させてしまった第二次吉岡大噴火の歴史があるという・・・・・
困ったチャンだったわあちしったら・・・・今もだけど。

閑話休題。

純君と満男くんって、大雑把に比較すると、
低気圧VS高気圧
みたいな感じなのかも~、と思うとです、おいどんは。

それをもちっと踏み込んでみると、
純君は、なんていうか、情熱とかったるさがごちゃ混ぜになっている、
いってみれば迷路みたいな心をもった複雑な人でもあり。
その成長に合わせて、悲しみと切なさがどんどんどんどん大きく
深く感じられてしまうとですね~・・・。

コトー先生にも、悲しみや切なさはすごく感じることだけれど、
しかし彼の場合は、その根底にほのかな救いが浮かんでいるような
気がするのですね。
純君の場合は、その救いが深い井戸の底に沈んでいるようで見えにくい、
そんな感じなのであります。

これに対しての満男くんは、複雑にはなるけど根はこんがらがってない、
という一本道みたいな人に見えるわけで。

その沿道には、大きな石や森があったり、底が見えないような沼があったり、
様々なお店が連なったりしていて、満男くんはそこに躓いたり、
足を突っ込んじゃったり、迷子になっちゃたり、行きつけのお店を飛び越えて
他のお店を覗いてみたりしちゃったりするけれども、
しかし彼が歩いたり走ったりするのはあくまでもその一本道、
という感じなのかもしれんですばい。

その一本道を走り続ける満男くんが、やっぱり好きやねんであんたはん、となるのかなと。


私は基本的に、というか、もしかしたら決定的に喜劇派な人なので、
この「男はつらいよ」という名作喜劇シリーズの中で、一生懸命
笑ったり、泣いたり、悩んだり、ついでに階段から滑り落ちたりして
奮闘努力しながら走り続けている満男コーティングの吉岡くんを見れることが、
こりゃまた至極嬉しいというか、喜びであるというか、お涙ウルウルというか、
感慨深いというか、要するに大好きやでっあんたっ!となるわけで。


人生泣いても怒ってもドカ食いしても絶食しても、
いずれはみんな気付いたときには砂となってしまうわけだけど、
しかしだからといって、泣くのも無、怒るのも無、摂取カロリーも無、
人生これ無なり、などと悟りを開いたインドの苦行僧のような境地には
到底至れない私でありまして。

生きているうちには、どうしようもなく悲しいことや苦しいこが
起こるのは不可避なことでありますだぁ。
あぁ、世知辛い世の中だねぇ、なんてついつい思っちまう時などに
笑える力を与えてくれる喜劇というのが、私は大好きなわけでありまして。

上等な喜劇というのは、笑いというオブラートに人生のほろ苦さを
ホンワっと包みこんでお届けしてくれる「良薬心に甘辛もち」みたいな
ものなのだと思うでごわす。

その名作喜劇の金字塔「男はつらいよ」のシリーズ作品を作り上げた
スタッフの中の一人として、とらや・くるまやの世界にしっかと存在している
吉岡くんがなんといっても大好きなわけでありますだ、おいちゃ~ん。

大好きやで~、ほんまにもう・・・。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

柴又発・平山涼くん

2007年05月18日 | 山田監督作品

こちらの涼くんは、平山工務店の涼くんとは別人でありまする。

この柴又発の涼くんも腰がなかなか落ち着かない方でありましてですね、
それが原因で親父さんと喧嘩してはっとばされた挙句に、
ぬわぁ~んと泣きながら線路沿いを疾走しつつ家出をしてしまうという、
疾走家出王子であります。

この映画は冒頭から、涼くんが怒ったり泣いたりついでに走ったり、
ちょっぴりウヒウヒしたりお弁当食べてモグモグしたり、
列車の発車時間にアセアセしたかと思うと、
四国お遍路さんにぎやかツアーのおば様たちにとり囲われちゃって
モミモミムギュムギュスリリンされちゃったりして
はやくもマダム悩殺四文字レーダーを遺憾なく発信しちゃったり、
そうかと思えば物憂げに人生に対して哲学しちゃったりなんかしてですね、
そりゃ~まるで「吉岡ものしり大図鑑」監修・ヨージ ヤマダ、
みたいなオープニング・ロールから始まりますです。

ごちそうさまでございます。


しかしなんてまぁ~大胆な、あの
四国お遍路その一派手派手メガネムラサキきらりんおば様っ。(←長い・・・)
あんなこと涼くんに言ってのけちゃうなんて・・・・・・・。

しゃあああああああああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!! 

