月のカケラと君の声

大好きな役者さん吉岡秀隆さんのこと、
日々の出来事などを綴っています。

躍る大騒動篇

2008年10月27日 | たびたび旅篇


*注意書きであります*

今回下記に載せている内容はかなり「痛~い!」内容でありまして、
したがって、お食事前、中、後、または血が苦手な方は、
読まれないほうが良いかと思われますです。
せっかくお越しくださったのに申しわけありませんです。

* * * * * * *


で、本題なのでありまするが、
今回の日本帰国での出来事であります。

「旅にアクシデントはつきものじゃん。」

とかつての遣唐使さん達も言っておりましたが(←ほんとかよ?)、
確かにそうでございますですね。
道中、行く先々で様々な出来事に遭遇するのが旅というものでございます。
時にはその出来事たちが己の不注意のみから起こってしまう事や、
本人がそそっかしいからこそ引き起こしてしまう物事とか、
「やっぱアホやん、こいつ。」
と周りの者たちにひと言で人格形容されてしまう出来事などなど、
それは一般論ではなく極めて私的な事をいっているのではないでしか?
などという心に湧き上がる疑問はこの際すっとぼけてしまうことにしてですね、
そうなのでぃす!
今回の帰国の旅でも起こってしまったア~クシデ~ンツ!
ということでありまして、トラベルハプニング・じゃぺ~ん篇。

その事件は、日もすっかり暮れた秋の夜長のプレリュード時に
突然起こった事件だったのでした。

その夜、姉の家に家族の者達が集まって、皆でビールを飲みながら
わいわい話しをしていたまでは、それはどこにでもある
にっぽんの夕げ風景でありましただ。しかしその宴の最中、
何を血迷ったのか私は突然、「そだっ、おつまみ作ろーっと♪」などと
♪付きでキッチンに足を運んだのが事の始まりでありもうした。

冷蔵庫からレタスをとりだし、小気味好いリズムでもって
トントントントントントン、と切りますですわよ~千切りレ~タス~
トントントントントント~ン♪ってなもんですわね、フフ、見よ、
さすがの包丁さばきなのだ、前略おふくろさんってかい、お~ふくろさぁ~ん、
お~ふくろさんよぉ~ 空を見上げりゃァ~♪

ガリッ!

ん? 

今ガリッってしたわ。。。。 
何?
ガリってなに? 
なんなの? 
なんなのかしらぁっ、ガリってーーーっ? 
お寿司についてくる生姜とは違ってよーっ! ガリはガリでも
ガリっ!て「音」がしたのよーっ、ガリってーっ!!!
なんでガリッと効果音なのかしらーーーーっ?
ってひぃゃぁ~~~~~~~~~~っ、人差し指から血がぁ~~~~~~
スプラッターしてるわ。
ほっほぉ~。
って感心している場合じゃないのよぉ~~~~~っ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、
ゆびさきがぁ~~~~~~~~がっつり削げ落ちてるぅ~るるるるる~~~
クラ~~~~。

まさに「おふくろさんを歌う森進一の顔」と化して発した原始の叫びと共に
にっぽんの楽しい夕げの一風景は一瞬にして阿鼻叫喚の修羅場となりもうして
秋の夜。

「風子ちゃん(仮名・女性23歳←徹底したサバよみらしい)がぁ~
指切り落としちゃったぁ~~~~~っ!!!」
という甥の叫び声を聞いてキッチンにすっ飛んできた姉が
急いで私のその怪我した人差し指を濡れタオルで押さえながら、
「風子ちゃんの落ちた指を探しなさいっ!」と子供達にすばやく指示。
(彼女はそのとき怖くて傷口を見れなかったらしい。)
ちゃう、ちゃうのよ~、指はちゃんとついてるのよ~、切り落としたなんて、
あたしゃ極道の妻かい? などと言う余裕はその時点でもう無く、
ただふらふらり~んとなってしまった体を母と姉に支えられながら、
落ちたと思っている指先を捜している子供達の間を通って
居間に向かおうとしたその時、真横でレタス内を何やら懸命に捜索している
ジャイアンの姿が・・・。 おい・・おい・・そこのでかい君・・・・、
違うだろがーっ!!! 妻がフラ~~~~~~っとなっとるじゃがぁー、
支えんかいっ、われぃ! 
と言いたかったのに意識が朦朧として言えなぁ~い。

