昨日に引き続き、三丁目にお住まいの文学さんこと茶川さんについて
レポートしてみたいと思いまする。
この映画ですが、昨年の夏に日本に里帰りした時、
なんとリバイバル上映館で鑑賞できたという、
サンキュ~ダンケしぇーしぇーメルシーあんがとさ~ん
な機会に恵まれた作品でありました
一緒に行ってくれた友よ、ありがとー!
そしてその劇場で再確認したとですよ。
ヒデタカくんは、銀幕によう映えるお人でありなさる。
銀幕の人じゃよ~、君は!
うれしいぞぉ、おいちゃんはっ! 泣けてくるじゃね~か、うぅ。
この作品は全体がマキシマイズされた演出だから、
彼は演技をする上で、特に笑いのバランスのとり方が
難しかったんじゃないかな~って思うとですよ。
しかし君はやったぞ、ホームランだ。
決して的は外さないのだよ、君って人は~。
群像劇の云々を肌で理解しているのかもしれんですね。
引くときは引く。なりを潜める。しかし出るときはしっかり出る。
しかし出すぎない。
それはまるで、蛸壺に隠れたウツボくんがシュバッと身を出し獲物を
確実に捕らえるウルトラ級ウツボ技みたいだよ~。
ウツボエキスパート・ヒデタカ。
前代未聞の達人技だぜよ~。
やるじゃね~か、たまらんぜぇ。
彼はこの作品の中で、「これ以上いったら地雷を踏む」という境界線を
ものすごく良く理解していたのではないだろうか、と思いますです。
それは笑いをとる演技のときだけではなく、彼の演技全体から感じられるとですよ、ムッシュ~。
茶川さんが内に秘める爆発感情と、彼が外に発散する爆発っぷりの
バランスが、それこそ微妙な感度で保たれていると思うのです、おいどんは。
それは、一歩間違えれば、作品自体を爆破させてしまう危険性をもつ
バランスなのだと思うのでありますが、しかし吉岡くんはもちろん
「微妙なバランス」を保持したままのワンダホーな演技でもって、
観客を作品ごと魅了してくれるのであります。トレビア~ン。
しかしですね、これは決して「へい、おまちぃ~」な出前一丁系の
流れ作業的に生まれた演技ではないっ! とシコを踏んでつっぱって
宣言できるぞっ、ごっつぁんですっ、おかみさんっ!
悩んだと思うのですよ~、この茶川演技。
しかし観客にはそんなことは片鱗も感じさせないのですばい、彼は、フフ。
いかにもスイスイスイ~ッと存在しちゃっているように思わせちゃうのだ~観客に。
だから観客は安心して、徐々にこのどうしようもない茶川さんに
感情移入していけるのだと思うとですよ。
それはすなわちこの作品が、茶川さんに合わせて成長していっている、
ということだと思うとです。
ビバッ!ビバッ!ビババ~ン、ヒデタカ~っ!
うれしいんだよ、おいちゃんはぁ~。(←今日は登場回数が多い、おいちゃんであります)。
淳之助が贈られたクリスマスプレゼントの万年筆を
嬉しそうに眺める姿を見つめる茶川さんの表情なんて、
「味がある」とはこういう演技のことをいうのかもしれない、
と劇場で心底思ったですよ。
ここで彼が浮かべた、幾重もの感情が読み取れる表情って、
そう容易に表せるものじゃないと思うのですよ。
地層みたいなのですよん、この時の彼の表情。
過去に積み重ねてきた幾重もの感情と、「その時」の純粋な茶川さんの気持ちが、
断面図となって彼の顔に浮かんでいるような表情っていうのでしょうか。
茶川さんの過去と現在が、彼のその複雑に揺れる表情からスクリーンを通して
観客にとてもよく伝わってくるとですね。
それからもう一つ、淳之介の父親が、彼を茶川家に引き取りにくる場面も
えっらいえがったよ~、吉岡く~ん。
茶渋がこびりついた茶碗に注がれたお茶を、
淳之介の父親に差し出してからの一連の君の演技には、
国民栄誉賞を差し上げたい。
そしてここでも君は、もちろん地雷を踏まない。
ギリギリの卑屈境界線に茶川さんを立たせているのだ~。
しかし唸らせるよな~、君って人は。
すごく切なかったよ~、茶川さんの表情。
淳之介を物として対処しているまったくデリカシーのない父親に
怒りの気持ちを抱きつつ、しかしうろたえ傷つき卑屈にならざるを得ない
茶川さんの情けなさと、それでも横に座る淳之介をチラリチラリを
横目で守るように確かめる優しさの片鱗を見せる茶川さんの視線が
その顔に交互にクロスして、そりゃ~もうあっぱれやったよぉ、吉岡く~ん。
もちろん監督の演出、脚本の旨さが土台にはなっているわけで。
そこに彼の演技が加わり、三位一体となってこのシーンを成立させている
のは間違いないことであります。
けれどあの絶妙な味のある演技は誰でもが出来るものではない、
と私は思うわけでありまする。
この神業演技があったからこそ、観客はその後に続く下駄履き疾走茶川さんに
ガンバレイッと盛大なエールを送ることができ、
その観客の感情と茶川さんの心情がシンクロすることよって
この場面がクライマックスとしての感動を迎えることができるのではないのかと。
重複してしまう内容だけれども、茶川さんを演じている吉岡くんを観てですね、
この人は本当に観客に確かな安心感を与えてくれる役者さんなんだな~、
と心底思ったとです。
決して観客の気持ちを裏切らない信頼感が、
彼の演技の根底にはあるのではないでしょうか。
だからこそ、それが喜怒哀楽どんな感情であっても、
観客は安心して自分の湧き上がった感情を彼に委ねて
感情移入することができるのではないのか、と思うとです。
そしてそういった連鎖反応が作品自体をも高めていくのではないのかと。
そんな才能を持つ役者さんが名優と呼ばれるにふさわしい人なのだと思われ。
う~ん、マンダム。
たまらんのぉ~、君って人は~。
タックルしたくなっちゃうじゃないか~。
吉岡くんよ、君はかっこええ。
なにを今更言っとんねんな、と思われる方もいらっしゃるでしょうが、
しかし言わずにはいられないのであります。
かっこええよ~、君は~。
精進していく、という言葉がこれ程似合う現代人も珍しいと思うでがんす。
常に努力しながら一途にその道を極めていく、というストイックな心を
あの華奢な体の奥深くに秘めている人なのだと思う。
これをかっこええと言わずに何というのか、アンドレよ。
そしていつだっていつだっていつだっていつだって
君は結果にちゃんと表してくれるのだ。
シビレルじゃね~か、ヒデタカくんよ。
はぁ~、えがったよ~、君のファンでぇ。