私だったらあんな言葉を彼に向かって発した時点で、
瞬間沸点到達してのぼせ上がって鼻時ブーの高木ブーのビビデバビデブーで
錯乱状態になってしまうよ~。
はぁ~、ドッキリドキドキ㊙報告しちゃったじゃないか~。

あなどれないのでありまするよ、山田監督ってば。


ダメだ・・・、パヤパヤ状態になってしまう前に軌道修正いたします。


さて、この作品での吉岡くんは、
「ちょっとかったり~な~ダラ~」
みたいな、まるで午後の保健体育の授業のような雰囲気を醸し出しておりまする。

人生に疑問を持ちつつ、同時にその人生に対しての自分の情熱の不甲斐無さも
痛感しているという青年の抱える独特の倦怠感みたいなものを、
彼独特の空気の抜き方で表現しているのだと思いますです。

そしてそのちょっと気だるい雰囲気を醸し出す彼の演技が、
主人公のカッちゃんの映画に対するエネルギッシュな情熱を
更に惹きたて、と同時に、その熱さを沸騰させすぎないように
引き算させながらバランスをとらせる、自動サーモメーターのような
役目も果たしているのだと思われまするですね。

さすがでございますな~、山田監督。(←なにやつ?)

この涼くんの気だるさは、やがて結末に向けて潮が満ちゆくように
ゆっくりとなだらかに小さな希望へと変遷していくのだけれど、
全体的には、吉岡くんは力がまったく入っていない演技を貫いていると思われ。

それはなんていうか、ちょっと気の抜けちゃったスプライト、
みたいな感じの演技でありますだ。ふぁんたすてぃっくっ!

涼くんが初めて、オデオン座の前で、なんだかカバヤのジューシーみたいな
かわいいキャラのカッちゃんと出会う場面なんて、気だるいオーラが
だんだらだらり~んと彼の全身から放出されていて絶妙でしたでがんすよ。

しかし吉岡くん、その立ち方は左手をまっすぐ天に向かって上げれば
ナイットヒィ~バァ~ナイットヒィ~バァ~♪なトラボルタだよん。
今でも時々しますね、その立ち方、フフ。(←いや、トラボルタとは関係ないですけん)

吉岡くんは、概して言えることだけれども、特に山田監督の作品で脇を演じる時は、
何気に観客の注意をちょびっとだけ引くという、簡単そうでいて実は難易度大な演技を
してみせちゃってる神業くんであると思います。

この作品での彼も、大げさな動作や台詞で笑わすのではなくて、
その存在感から醸し出す雰囲気で観客をクスっとさせてしまうという、
何気にクスッとくんでありもうした。

芸がとてもさりげなく細かいので、見逃してしまいがちなのですが、
どの場面でもどこにいてもちゃんと役の中の人物として「さりげな~く」
存在しているという、お刺身のツマみたいなお人でありまするだ。

さりげなく存在する、という伊賀忍法演技でありますね。

そういった彼の何気くんの演技は、山田監督の吉岡くんに対する
揺るがない信頼感が基盤になってスクリーンに表われているのではないのかと、
私なんぞは思ってしまうのでありますよ、だいじゃえもん。

そだ、信頼感といえばもう一つ。
それはこの映画では映写技師を演じた田中邦衛さんとの共演であります。

田中さんと吉岡くん、この二人のツーショットを見るとですね、
それがどんな作品であっても、自動的に「黒板家再現フィルム」が
頭の中で上映されてしまう方が巷には多いですけど、
しかし山田監督はそんなこと屁にも思っちゃいないに違いないわけで。

そしてもちろんこの名優二人は、スクリーンに富良野の風は微塵も
吹かせないわけであり。おぉ、玉や~。

純粋に役者・田中邦衛と役者・吉岡を起用しているのだと思うと、
その思いには感慨深いものがありまするだ~。
うぅ、松竹ばんざ~い!