となっている内に気付くとわが身は居間に横たわっていたわけで、
どうやら暫くの間、気を失っていたらしく。

自分でいうのもなんですが、私は痛みにはとても強い方だと
自負しておりまするだ。なので今回の怪我で、痛みとショックで
血圧が急激に下がって気を失ってしまった、わぉ。
という事実自体にびっくりしちゃったでございます。
わぉ。

とにかく意識が戻ってからも家の中は文字通りの「踊る大騒動篇」。
甥の一人が「すごい汗だよっ、大変だよーっ!」と叫べば、
「それは額にのせたタオルが水浸しだからでしょ!」と姉が応え、
「なんか焦げ臭いよー!!!」ともう一人の甥の言葉で、
「シチューがぁ~~~~っ!!!」と母が急いでキッチンへ飛んで行き、
それと入れ替わりにジャイアンが「みちけますたー、ネイル!!!」
とキッチンから飛び出てくれば、再び最初の甥が、
「うわあ~すごい顔色が真っ青だよー!!!」と叫び、
「!@$%~。。。」とそれに反応した私に、
「どうしたの、気持ち悪いの?」と姉が尋ね、
「デスラ~。。。」とかえす私に、
「もうっ、こんな時くらい真面目に倒れていなさいっ!」と母。
ってなもんで、もしその風景を映像にしていたら画面上にテロップで、
大怪我 スプラッター レタス どうして 包丁? シチュー お焦げ 夕げ 朝げ お味噌汁なら永谷園 
とか流れてたと思う。

しかしそんな大騒動のど真ん中に横たわっているというのに、
私自身は、どうしてもその騒動との距離感がよく掴めないのですだ。
すぐ真横や真上の至近距離で人が大騒ぎしているというのに、
それはとても遠くで起こっている事に感じられて、
皆から発せられる声も自分の声も、エコーがかっていて、
まるで現実味がないのですね。
自分の体が周囲から乖離して別空間にいる感覚がして、
騒ぎの実体がどうしても掴めないのですだば。
「そうか~、意識が薄れるってこういう感覚のことをいうんだなぁ~」
なんてまるで他人事のように考えていたりする自分もいたりして、
それはなんだかとても不思議な感覚でぃした。

と、そうこうしているうちにタクシーが到着して、
私は姉とジャイアンに付き添われて夜間救急病院へ。
何件か電話して受け入れてもらった総合病院の、
その夜の当直医は運良く形成外科医。

到着した病院内に入ると、現時点での救急患者は私一人だけであり、
すぐに診てもらえるとのことで、とりあえず一安心。
しかし中々現れてくれない当直医でありまして、
静まり返った待合室でじっと待っている間も
指の痛みは増すばかり。

はぁ~これが志木那島診療所だったらぁ・・・。
コトー先生だったら、どんなに忙しくても、
取り合えず待合室に顔だけは出して、
「もうすぐですから、もうちょっとだけ待っててくださいね。」
って、あの癒しスマイルくんでもって患者を安心させてくれるのにぃ~~~~。
こういうときにコトー先生の良さが身に沁みてわかるわぁ~。
ってほんまに何してんねんや、ここの医者は。
受付の人は先生は手隙だからすぐ来るって言ってたやんか~。
血がとまらへんのやでぇ~。 
はぁ~~コトー先生がいいよ~~~~。
コトー先生~~~~~~~早く来ないかな~。(←幻覚状態に突入したらしい)
コトー先生があの診察室のドアを開けて、
「どうしました~、風子さん?」
なんて言葉と共に白衣をはおいながら出てきてくれたらぁ・・・

「コト~せんせ~~~~~~~っ

って叫びながら春風モードで彼に飛びついちゃうかもしれない。
いやそんな、なんて大胆なっ。コトー先生に飛びつくなんてぇ~~
そんなこと恐れ多くて出来ないわよっ、タックルならできてよっ。
そのまま突進した勢いでダッコちゃんみたいにくっついちゃうかもしれない。
贅沢は言わないけどその時のコトー先生は黄色のシャツを着用希望。
ついでに雷が鳴らないと彼から離れないかもしれなくてよ、おほほほ。(←蛭かよっ?)
はぁ~コトー先生~・・コトー先生に抱きついちゃうなんてぇ~・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
フラ~~~~。(←想像したら血流が早まってしまったらしい)

