「国際結婚ってどうなの?」
と友や親戚、知人、並びにその他一同の方々から
度々聞かれるのでありますが、基本的に結婚というものは、
国際だろうが国内だろうが町内だろうが幕の内だろうが、
そこに大きな違いはない思うであります。
結婚とは、違った環境で育ってきた者同士が生活を共にする、
ということなわけであり、つまるところは、互い同士の探求の旅
なるものに近いのかもしれない。
などと思う私でありまする。
それまで違った環境で育ってきた者同士が営む結婚生活でありますので、
そこには大小様々な違いが生じるのは当然でありますでぃす。
我が家の場合、その違いが顕著に現れるのが食生活でありまして、
これはもう違いを通り越して、珍事件であります。
例えばある朝のこと、
「大変だよっ、冷蔵庫が壊れちゃったぁっ!」
というジャイアン(旦那くん)の叫びに起こされて、
「えぇえええええーーーーーっ?!」
と急いで飛び起きてキッチンに行き冷蔵庫を開けみると、
何の異変もないであります。
私 :「おい、君。今日はエイプリルフールなのかい?」
ジャ:「違うよっ、ほらちゃんと臭いをかいでみて! 異臭がするでしょ?」
私 :「え? クンクンクンクンクンクンクンクンク~ンってあたしゃ
刑事犬カールかいな? 異臭なんかしなくてよ。」
ジャ:「するよするよ~、ほらここらへんからっ!」
ジャイアンがヒシッと指差すものを見てみると、それは
私 :「キムチじゃないかっ!」
ジャ:「オモチ?」
私 :「オモチでねぇのだっ、オモチャっ!」
ジャ:「カトチャ?」
私 :「カトチャじゃなくて、加トちゃんっ!
ってお主なんでそんな日本語を知っているのだっ?
いいかね、これは古代百済から伝承されたれっきとした食べ物なのだっ、
てくだらないことを朝っぱらから言ってしまったじゃないか。」
ジャ:「お願いだから英語で言って~。」
私 :「わちゃどぅーいんぐ?」
ジャ:「え?

私 :「え?

6時3分夜明け前と告げているではないか?
何をやっておるのだこんな時間に?」
ジャ:「夜明け前じゃないよ、夜明けあ・と。」
私 :「小さいことにこだわるなんて女々しいぞ。
いいかい、朝一番早いのはパン屋のおじさんと相場は決まっておるのだ。
ウィッキーさんだってこんな早朝から人に迷惑はかけたりしないぞ。」
ジャ:「ウィッキーさんてぇ~(注・さんで、といっているらしい)
ウッキウッキ~。」
私 :「手裏剣投げたろかっ?!」
といったような珍事件には事欠かない我が家でありまする。
こういった食生活の違いはあるものの、
しかしジャイアンくんは白米が大好きであります。
日本での結婚披露宴の席上で、
「お相手の作る一番好きな日本食は何ですか?」
と質問されて、
「しょーゆライス(醤油ご飯です)。」
と満面の笑みで答えて、私の両親を思わず涙目にさせてしまった
という経験の持ち主でもあります。
またある時のジャパン訪問時には、
白米だと思って喜んで手にしたお椀の中身が、
ジャ:「なにこれーーーーーーーーーっ?!」
私 :「え?」
ジャ:「なになになにこのミクロイドフィッシューーーーーーっ?!」
私 :「シラスじゃよ。」
ジャ:「全部のミクロイドアイズと目が合っちゃったよーっ。」
私 :「ええではないか。御頭付きなんだから目出度いのだ。食べるべし。」
さすがにその時は、祖国に今すぐ飛んで帰りたいと思ったらしいであります。
この異食文化における珍事件の最新版は、
去年の秋に帰国した際に起こった、
「ジャイアン回転寿司に行くの巻」でありました。
なんやかんやの日本訪問の歴史も
その秋で10周年を向かえたジャイアン君。
彼に残された未経験ジャパンカルチャーは何なのか?