さて、その後の涼くんはといいいますとですね、
宿となった映画館の楽屋でおばけなんか見ちゃってフルフルしちゃったり、
給料提示を一向にしないカッちゃんに対してプンプンしちゃったり、
人形の久月みたいなお美しい顔の八重子さんから
ちょびっとお叱りを受けただけでショボショボしちゃったり、
早とちりの挙句に消火器ぶっぱなしてゲホゲホしちゃったりですね、
そんな彼の様子を映画の冒頭から文字にすると、
ヌオオンムギュムギュスリリンウヒウヒアセアセモグモグフルフル
プンプンショボショボゲホゲホとなるという、まさに
「擬音大感謝祭赤札大売出し市開催」なのでありまする、ふふ。(←・・・・・)


気付かなかったよ~ん、この時から君はすでに四文字大魔王だったのね~。
可愛いったらありゃしないじゃないの~、君ってばぁ♡


ん?


はて、一体この時の吉岡くんは何歳だったのだろう?
21,2歳の印象があるけど、確かこれは、学校IIの後に撮られた
作品のはずだから、当時の彼はすでに26歳にはなっていたはずですばい。


しかしちょっと待てよ、ラッシー。


今冷静に当時の自分の周りを思い出してみるとですね、
あの時分26歳くらいの男性で、かわええなぁ~、白いしぃ♡ 
などと鼻の下をだら~んと伸ばしきってですね、
「見つめちゃいたいわっ、うきゃっ♡」
な~んて、♡マークまで語尾にいちいち付けちゃう程に思える男の人は、
あっしの周りには皆無であったぞっ。

みんな早くもオヤジ街道まっしぐら~なオヤジララバイ達だったじゃよ~。
悲しいな、私ってば。

こんな全面的素敵オブラートに包まれた26歳の男の子は、
少なくとも私の周りにはいなかったでごじゃるよ~っ、吉岡く~ん。


そしてそれは今現在の彼にも同じことが言えちゃう事であるわけで。

だって、
あんなこんなそんなうふふんしゃらら~んはらり~んキリリ~ン圧縮パックな36歳は、


         「いないっ!」              



吉岡くん、君ってば、コンビニの雑誌コーナーでふと横を見ると
隣でジャンプなんか立ち読みしている兄ちゃん、
みたいな雰囲気全開バリバリそこんとこヨロシクッって感じなくせに、
実際に良く考えてみると実は伝説の雪男なみの希少価値のある人だったりするのだ。


彼のような人を奇跡の人、またはアンビリーバボーな兄ちゃん、
略してビリバボちゃんと言うのかもしれない。


やはり君は普通仮面の悩殺王子ホワイティなのだ。


んもぅ、これだから君のファンをいつまでたってもやめられな~いのじゃシャバダバダ~♪







書き忘れてしまいましたが、これは「虹をつかむ男」という映画のことでありますだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

風見さんちの武志くん

2007年04月13日 | 山田監督作品

遥かなる山の呼び声。
名作だよ、おっかさん。

この作品、私の中では名作ベスト3の中の一つでして、
たぶんすでに100回くらいは見ているのではないかと。
そして382回くらいは泣いていると思う。
そう思うと、
「あぁ~、思えばヒデタカくんにはこんなにちっさいころから泣かされているのねぇ~」
と温泉につかったニホンザルみたいに遠い目になってしまう。

彼はこれ以前にスクリーンで初泣きを披露していたけれども、
本格的な映画デビューはこれであるといってもいいのではないかと。

私がこの作品を始めて見たのは、まだうら若き少女時分で、テレビ放送でのことだった。
み、満男くんが出ているぞいっ!とミーハー気分で、鼻息荒く見始めたのだけれども、
すぐに話自体の中にぐいっと引き込まれた。
あの時に感じたその興奮は、今でもすごく新鮮に覚えているですね。
この作品が、私に映画の素晴らしさを教えてくれた最初の作品だったのかもしれない。
そして、「満男、おぬしやはり只者ではない。」
と強烈に思わされた最初の映画でもあったのでありまする。

良い映画というのは、全てがそこにすごく良く調和されている
そのバランスのよさなのではないかと思うのだけれども、
この作品も、脚本、演出、役者全ての歯車がカチっと気持ちよいほど良く噛み合わさっていて、
それはそれはワンダホー。
見ないと損ですたい。
それになんてたってですね、

健さんがかっちょええ~~~~っ!!!! 