んが現実はちびしい。

やっとのことで目の前に現れた当直医は、
巨大隕石の如き強力なインパクトを持った電撃マンでありもうした。

彼の年の頃は40代前半。多分。
形成外科医という職業柄、そのいでたちは、
コトー先生が2003の回想シーンで大学病院の廊下を
マッハで走っている姿とそっくりそのまま同じ格好。
んがしかし、そのお顔はコトー先生とは真逆をいく濃縮還元型でありもうして、
いや、でも、四捨五入すれば繰り上がりで美形部門に入るのかもしりない。
しれないのだけれど、なんというか、余計なお世話なのだけれどどうしても、
セサミストリートのバートをみそぴー味にしたような風貌に見えてしまって、
しかも何故か頭にシャワーキャップみたいなのを被っているわけで、
いや形成外科医だからオペハットを被るのは当たり前なのかもしれないけど、
でもオペ以外の診察時にもそれを被るのですか、先生? 
とまたまた余計な質問を問いかけたくなってしまうようないでたちの、
シャワーキャップでバートなみそぴードクター。

そしてなによりも強烈なのはその言動。
とにかくその動作全体が早送り、時々停止でたまにコマ送り、
みたいな動きをする人であり、そこから発する言葉とくると更に強烈で、
診察室に私と一緒に入ってきた姉とジャイアンを見るや否や、
「入らないっ! 邪魔だから出る! 邪魔っ、すぐ出る!」
とアイドルのコンサート会場にいる警備員のような口調で
言い放ったかと思えば、くるっと私に振り向きざま、
「はいっ、傷口見せっ! はーっ、切ったね、すぱっとー!」
と今度は日体大を卒業したばかりの体育の先生みたいな口調になり、
なったかと思えばお次は「生食!」と横にいる看護婦さんに対して
厳しい日舞のお師匠さんみたいな口調に変化して~の、
ヤマトナデシコもアングリな七変化。さすがのディープ・インパクターだ。 
びっくりずら。

しかしいくら診察室が狭いからといって、ふらり~んとなっている
患者の家族に向かってそんな口のきき方することないやんか~。
これがコトー先生だったらきっと、あの和みスマイルでもって
「大丈夫ですよ~。すぐ治療しますから、治療が終わるまで
待合室で待っててくださいね。」って穏やかに言うはずだっ!
なのにこのシャッピーときたらっ!(←既にニックネームをつけたらしい。)

それに「痛いぞっ、痛いんだからねっ、ガマンするっ!!」なんて
いちいちプチ前脅しをかけながら処置することないやんか~。怖いじゃないか~。
しかもあなたのお顔はまるで雷神みたいになっててよー! 
村山元総理大臣若い頃バージョンのような眉毛なんてキーーーッて
逆八の字に吊り上ってるし、しかもシャワーキャップ被ってるしぃ~
笑っちゃうじゃんか~。こっちは痛みと貧血で気が遠くなりそうだってぇ~のに
笑わせるとは~~~ははは~はははぁ~ふら~~~~ハッ!こりはもしや、
天然笑い麻酔ガスなのかっ? 
もしかしたら名医なのかもしれないぞ、シャッピーったら。
あなどれん。

それにしても痛いぞよ。もうちょっと優しく処置してくり~ん。
痛いってぇんだっ、痛いのよっ、泣いちゃうぞっ、泣いたろか、
ビュンビュン丸の弟の如きに泣いたるで、え?
しかしやっこさんに弱みを見せるのは何か癪ずら、よしこうなったら、
じっと我慢の大五郎戦法だ。

「痛い?」
「痛くないですっ。」
「え、痛いだろ?」
「いいえっ!(キリッ)」
「普通の人なら倒れちゃう痛みだけど?」
「いたぐないだすっ!(ギリギリッ!)」

っていだいにぎまっどるだろがぁーーーーーーっ!
しかし大五郎は泣かないのだ、ちゃ~~~~ん。

むむ~~~っと視線をシャッピーのシャワーキャップ一点に据える私。
シャッピーもキーーーーッとなって治療中。むむ~~~っ、キーーーーーッ、
むむむ~~~~~っ、キーーーーーーーーーッ、
むむむむ~~~~~っ、キィーーーーーーーーーーーーッ!
むむっ、キーッ、ムムムッ、キキーッ、ムッ、キッ、ムッ、キッ、
むっきっきーーっ、ってお猿さんですかっ?! ハッ、やばっ、
視線がズレちゃったぁっ眉毛ボーーーーーンッ!あはは~~~~~。

負けてしまった・・・
一騎打ちに・・・・・・
ぶひぃ。(←結局泣いてしまったらしい)

ってにらめっこしてどうするのっ?

はぁ~~~もぉ~~コトー先生が治療してくれてたらぁ~~~~~~。
そうだ~このドクターをコトー先生に変えてしまえばええのだ~。
これはコトー先生が治療をしているのだ。
目の前にいるのはコトー先生なのだ~。
シュミレーション、オン。

コトー先生:「指を切っちゃったんですね~。」
私    :「  」

コトー先生:「大丈夫ですよ~。安心してくださいね~。」
私    :「  」

コトー先生:「ちょっと見せてくださいね~。」
私    :「  」

そこで私の手をそっととるコトー先生。
手を・・・・私の手を・・・・・コトー先生が・・・・・
コトー先生が私の手を・・・・・あの麗しの手で・・・・・・・・
クラ~~~~~~~~~~~~~~~~。

「大丈夫っ? 目開けて!」
え? はい、大丈夫です、コトー先生・・・
コトー先生に診てもらえるのなら私はどんな痛みだって・・・・・ん?
どわぁっひゃーーーーっ、目の前にドアップの
シャッピー味噌之介がぁ~~~~~・・・・・・・・・・・・・・・
バッタリ。(←真面目に倒れてしまったらしい。)


後日談

その後、二日後に再検診で再びお会いした時の味噌之介殿は、
やはり同じようにシャワーキャップを被っており、
外来診察時にも崩さないその徹底したプロフェッショナルぶりに、
なんだか妙にカンドーしてしまった私でありやした。


人差し指くんの形は暫くの間、
ちびっと削れたままになってしまうとのことですが、
でも傷の治癒は順調に進んでおり、
めでたしめでたしでありますだ。

治療してくれてありがとう、シャッピー先生!
コメント (4)
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ens

2008年10月04日 | 思うコト


2006シリーズのコトー先生は、
とりわけその最終回を締めくくるラスト30分での、
島を往診するそのお姿ときたら、それはそれは
大層美くしゅうございますので、吉岡君、
ごっつぁんです!

吉岡君の出演作には必ず1つや2つの、
「おぉっ、シャバダバダッ!」、
巷で言うところの「ぉバッ!ポイント」、
というものがあるでございますが、
上記の「コトー先生往診する」の場面は、
もうなんというか冷静にいうと、
「ォババババババババビバノンノンッ!」
でありまして、更に例えて書けば、
ベルマーク3万枚。
みたいな感じでごぜいやす。

ついでにラストソングの稲葉一矢くんでも
このポイント例を挙げると、

秋の俳句 その1 

朝霧に 佇む君は 硝子の詩篇

とか、

秋の俳句 その2  

シュウちゃんに 羽交い絞めだよ はらりんぱ~

とか、

秋の俳句 その928 

なんたって ギター弾いてる 弾いてるぜーっ! 

とかですね、
羅列しだしたら書ききれないので、
それはそれは諸々テクマクマヤコンえとせとら~んで、
ヤンバラヤンヤンヤン。

しかもこのポイントくんたちは普段、
ほんげぇ~としている時などにいきなり
吉岡ですッ!
と脳裏に出現してくる突然突発現象であり、
うっかりしていると、
その突然脳内吉岡くん映像によって我が顔は、
「へら
と恥らい微笑むなまはげの如きなフェイスに変貌してしまい、
よって家族のものを恐怖のどん底に突き落としかねないので
要注意なのでありますが、しかしだってぇ~まったくぅ~
吉岡くんなんだからしょうがないのよ、ええじゃないかい、
素晴らしいったらあ~りゃしないのよ~、吉岡君ったら宝の山だわ、
巡る巡るよわ~んだほ~吉岡くんったらわ~んだほ~、って
ラブラブ走馬灯ですかい?

と一人ツッコミまで披露しておまけにそこら辺を
スキップらんらん♪とかまでしちゃったりするので
重症かもしれない。
でもいいのだ。
だって秋だしねーっ。

ということで文頭に戻って、
コトー先生のことでございます。

ついつい当たり前のことのように見てしまうのですが、
よく考えると、いやもしかしたらもしかせずによく考えなくとも、
コトー先生って奇跡の人に近いと思うですだ。

普段はまるで濃縮還元ヘタレ100%愛媛みかんジュース、
みたいな人なのに、いざ病人を目の前にすると
ブラックジャックばりの敏腕外科医に
スーパーチェンジするその大魔神のような変貌振り。
キリっとキリキリッ!と上京オペした後に、
全身脱力してますので魂は蒸発寸前なのだよ憂愁の君。
となってしまうその豹変ぶりなどはまさに前代未聞の
陽炎消之助くんでございますだ。
こんな様子を文面だけ読むとですね、まるで五島君は、
「トランスフォーマーですかい?」
と捉われがちになってしまうのですが、しか~し、
そう安々と劇画チックに流してしまわないのが、
吉岡くんですだば。
名優じゃけんのぉ~。
んふ。
んっふっふ~。
ふふふふふぅわぁ~はっっはっはー! 
また来週―!

なんて書いている場合じゃないのだったわよ。
元い。

2004の時も感じたことなのですが、
2006では殊更に、コトー先生は
半透明っぽい。
なんつーか、全体的に、その在り方が、
どこかひっそりと人知れず、
天に吸い込まれている。
みたいな雰囲気がそこはかとなくするですばい。

診療所の屋上へと一人で階段を登っていく姿を見るたびに、
もしかしたら五島くんの本当の居場所は、
切ないくらい澄みきったあの空に近いところにあるのではないだろうか?
なんて思ってしまってこっちも切なくなってしまうのどすえ。。。
ぶひっ。(←泣いているらしい。秋なので。)

んが、こんな儚き君な印象を全体的に与える人である一方、
しかしコトー先生の心はしっかりと島民の一人一人と繋がっているですだ。

ここでぃす。
ここなのでぃす。
こりが吉岡味じゃでたまらんっす~シャバダバダ~。
と、私なんぞは思うわけであり。

透明なのに、その存在感には厚みがあり、
とても儚そうなのに、えらく侠気がある。

この対極を成す要素が吉岡君の生み出す感情作用によって
無理なくコトー先生の核へと符合されているのだと思うわけで、
まったくこれだから吉岡君ったら・・・フッ。
たまらんぜよ。

コトー先生の医者としての腕は、超人ハルク並ですだば。
そしてコトー先生の人柄も、ナイチンゲール級なのだと思われ。
でも五島くん自身は、超人でも聖人でもないわけで、
あくまでも人間でありますだ。
決して既成の鋳型へとその人物像を流し込まない吉岡君。
わ~んだほ~なのだべり~まっち。

人間であるということを演じることは、もしかしたら
超人や聖人を演じることより断然難しいことであるのかも
しれないですねぃ。
人間だから排斥できない様々な自感情が
その内面に渦巻いているわけで、人間だから、
人間としての我意に葛藤し、しかしそれを
決してないがしろにせずに内包し咀嚼しながら、しかし
対する人へと解放する感情は芯から真っ白であり続ける五島くん。
苦悩、懊悩しながらも、すっと遥かに透き通り、
透き通りながらも島民一人一人の心の中にその存在をしっかりと
宿らさせてしまえる五島くんはやはり、
奇跡な人なのだと思うわけであり、
そうした人物を生み出す吉岡くんという人は、そうだわ、
そうよねそうなのだからそうなのよーっ、
奇跡なのだ。
極上やで、吉岡く~ん。

吉岡君は「宿る」ことのできる役者さんなのかも
しれないですたいね。

演じるその人物に宿る。
その作品に宿る。
その作品を観る人の心に宿る。

ハッ、こりはもしやっ?!
北の宿からの法則なのか?
あなた変わりはないですか? 
日ごと寒さがつのるのよ~吉岡く~ん
元気ですかーっ?! って、いやちょっと待てよ、
吉岡君は南の宿もどんどこいなのだ。とすると彼は、
「ニッポン全国ずずずい~っとどんとこい」、略して
ポンず君だったのねーっ。
どうりで素材に味を効かせる人だと思ったのだ。
まいったねぇ~。惚れるじゃねぃですかい、吉岡く~ん、
んきゃ


もちろんコトー先生に限っていうことではないけれど、
吉岡くんの演じる人物には、
そこに徹底したその人個人の体温が宿っているですね。
だからどの角度から切り込んでいっても、
その人物の核は絶対に揺るがないのだと思うし、
その礎が観客に安心感を与え、そしてその安心感が
彼の安定した演技力と相俟ってストーリー全体を
ひっぱっていくのだと思うです。

映画やドラマは観る人一人一人のものであり、
その意味意義は多様性に富んでいるものだから、
そこに役者さんがやたら滅法に色を塗りたくって
「見たれぃ。」と高みから押し付けるのでは、
それは確かにインパクトにかけては効果大やね、
とはなるかもしれないけれど、しかしそこには
観客と同じ目線で見渡す地平線はないと思うし、
そうなると結局、その作品はやがて記憶の中へと埋没していく
「過去の産物の一つ」へと化していってしまうのだと思うです。

吉岡君は、観客と同じ呼吸音で「そこ」にいてくれるですだ。
人は生きている限り呼吸をしていく生き物であるわけで。

彼の演じる人物には普遍性が宿っており、
それは微かに振動している共鳴波であり、押し付けず、
呼吸する空間を与えてくれるその器の部分に、
観客は感知し、響応し、安心しながら各々の気持ちを委ねられ、
そうした相乗作用によって、その作品は
高みに上がっていくのだと思うでぃす。

観る者を裏切らない役者さんとは、
こういう人のことをいうのだと思うし、
それが真の主役、即ち真のストーリーテラー
なのだと思うでありますです。
これが真の牽引者というものなのだわ。
頼もしいじゃねぇですかい、吉岡くんってばよぉ~、
はぁ~もうほんとに・・・・・
べらぼうにかっちょええぜぃっ!!!

って話が横に逸れてしまったですばい。

吉岡君の生み出す人物からは、
両端から中心へと向かって放散していく
エネルギーみたいなものがあると思うとです。
それが一番顕著に現れていると思ったのが、
話題があっちゃこっちゃ飛んで申し訳ないのですが、
「続・三」での、茶川さんが酔っ払って
自宅に帰ってきてからの一連の演技でぃした。
あれは崩壊ギリギリの限界感と、そこを掠めていく
緩んでほぐれてしまいたい気持ちのその対感情が、
それぞれの感情の両端から、茶川さんの核の中心へと
ぐぐ~っと引き寄せられてやがて孤独へと終局していく様が
も~う観ていて痛いほどひりひりりんと伝わってきて、
えらく切なかったとです。
でも切ないけどちびっと笑えてしまえるわけで、
笑えちゃうけど、胸がしめつけられるわけで、
切なさと滑稽さの重さと軽みが絶妙な兼合いでもって
脈打っているのでございますので、おぉっ、
これぞ吉岡っ!!! 

と心底思ったです。
くはぁ。
唸らせるね~吉岡く~ん。ちょっと言っていい?
好き。 (←控えめに言っているらしい。)

両極に対峙する複雑な感情を、
自然の成り行きの一つとして表現できる吉岡君は、
いやそれはもう「表現」という枠などからはとっくに
逸脱しているものなのかもしれないですねぃ。
一つの吐息も、一つの眼差しも、
それらは確かに彼の体の中に流れる血に宿っている
一つの真心なのかもしれないですだばぁ。

なんてなまとまりのない想いを巡らせていた
今日この頃の私でありまする。

秋だわ。
コメント (4)
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