と、家族と共に眉間に8㍉程の皺を刻ませて考えた結果、
浮かんだのが「回転寿司」。
ジャ:カイテンスシってなーにー?
私 :回転寿司とは、お寿司くんたちが、皿に乗って回転しているのだ。フフ。
↑ ↑ ↑
ジャ:カイテンスシとは、 スシが 皿の上で自転しているのか。 おぉ。
以上のように彼の脳内では、回転寿司、それは即ち、
オルゴールの蓋をあけると、エリーゼのためにの曲にのって
バレリーナ人形がクルクルクル~と回転盤の上を回るように、
お寿司も皿の上で回っているもの、なるほど。
とお店に着くまでそう思っていたらしい。
そんなわけないのだ。
さて家族一同で回転寿司レストランに向かった私達でありますが、
行ったその日は敬老の日だったためか、店内はてんやわんやの大繁盛!
しかし40分も待ったかいあって、無事にテーブル席をゲットし、
うっきうき~で回転テーブル側に坐ったジャイアン君。
ジャ:「どれでも好きなスゥシィ~をとっていいの?」
私 :「そうじゃよアメリカン。どれでも好きなスゥシィ~を
ど~んと食べておくれぃ。」
とにかくその日は残暑厳しい一日であったので、
とりあえずみんなでビールを頼んでかんぱ~い!
私:「いや~暑いですわねぇ~日本の夏は~」
母:「去年の夏もこのくらい暑かったわよね~。」
姉:「やはり地球温暖化の影響なのかしら~?」
父:「日本の夏、キンチョーの夏だからね~。」
などと話している間にも、ジャイアンのお目めは
流れ動く回転テーブルに釘付け状態。
「どれがいいの? 僕がとるからね。どれが食べたいの? ねぇ、ねぇ?」
とひっきりなしに聞いてくるので、ぬぅぁ~んもぉ~~~っ、
「あれと、それと、これと、ざっとと、でぃすと、ぜぁ~」
と、とりあえずジャイアンをなだめた後、私は家族との会話にカンバック。
「ふふふ、あ~だこ~だのなんたらかんたら、あははは~。
ねぇ、ジャイアンくん? おや? 何かしら? え? って、
なぁ~んで寿司だけ回転皿から掴み取っているのだぁっ!?
どわぁあーーーーーーーーーーっ?!」
茶摘ですか?
「どっしぇーーーっ!?」←ちなみにこれは家族のリアクションであります。
回転テーブルに視線を移すと、そこには空のお皿たちが
まわってまわってまわぁ~るぅうううぅ~う~♪
我が家のテーブル上にはお寿司くんたちが小さなお皿に山盛り。
積み木かよ?
ジャイアンよ、君は席が空くまで待っていた40分間、
一体何を見ていたのだ?
食い逃げ罪でつかまらなくてよかった・・・・・・。
という、そんなこんなの珍事件でありました。
はぁ~~~~~、どっこいしょ。
まぁ~結婚生活なので、色々あるでごぜいます。
しかしよくよく考えてみると、
長~い間他人同士であった二人が出会い、
恋に落ち、そして結婚をするということは、
ものすごく奇跡なことであり、
そして違った環境で育ってきたその二人が、
そこから新しい生活を共に育んでいくということは、
もしかしたらとても大変なことなのではないのだろうか?
などと思ったりするであります。
しかし、その大変さを一旦考え出してしまうと、
そうだわ大変なのよっあぁ大変なことをしている私は
大変に大変なんだわっ、大変だーっ!!!!
という状態に陥りかねないので、
そんなことはあまり深く考え過ぎない方が、
心にもお肌にもよろしいのかもしれないですねぃ。
旅にハプニングはつきもの。
だからこそ旅は面白いのかもしれないですばい。
などとぼんやりと考えていた今日の私でごぜいます。