いや、健さんはいつもカッコええのだけれど、
ゴルゴなさーてぃーんの時でさえやはりかっこよかったけど、
しかしこの映画の中の健さんは飛びぬけてかっこええ。
こんなカッコいい人がこの世にいたのかっ、と思わず
「おお、神よ!」と天を仰ぎたくなるくらいかっちょいい。
乗馬のシーンなんて「あぁ、もうかっこよすぎでどうしよう!」
ってキューッとセーターの裾を齧っちゃうほどえっらいかっこいい。(←しつこいってかい)
そしてそこにもってきての、可愛い可愛い武志坊やですよ~。
「牧歌的」って言葉がそのまま小さな男の子になっちゃった感じ。
アイアイを歌っているシーンなんてぇ、も~う、君がアイアイじゃ!
彼が取り巻く色調は、それはそれはパストラ~ル!って感じであり、
まさに、癒しのちびっ子大将であります。

余談だけれど、この映画のDVDに含まれている特報で、
本編ではカットされているシーンが見れてごちそうさまであります。
健さんがヒデタカくんを「高いたか~い」している映像を見たときは、
卒倒するかと思ったくらい感激したでがんす。

健さん アーンド ヒデタカくん。

一粒で二度おいしいグリコの法則ですな。
願わくば、もう一度このお二方の共演映画が観てみてたい。
あぁ、観てみたいぞ~っ!!!!!

さて、この武志くんだけれど、文句なしに素晴らしい。
普通子役が出てくる映画というのは、その子役が素晴らしければ素晴らしいほど
そこにかかってくる比重が大きくなっているものだけれど、
この作品にはそういった簡易さはないし、
武志くんはきちんと登場人物の中の一人として存在している。
「子役」というより、「役者」としてそこに存在しているんですな~。

吉岡くんの演技には、おそらく彼に内在するであろうと思われる、
非常に鋭角的で直情的な感性によって、受け手の心の底を容赦なく抉り、
ありのままの、「人間」としての、いわば原始感情みたいなものを
見手に呼び覚さませる原動力があるけど、この作品の中でも、
そういったことを観客に感知させる力が、このちっさい可愛い彼の中には、
確かにかいま見られるわけで。
そういった類まれな才能を見せられると、やはり彼は、
役者になるという使命をもってこの世に生まれてきたのではないのかと、
私なんてそう思いがちになってしまうのでありまするよ。

いわずもがなの、あの武志くんラストシーン。
あの場面での、あのカウンターパンチ演技には、
「満男くん、君には一生ついて行くっ!」
と、まるっきり余計なお世話情熱を私に抱かせたのでありました。

この作品、あくのつよ~い個性的な役者さんだよ全員集合!
って感じのキャストだけれど、しかし決して誰も前に出すぎず、
自分の役の人物に息を吹きかけている。
おぉ、なんてすんばらしいのだっ!
ブラボ~ブラボ~とれびあ~んのワンダホーですよ、マダム。
とりわけその中でも特筆すべきは、ハナ肇さん。
あの人のラストシーンには、何度見ても泣かされてしまう。
この映画を一番最初に見たときに、まさか毎年かくし芸大会で
銅像になって缶で頭たたかれている人に泣かされるとは思わなかったから
更に感動倍増だった。

いやぁ~、映画って本当にいいものですね~。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

平山さんちの涼くん

2007年04月12日 | 山田監督作品

平山工務店の長男・涼くんは、
仕事に対する忍耐力のなさっぷりを親に嘆かれ叱られ、
半べそかきながら家を飛び出るというへたれっぴー。

しかし、こ~んなへたれな役を演じているにもかかわらず、
この作品の中でのヒデタカくんは、とにかくかっこいい。

「格好いいぜぇ」火山活動中って感じで、役柄をつきぬけて追い越しちゃった
かっこ良さみたいなのがあるのでごじゃりまする。

吉岡くんの魅力って、彼の作品を最初に観るときは、
外見の格好よさが後から付いてくる感じがするのですね、私にとっては。

まず役者・吉岡に魅かれるから、無意識に認識している彼の外見の美しさが、
作品鑑賞中にはあまり私の中では顕在化されてこないのでありまする。

で、後にビデオやDVDで何度かそれぞれの作品を見直してみて、やっと
「おぉ、なんてビュ~テホ~なお方なのだっ! 神様ありがとう!」
と叫びを上げ、そして次には彼の外見の美しさにまで嵌っていく、
という繰り返しになるという、完全健全地球にやさしいリサイクルになっているのですね。

しかしそういう点、この涼くんは例外で、これは最初に観たときから、
「くぅあああ~! どうしてくれよう、このかっこよさっ?!」
という状態だったのでありまする。 

どこを切っても切っても金太郎飴ってくらい、かっこいいヒデタカてんこ盛り。

おかげで作品に集中できなかったよ~。あぁ、なんて罪なお方。
けれども彼、この作品の中で、一生懸命フェロモン封印しているような
気配がするのですが何故なのでしょう? 
まぁ、映画全体のトーンを考慮すればそうするのも納得だけれど、
しかし、ふふふ、君の色気は画面にしっかり漏れてきているのだよ。

この涼くん、稲葉一矢が全開で放っていた強烈フェロモン光線ボーイとは違って、
「ほのかに漂う色香が隠せましぇ~ん。」
っていう感じの青年。

なんともいえない抑制された色気と、匂いたつような美。
少年の名残を内包しつつ、大人へと繋いでいく青年期にいる彼。

この青年期というのは、男性にとって、とても大事な通過過程でありますな、
と私は思うとですよ。
青年期の如何によって、その後の男っぷりが違ってくるような気がするのですよ。

しかし、少年からいきなりおっさんになっちゃたりする人が巷には多い。
悲しいぞな。

けれども、ヒデタカくんはきちんと「青年期」を通過している。
いや、もしかしたら今でも「青年期」通過中なのかもしれん。
なんかそんな気がしないでもない。

さてさて、映画の話に戻りまするが、
涼くんは、カメハメハ大王みたいなカッちゃんに会いに南の島に行くけれど、
その舞台設定のわりには、彼のガードはとても固いであります。

満男くんみたいに、「海辺で半裸でハンモック」どわぁああああっ~!
みたいなシーンはないでござる。

惜しい。

ちなみにあの驚愕の満男ハンモック映像を最初に観たときは、
私なんて、もう、その場で瞬間自家発火してアンドロメダまで一気に飛んで
いってしまうかと思ったくらい衝撃的だったですばい。

けれども、この涼くんの場合は、唯一カッちゃんの経営するオデオン座を訪ねる時のみ、
ひかえめ~な、「ヒデタカ開き」シャツのお披露目があるだけであります。

出し惜しみするなんてひどいぢゃないか~!

ちなみに、この「ヒデタカ開き」、見るたびにいつも思うのだけれど、
これは一体誰の提案なのだろうか?

満男くんに、このスタイルはないと思う。
彼は「開ける」のではなく、「脱いじゃう」のだ。

そういえば、純君ははだけまくっていた時期がある。
そして、はだけの王者といえば、稲葉一矢。

やはり杉田監督の意向なのだろうか? 

あぁもう~ど~うしてこんな不埒なことばかりに考えが及んでしまうのだろう?
映画の内容を語ろうと思ったのではなかったのか、あたしってば?
しかしやめられないとまらない~のかっぱえびせんなのだよ、ムッシュ~。

コトー先生のときも、満男くんのときも思ったけど、
吉岡くんは、ジャケットを着ていないシャツスーツ姿のいでたちの時は
更に彼の艶っぽさが増すと思うのでありまする。

先にも述べた、オデオン座シーンの涼くんなんて、
もうすっごい艶っぽかった。

まるで、ゆらゆらと立ち昇る朝靄のような色気。

真っ裸になるより、こういったいでたちのときの方が、
遥かに遥かに色っぽい。

これはもしや「リヴァーシブル艶出し現象」というものなのだろうか? 
なぜなのだ? 
あのほっそ~い腰が強調されるから? 

いやしかし、同じ細いといっても、小倉一郎さんが同じ格好をしてても
全くなにも感じないので、やはりこのいでたちには、
吉岡くんの持つ色気炎を焚きつけるなにかがあるに違いないと思われる。

このオデオン座の後につづくシーンで、人気のなくなった波止場でちょこりん、
と縮小折りたたみコンパクトサイズになって座っている涼くんは、
地上に点在するまりもみたいで可愛かった。

そうだった・・・、
この涼くんってば、カッコいいだけじゃなくて、
可愛かったりする場面もてんこ盛りだったのだ。

あぁ、もうどうしようっ!? 
って彼に向かってタックルしたくなっちゃうくらい、
この涼くんなヒデタカくん、魅力的なのでごじゃるよ~。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする