月のカケラと君の声

大好きな役者さん吉岡秀隆さんのこと、
日々の出来事などを綴っています。

吉岡刑事物語・その27

2009年07月27日 | 小説 吉岡刑事物語





夢を見ていた。
僕はベッドの中で眠っている。
どれくらいこうしているんだろう、
夢の中でも眠っているなんて、
よほど疲れているのかもしれないな・・・。
眠っても、眠っても、
眠りの淵から抜け出せなくて、
瞼を開こうとしても、
重たくて気だるくて
目が開けられないんだ。
体の熱も、呼吸の痛みも、
錘にひっぱられるようなだるさも、
僕の気持ちとはまるで別のところで叫びを上げていて、
心とは別々になってしまったみたいだった。

もう・・・駄目なのかな・・・・・・

遠くで、食器を洗う音がしている。
それから、誰かと誰かの低く、くぐもった話し声。
それは夢の中の声なのか、
現実から聞こえてくる声なのか、
朦朧とした意識の中で混乱し、
ごちゃまぜになっていた。

僕は、どうしてしまったんだろう・・・・

誰かの足音が、眠っている僕のもとへと
静かに近づいてきた。

起きなくちゃ・・・

僕は目を瞑ったままベッドから起き上がろうとするけれど、
なのに体の中心が溶けてしまったようにまるで力が入らない。

起きなくちゃ・・・

体を持ち上げようと一つ息をするたびに、
一つ意識が遠ざかってしまう。

起きないとだめなんだ・・・・

なんとか起きあがろうとする僕の体は、
そのたびに、
誰かの手でそっとベッドに押し戻されてしまう。

約束が・・・・

ありったけの力を振り絞って体を持ち上げた瞬間、
そこでぷっつりと糸が切れたように、
また深い眠りに引きずり込まれた。

落ちていく・・・・

睡りの中の睡りは、
ほの暗く、
底がない。

落ちていく・・・・

ただすーっと、
睡りの底なし井戸へと僕は・・・

落ちていく・・・・・

落ちて・・・


どこからか風が吹いていた。

夢の浮橋を渡っていく冷たい風は、
熱った僕の頬の上も掠めていって、
とても心地がよかった。
そよ吹く透明な風にはほんの少しだけ、
木の芽立ちの匂いがする。

もうすぐ春がくるんだ・・・

春になったら海に行こうって
約束していたんだ、
筒井と、ハギと。

春になったら・・・・・

額に置かれた何かが、ひんやりとした温度に変わって、
閉じている瞼の前で、懐かしい香りが、
ふわりと揺れた。
それはとても心が安らぐ匂いだった。
柊木犀の芳香にも似ているけれど、
でももっとずっとやわらかくて・・・
ほのかな石鹸の香りを含んでいて・・・・・

さっちゃん・・・

君の香りだ。

「さっちゃん」

やっと開けた目の先に、懐かしい微笑があった。
いつのまにかベッドの横に持ち込まれていたダイニングチェアーに、
彼女はそっと腰を下ろしていた。

「もう少し眠っていたほうがいいわ」

夢現の僕に、彼女は微笑みながらかすかに頷いた。

「ゆっくり休まないと。まだ熱が高いのよ」

「いてくれていたんだね・・・」

彼女はシーツをそっと僕の肩にかけなおして、
それから少しだけ寂しそうな目で僕を見つめた。
黙っている彼女の後ろで、
光と風を含んだレースのカーテンが、
白く小さく、さざ波のように揺れている。

「ありがと・・・」

僕の言葉に、彼女はくすっと笑った。
僕の大好きだった笑顔だ・・・

「いつもそうね、吉岡くん」

吉岡くん、と言った彼女の声が、
雲間から差し込む陽だまりのように、
僕の心の中に温かく広がっていった。

「どうして?って理由を聞かないの。
のみ込んじゃうのね、どんなことも。
いつもそうなの」

笑みを深めてそう言った彼女は、
しかしふと何か思いついたように、

「いつもそうだった」

と言い直してまた黙ってしまった。
浮かんでいた笑顔は、吹いていく風に
さっと連れ去られてしまう。

「さっちゃん、」

僕は彼女の名を呼んだ。
伏せていた彼女の目が、
再び僕の顔を見つめ直してくる。

「さっちゃんは・・・」

「・・・・?」

「サチっていうんだ、ほんとはね?」

「なによそれ」

彼女は軽く笑いを吹き出した。
その顔に明かりが再び戻ってくる。

「そうよ。サチっていうのよ、ほんとはね」

白く細い彼女の指が僕の額に伸びて、
のせてあったタオルを取った。
サイドテーブルに置いたボウルに浸したタオルを、
その手がぎゅっと絞る。
ボウル一杯に入った氷が、カラン、カラン、と
涼しく清潔な音をたてた。

「眠ったほうがいいわ」

冷えたタオルが額に当てられて、
心地よさに僕はまた瞳を閉じそうになった。

「眠らなくちゃだめよ」

子守唄のように聞こえてくるその声に、
僕の意識はまた遠のいていく・・・・・


ふっと目醒めた部屋の中は薄暗かった。

ベッドの脇に置かれた椅子の背はぽつんと闇に透き、
きちんと閉められた厚手のカーテンの向こうは、
宵の漆黒が息を潜めていた。
ついさっきまで部屋にまどろんでいたはずの冬の白い日差しは、
さっちゃんの姿と共にどこかへ消え去っていた。
僕はベッドの脇に置かれた椅子を再び見つめた。
そこにあった彼女の懐かしい香りは、あの微笑みは、
どこにもなかった。

やっぱり夢だったんだ・・・・

僕は目を閉じた。

彼女がここに来るはずはない・・・

瞼を閉じた僕の横に、人の立つ気配がした。

「どうだ、気分は?」

開いた目の中に、筒井が立っていた。

「筒井・・・」

驚いて呟いた僕の顔を確認するように見つめながら、
筒井はベッド脇の椅子に無造作に腰掛けた。

「ぶっ倒れてたんだぞ、玄関先で」

「え?」

「え?じゃねぇだろう。何度携帯に連絡しても繋がらないから
ここに来てみたら、ドアに鍵もかけないで玄関の横の壁に凭れたまま
ボロ雑巾みたいにぶっ倒れてたんだ。あまり俺を怒らせるな」

「ごめん・・・」

「ごめんで済むならお前の仕事は用がないだろう」

筒井は憤慨と安堵が綯い交ぜになったような顔で言うと、
手に持っていた飲みかけのコーヒーカップをサイドテーブルの上に置いた。

「来てくれてありがと」

筒井は黙ったまま、テーブルの上の時計をじっと眺めている。
表には決して出さない疲れが、緩めたネクタイの結び目から
じわりと伝わってきた。

「もう大丈夫だよ」

赤く浮き上がったデジタル時計の数字が、
ピッと12:00を表示して日付を変えた。
今日が、また始まる。

「ヒデ、」

時計に目線を据えたままの姿勢で筒井が呼びかけてくる。

「ん?」

「約束って、何なんだ?」

「・・・・・?」

「熱にうなされながらうわ言のように言ってたんだ、
約束があるから起きなくちゃいけないってさ・・・」

そんなことを言っていたなんて、
僕はもちろん覚えていなかった。

「さっちゃんの親父さんのことか?」

筒井が顔を向けて訊いてくる。

「そうなんだろ?」

筒井は透かすように僕の顔を見た。
僕は言葉につまってしまって返事ができなかった。
筒井もそれきりまた黙り込んだ。
暫くの間、僕らは暗闇の中で黙っていた。
しん、と静まり返った部屋は、
行き場を失った互いの疼きが、波に漂う夜船のように
沈黙の波の上をゆらゆらと漂っているみたいで、
やるせなかった。
筒井はベッドの横で、膝の上で組んだ両手を
じっと睨むように見据えている。
僕はもう一度、力を振り絞ってベットの上に起きあがった。
咄嗟に手を貸そうと伸びた筒井の手が途中でぴたりと止まって
元の場所に戻っていった。

「ずっと考えていたんだけど・・・」

たったこれだけの動作をするのにもひどく目眩して、
僕はベットの背に凭れかかった。

「もしかしたら人は、それぞれの約束事をその手に掴んで
この世に生まれて来るんじゃないかなって・・・」

肩息をついてしまいそうになるのを堪えながら、
僕は言葉を継いだ。

「生まれるとき手に掴んできた約束事?」

筒井が聞く。

「うん・・・。人はその約束事を果たす為に
生きているんじゃないかって。その約束事には、
大きいも小さいも偉いも貧しいもなくて、
すべての人がみな大切で大事であるように、
生まれ掴んできた約束もまたそれぞれに
大切で大事なことであって・・・・。
でも知らず知らずのうちに、生きていく過程のどこかで
人はそれを見失ってしまうのかもしれなくて・・・。
だから・・・、」

僕はそこで息をつきなおした。
筒井は黙って耳を傾けている。

「だから、自分に託された約束事が何であるのかを見出して、
それを追いかけながら生きていける人は、
とても幸せだと思うんだ。
果たしていく約束の先には、新たな世界が、
きっと誰かの中に託されていくはずだから・・・」

そのことを・・・、と言いかけた僕の言葉は、
そこでふっと宙に途切れてしまった。
開いた寝室のドアの先、遠く眺めたキッチンシンクの上に、
コーヒーカップが一つ置かれている。
僕はしばらく呆然としてそれを見つめていた。
そんな僕の様子を、筒井が横から
じっと見つめているのが気配でわかった。
捉えた先の一点から視線を逸らせぬまま、
やがて僕は口の中で言葉を繋いでいた。

「そのことを・・・」

パステルオレンジのそのコーヒーカップは、
ずっと長いこと使われることがなかった、

「そのことをずっと・・・」

もう使われることはないだろうと棚の奥にしまっておいた、

「ずっと考えていて・・・」

さっちゃんのコーヒーカップだ。

胸に急激な鋭い痛みが走って、
僕はシーツの中にうずくまった。
呼吸が、苦しかった。

さっちゃん・・・、

ふわり、と体が一瞬浮かんで、
だらりと垂れ下がった頭が、
やわらかい枕の上にそっと乗った。

「いてくれたんだね・・・」

ああ、と筒井の頷く声が遠くで聞こえたような気がした。

「ここに・・・」

「眠るんだ、ヒデ」

瞳の中の光がかすんで、
小さく・・・小さく・・・
遠のいていく。

「いてくれていたんだね・・・」

「ああ。さっちゃんはずっとお前の横にいたよ・・・」

「よかった・・・」

会えたんだね・・・

そこでぷっつりと意識が途切れた。





つづく
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花明かり

2009年07月16日 | 思うコト



夏でございます。

お暑うございますわね~、おほほほほ。
ほんとうですわね、さ、いかが?
チリン、と風鈴の音。

なんて、井村屋の水羊羹を食しながら優雅に語っている場合では、
ござりませぬのよ、奥様。
もうっ、暑いっ!!!
何なのでござるか、この暑さはっ、けしからんぞう! ほんまにもう、
「なにもそんなに根性入れんでもっ、そこの君!」
と灼熱の太陽を指差してダメ出ししてしまうくらいの暑さでございますの、
こちらロスも。
その暑さはですね、例えて言えば、
軽自動車にお相撲さんが8人乗ってちゃんこ鍋を食べていた。
ごっつぁんですっ! とでもいいましょうか、もしくは、
あっづぅぅうううわああああぁぁぁぁあああああぁぎぃぶあーーーっぷっ!!!
と砂漠で絶叫しているラクダのような暑さでありまして、まったくもって、
よくわからない。
でも暑いのさ。
夏ってやつだね。
ああ青春だ。

そんな暑さでございます。

はぁ~いやだよぉ~あっちぃ~のはねぇ~くわばらくわばら。
真夏生まれのくせして、暑さにはとことん弱いあたくしでございますが、
んもうっ、とにかく暑くって湯たんぽ妖怪みたいであってよっ、
どうしてくれるのっ、困っちゃう! 
と嘆いているのは何もわたくしだけではありますまい。そんな、
「世界共通リンダじゃなくても困っちゃう連合会」の皆様、
こういう時こそ、心のオアシス、吉岡くんでございます。それでは久々に、
オアシス運動をば。

㋔お、君よ、

㋐っとびっくり、

㋛ごとをしていて、

㋜ばばばば~ん!


吉岡くん・・・・・・・・、


 (←どうやら何か堪えているらしい)


吉岡くん・・・・・・・・、


 (←さかんに耐えているらしい)


さいっこうだぁっ!


しかし叫んでしまった、ついでに古典的に言うと、
扇風機が田んぼで棒って感じよっ、それはすなわち、

ファンタスティック!!!

あ、

体温がよけいに上がっちゃったわ。

いやそんなことより、吉岡君が仕事をなさっているのだっ、
うわおぅっ、今年は大漁じゃねぃですかぃ、祭りだねぃっ、いやっほぉ~いっ、
吉岡君の公式サイトをチェックしなくっちゃあ! ウッキィ~ウッキィ~
クリック、クリック、きぃやぁ~~~~~~~~~~~~~~~~っ、

全く同じだわ、

数ヶ月前と。

一気に涼しくなってよ、心が。

さすがのクールビズよね、吉岡くん、惚れるじゃねぃか。いやまてよ、
さりげスーパー星人の吉岡君のこと、もしかしたら
意外と何気にさりげに公式は随時更新されているのかもしれない。
トップ頁で遠く横を眺めている写真の、
あのぴょいぴょいって撥ねている髪の毛が、
二週間前は4束だったかもしれない。
今日は5束だった。
明日は6束になるかもしれず、気付かなかったけど
六ヶ月前は三束のQ太郎バージョンだったかもしれない。
「おばQなんだよね」
って吉岡君が言っていたかもしれなくってよっ、なんてことかしらぁ~~っ、
バケラッタ。
あのニュース頁の写真だって、だって、だって・・・・・・・・・・クラ。
ってなっちゃうのは毎度のことだけど、でももしかしたら、
あの組んだ長い足の角度が分度器0.3度くらいで違っているのかもしりない。
開いている台本のページが56Pから58Pに変わっていたりするのかもしれない。
だからなんなの?
って人は思うかもしれない。
でもいいのだっ、それが愛ってものよのうっ、うわあっはっはっはっは~!!!
でもやっぱりちびっと涼しくってよ。

なんてなことを言っているうちにきっといつの間にか
さらりとほんまに更新されているに違いないのだ。憎いねぇ、旦那ぁ、
たまらんのだよ、そのさり気なさがぁ・・・くぅ・・・くはぁっ、
大好きなんだよう、吉岡く~~~~~~~~~~んっ!!!!
もう、「愛!」って書いた熨斗つきのお包みを、
とうっ!
って日本に向かって投げたくなっちゃうくらい好きなのよっ、ってそれはねっ、
真心こもった夏のお中元です。
ってとんだ迷惑だろうけど。
すんません、鼻息の荒いファンで。


でもほんとに、公式の更新頻度に象徴されてもいるように、
えらくさりげないお方であります、吉岡くんってば。

なんていうか、吉岡君って、生き方に臭味がまったくなくて、
もうぶっちぎりでかっこええ!!!

さらっと、さりげな~~~く掴んだ心を空高く舞い上げて、
それまで気付けなかった風景、真新しい世界を、
次々と見せてくれるところなんて、魔法の絨毯みたいだわ。


吉岡君は、更なる高みへと確実にのぼっていく人だけれど、
けれどもやはり、人波の中にもきっといる、と、
安心させてくれる思いもずっとずっと変わらずに
抱かせ続けてくれる人でもあって。

自分であり続けながら、素敵に変わっていける人は
とても美しいと思う。


人の心の中にも、きっと種があって、
そこに沢山の花を咲かせられる人もいれば、
せっかく生まれ出た芽を枯らし続けてしまう人もいると思うです。

悩んだり、悔やんだり、貪欲になったり、傲慢になったりしてしまうのは、
生きているからこそ生まれてくる、ある意味不可避な感情であって、
それは誰もが持っている感情でありますばい。
けれどそれは不可避に湧き出てくる感情だからこそ、
きちんと見つめなければならないものなのであって、
その見つめ方によって、それらの感情は、花を育てる肥やしにもなれば、
栄養を横取りして枯らしてしまう雑草にもなりえてしまうわけで。
花を咲かせるのも、朽ちさせるのも、
結局は自分の選択次第なのでありますよねぃ。。。


吉岡君は、心に芽生えた一つの花を、
大切に大切に、じっくりと育てていける人なのかな、
なんて思ったりするであります。
心に育つ、たった一つの花を、美しく咲かそうと、
日々の生活の中で努力していける人なのかもしれないな、
なんて、
その純一無雑な姿を見ていると、
そんな思いが自然と心に浮かんでくるでありますです。


吉岡くんがいてくれて本当によかった。

大好き

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吉岡刑事物語・その26 / 後

2009年07月14日 | 小説 吉岡刑事物語




ザクッ、ザクッ、と雪面が掘り起こされている。
雨合羽を着込んだ数人の警官達が、
真っ白な雪に覆われた山間の片隅を黙々と掘り起こしている。
立ち入り禁止と書かれた黄色いテープがその周囲をぐるりと封鎖し、
眠りから覚まされた針葉樹たちが、
息を潜めながら、じっとその様子を見下ろしている。
木々の切れ間を覗く空は白く濁り、
そこから忍び込む灰色の霧雨が、
深い森の中に滲み込んでいた。
吉岡は木立の切れた獣道の脇に一人ひっそりと佇んで、
地面に厚く降り積もった雪が、
繰り返し、繰り返し
宙へと掻き出されていく様子を静かに見守っていた。

(ここなの。ここに絵理香ちゃんが眠っているんだよ)

数時間前、山村警部の運転する護送車で警視庁に連れ戻される前に告白をした発掘場所で
そう語っていた聡子の姿が、吉岡の心の底に深く沈んでいく。

(本当は誰にも教えたくなかったんだけど・・・)

膝の上まで入り込む雪の木立の中に立ったまま、
じっと指し示した場所を見つめていた聡子の横顔。

(吉岡さんにだけなら話してもいいって思ったんだ。
だけどそんなわけにもいかないよね。困っちゃうもんね、吉岡さん)

発掘作業を見つめている吉岡の髪に、睫毛に、白く透き通った頬に、
冷たい霧雨がしっとりと撫で下ろされていく。

(なんで謝るの、吉岡さん? 聞いてくれたのが吉岡さんで
本当によかったって思ってるんだ、私。だからね、)
 
微かに吸い込んだ空気が、冷たい錐のように入り込んで、
胸が痛んだ。

(ありがとう)

吉岡はそっと瞳を伏せた。
作業を指示する誰かの怒声が、耳の遠くで響いている。

(それから最後にもう一つ吉岡さんに、)

「なにやってんだ?」

いきなり話しかけてきた太い声に、吉岡は顔を上げた。
レインコートを羽織った中堅の県警警部が、
不愉快そうな顔をして吉岡の前に立っている。

「なにやってんだって聞いてんだよ。鑑識は県警の持ち場だ。
捜査一課のお偉いさんに用はないんだよ」

捜査一課の、と殊更強調しながら言った県警警部は、
吉岡の顔をジロリと睥睨した。

「エリートさんはさっさと暖房の効いた桜田門に帰れよ。邪魔なんだよ」

「すみません」

吉岡は頭を下げた。

「邪魔はしません。もう少し、ここにいさせてください」

「邪魔はさせねぇよ。当たり前だろうが」

せわしなく動き回る捜査員たちの足音が二人の周りに行きかっている。
深く頭を下げ続けている吉岡の背中に冷たい雨が吸い込まれていく。
県警警部は、そんな吉岡の様子をじっと上から見据えていた。

「警部、本部から無線です!」

山間入り口に駐車された警察車の中から呼び声が飛んできた。
県警警部は尚もじっと頭を下げ続ける吉岡の姿を無言で見下ろしている。

「警部、無線です!」

苛立ちの色を添えた再度の呼びかけが飛んでくる。

「風邪引いても知らねぇぞ」

県警警部は吉岡にそう低く言い捨てると、
その場から憮然と立ち去って行った。

(お願いがあるの)

再び蘇ってきた聡子の声に、吉岡はそっと頭を上げた。

(約束してほしいんだ)

託すように言ったその言葉と、
この場所へと案内する道すがら聞かせてくれた聡子の話が、
吉岡の心の中で重なり合っていく。

(約束だよ)

吉岡は、しっかりと前方を見つめなおした。



(私ね、高校には行かせてもらえなかったの。
うちはお父さんが働いてなくて借金だらけだったし、
お母さんがグランドホテルで仲居さんとして働くお金だけで食べていたから、
生活はすごく苦しくて。だから進路を決める中三のとき親に、
高校にいく暇があったら、少しでも多く働けって言われちゃって。
高校にはもちろんすごく行きたかった。自慢じゃないけど私、
中学では成績はいつもトップだったんだよ。将来は弁護士になりたかったの。
本気だったんだ。でもどんなに親に頼んでも夜間にさえ行かせてもらえなくて。
結局、中卒のまま三つ駅向こうにある車の部品工場に就職して。
一番辛かったのはね、工場に出勤する電車の中で、
同級生たちと毎朝顔を合わせることだった。
みんな真新しい高校の制服を着て楽しそうにしているのに、
私だけ工場の作業服なんか着てて。
どうしてなんだろうって、どうしてなんだろうっていつも泣いてた。
どうして私だけ、どうしてこんなにも不公平なんだろうって・・・。
でもそんな気持ちをまともに聞いてくれる友達なんて一人もいなかったし、
両親は私のことなんて産まなければよかったっていつも言ってたから・・・。
“お前がいるせいでこんな不幸な目に遭っているんだ”って、
お母さんはいつも私にそう言ってて・・・)

吉岡は、冷え切った両手をそっと握り締めた。
八年前に突然姿を消した聡子に対しての両親からの捜索願は、
一度たりとも警察に届け出されていない。

(だからね、別の人生を生き直したいって思うようになって。
自分の存在を全部消し去って、誰にも邪魔だなんて思われない、
全く別の人としての人生を生きられたらって・・・。
理解できないかもしれないけど、でもね、
本気でそう思うようになってたんだよ。そんな時だったの、
絵理香ちゃんに出会ったのは。
五月の半ばだった。「どうしたの?」って、
駅の改札口で泣いている私に話し掛けてきてくれたんだ。
すごく綺麗な子だなって思った。
都会の子なんだなって、すぐにわかったよ。
ここは小さな温泉街でしょう、田舎町だから、
そういう人たちにはみんな敏感なの。
うん、一人で駅に来てたの、絵理香ちゃん。
ブランド物のショルダーバッグを一つ持ってただけ。
その場で会ったばっかりなのにね、
すごく親身になって私の話を聞いてくれようとしてて。
それは嘘の気持ちじゃないってすぐにわかったよ。
だってそういうのって分かるでしょ。
そう、すっごくいい子だった、絵理香ちゃん。
友達になりたいなって自然と思わせる子だったんだ。
明るくて、キラキラしてたの。すごく、すごくキラキラしてた。
同い年だったし、その場ですぐに打ち解けあえたよ。
それでお互い色々な話をしたの、その時。
うん、楽しかったよ。あんなに人に心置きなく話が出来たのは、
生まれて初めてだったから。
絵理香ちゃんには自分の気持ちを素直に全部話せたんだ。
全部、本当に全部話せたし、話したいって思ったんだよね。
聞いてもらいたいって。だからね、
「生まれ変わって別の人生を生きたいんだ」なんて気持ちまでも、
すんなりと話せちゃったんだと思う、絵理香ちゃんには)

霧雨が雪へと変わっていた。
重さに耐え切れなくなった杉の小枝から、
降り積もった雪の塊が、
ばさっと音をたてて雪面に落ちていった。
空に舞った氷花のひとひらが、
佇む吉岡の肩の上に儚く沈んで消えていく。

(「だったら私の人生を生きればいいよ」って言ったの、
そのとき絵理香ちゃんが。
もちろん冗談だと思ったよ。でもね、全然冗談じゃなかったの。
本気だったんだ、絵理香ちゃんは。
「私もう生きるのをやめるから、使っていいよ」って本気で言ってて。
「死んじゃうつもりなの?」って聞いたら、「うん」って。
だめだよ、そんなことしたらだめ、って私何度も言ったんだよ。でもね、
「もういいの」ってそれだけ明るく答えるだけで・・・。
不思議なくらいすごく明るかったんだ、絵理香ちゃん・・・。
それでそれから私に地図を描いて渡してね、
次の日の夕方、その場所に来て欲しいって言って。
それでその後、絵理香ちゃんは普通に上り電車に乗って
東京に戻って行ったの。だからね、悪い冗談だと思って
本気にしてなかったんだけど、でもどうしても気になって仕方なくて、
それでね、次の日仕事が終わってから、その場所にいったんだ。
そしたらね、そこにいたの、絵理香ちゃん)

雪が重みを増していく・・・

(土の上に横たわってた。左の手首から先が真っ赤で・・
もう冷たくなってた・・・。
全然・・・・安らかじゃなかったよ・・・。怖かった。
悲しいっていうより、とても怖かった。
自ら死を選ぶってこういうことなんだって、
その時はっきり感じて・・・。
だって空っぽだったんだよ、ほんとうに何もないの。
空洞だったんだ。
死ぬっていうことは終わっちゃうんだ、
本当に空になっちゃうんだって思って・・・
すごく怖かった)

低く立ちこめた雪雲が、空と地の境を融け合わせて、
時の感覚を失わせていく。

(絵理香ちゃんの遺体の横にね、
私宛の手紙が二通置いてあって・・・。
一つめには、静かな森の中で眠りたいから、
自分の体をここに埋めてくださいって書いてあって、
もう一通の中には、戸籍謄本と、住民票が入っていたの、
絵理香ちゃんの。
使ってね、って書かれた小さなメモと一緒に・・・)

静寂の底を覆い包んでいく雪に、
吉岡は静かに降られつづけている。

(それからずっと私、一生懸命生きてきたよ。
絵理香ちゃんが手渡してくれた分も、一生懸命生きてきた。
大検を取ってね、通信だけど大学も卒業したし、
やりたいことには全部挑戦してきたよ。でもね、
不思議に思うかもしれないけど、ずっと由布絵理香として
八年間を生きてきたのに、中身はやっぱり自分なの。
中島聡子なんだよね。自分は絵理香ちゃんになったんだとは、
一度も思わなかった。うまくいえないんだけど、だからこそ、
一生懸命生きなくちゃって思ったんだ、絵理香ちゃんの分も。
ずっとずっとそう誓いながら、私、今まで一生懸命生きてきたの)

吉岡の瞳が切なく翳っていき、

(絵理香ちゃんの命日には、毎年必ずここに来てたんだ。
お菓子とジュースと花の種を持って。ここは寂しい場所だから、
お花を植えてあげようと思って、毎年花の種を植えていたんだけど、
でも育たないんだよね)

降りしきる雪の中へとその心が沈みこんでいく。

(どうしても育たないの)

「吉岡君、」

不意に呼びかけられて吉岡は振り返った。
いつの間に来たのか、堺が背後に立っていた。

「ごめん、待たせちゃって」

「もう戻ろう」

振り返った一瞬の吉岡の瞳の表情にやるせない切なさを感じながら堺は言った。

「風邪をひくよ」

「うん」

少し微笑みながら頷いた吉岡は、
しかしそこから動こうとはしなかった。
舞い降りる雪に降られたまま、
じっとその場に佇んだままでいる。

「吉岡君、」

堺は促す。

「もういいじゃないか」

堺は頼まれてこの場所で待っているわけではなかった。
自分から吉岡と一緒に本庁に帰ると決めて勝手に待っていただけだった。
冷え切った空気の中、じっと、いつまでも、
掘り返される現場に寄り添うように佇んでいる吉岡を、
堺は放っておけなかった。

「充分だよ、吉岡君」

うん・・・ともう一度呟くように頷いて吉岡は、
失くした言葉を探すように遠くを見つめた。
瞳が、ふっと雪の中に遠ざかる。

「吉岡君、」

咄嗟に呼び掛け直した堺に、
すっ、と吉岡の瞳は戻ってくる。

「帰ろう」

「ごめん、あともう少しだけ・・・」

と言ったまま吉岡は一瞬ふと表情を止めて、
そのままふらっと前方に揺らめいた。
慌ててその身体を支えた堺の顔が、
驚きの表情に固まった。
スーツの上着の上から掴んだ吉岡の両腕から、
それとはっきりわかるくらいの熱が伝わってくる。

「吉岡君・・・」

堺は吉岡の顔を見やった。
その頬が蒼白なまでに透き通っている。

「熱があるじゃないか・・・」

吉岡は微笑んだだけで何も答えず、

「ちょっとお腹すいちゃったのかな。朝から何も食べてなかったから」

と言って堺に支えられていた体を真っ直ぐに立て直し、
ありがとう、と礼を言って笑いかけた。

「もう帰ろう」

堺はその笑みを遮断するような口調で言った。

「大丈夫だよ」

「どこが大丈夫なんだ? 熱があるのは明らかだろう」

「平気なんだ。堺君のほうこそ風邪引くよ」

「なに言っているんだ。早く帰ろう」

「ごめん、あともう少しだけ」

吉岡の顔から笑みが引き、その頭がぐっと下がった。

「頼む・・・」

冷たい雪が吉岡の背中に降り積もっていく。
その背中はそこから一歩も動く気配を見せない。

「・・・わかった」

やがて堺は言って吉岡の横に並んだ。

「それなら僕も付き合うよ」

顔を上げ何か言いかけた吉岡に、

「君の相棒だからさ、当然だよ」

と堺は答えて視線を前方に向けた。
吉岡は黙って堺に頭を下げ直した。

(約束だよ)

聡子の声が心に蘇ってくる。
顔を上げなおした吉岡の視界に、
必死に土を掘り返している警官たちの姿が、
厚い雪の垂れ幕に影絵のように揺れていた。
吉岡は前方を再びしっかりと見つめ直した。

(絵理香ちゃんと一緒にいてあげて)

ガリッとスコップが地表に当たった音がした。

(掘りかえされちゃったら可哀想なんだ)

純白の雪面に、掘り返された黒茶色の土が覆いかぶさっていく。

(だから絵理香ちゃんが掘り返されちゃうときに)

発掘にあたっていた警官の一人が、
後方に振り返って何か大声を上げた。

(その場に一緒にいてあげて)

四方に散らばっていた県警の刑事たちが、
一斉に発掘場所に向かって走り出して行く。

(約束だよ)

吉岡の瞳がぎゅっと潤んでいく。

(可哀想なんだよ、掘り返しちゃったら)

そう言った聡子の悲しそうな横顔が、
絵理香の眠る場所に被さって浮かんでいく。

他人になりすましてまでも生きていきたかった少女と、
他人に自分の人生を渡すことさえ厭わずに死を選んだ少女。

罪は・・・

どこにあるのだろう・・・

(その場に一緒にいてあげてね)

ザクッとスコップがまた一つ、

(絵理香ちゃんと一緒にいてあげてね)

ザクッと地中に食い込んでいく。

(だって絵理香ちゃんはね、

ずっとあそこに眠っていたかったんだよ)


やまない雪が、暗い森の中に降りつづいている。





つづく
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時の実り

2009年07月01日 | コトー先生





とても不思議なことなのでありますが、
ついこのあいだ、

あけましておめっとさ~ん!

民雄ぉおおおーーーーーーーーーーーっ!!!

堺さんと共演ですってぇええぇぇぇぃマチャアキじゃなくってよ~
マチャトンとなのよぉ~~~~~~~~ぃやっほぉ~~~っ!
なぁんて美味しいコンビつゆ、
ヤマサ♪
両方白だし。

クラ~~~~~。

なんて浮かれまくっていたら、
暦は文月、すでに七月でございます。

なんてことなのかしら、お主いつの間にっ?(←お主って誰?)
しかしなんともはや、
時の流れの速さとは不思議でございます。
そしてこの胸に去来する、
おいてけぼり感はなんなのでしよう?

今年こそは、「きちんとするのだ」と誓って早七ヶ月、
立派に「きちんとできないのだ」と周囲に言われている私は、
アホアホマンなのでしょうか、きっとそうだ、しょうがない、お父さん、
あなたの「万年常夏遺伝子」はしっかりと娘に受け継がれました、
あはあはあは~♪
ごめんなさい、お母さん。
来年からきちんとしよーっと。

なんてなことはどうてもいいとして、こうして改めて
2009年前半期・毎度雄叫んじゃったよ吉岡く~ん回数を
羅列してみると、意外に意外と意外なところで、

働いているのね、吉岡くん。

んきゃぁ~~~~~~~~~
ええわぁ~~~~~っ、そのさりげなさがたまらないのよぉ~、
かっこええよぉ~~~、最高っだぁ~っ、吉岡君、ひょっとしてあなたは、
サリゲ~マンなのですか?
んふゅ
ありがたや~~~~。


そだそだ、お友達から聞いたところによると、なにやら、
2006のコトー先生が再放送で(関東地方だけに?)
お目見えしているそうで、おめでたいことでありまする。
そうよ、そうよ、そうだったわ、思い起こせば、
2006のコトー先生は・・・コトー先生は・・・コトー先生は・・・
2003より三つ年取ってる。
って違くってよっ、いや事実なんだけど、でも言いたいことはそうでなくて、
2006年のコトー先生は・・・コトー先生は・・・コトー先生は・・・、
悩める美しき人だった。

コトー先生は、いつでも変わらない温かさをもっている人だけれど、
でもなんか、その温かさの印象が、2003と2006とでは、
ちょっと違うような気がするですばい。
なんというか、全体を通してみる2003の温かさは、陽だまり。
2006の温かさは、焚き火のよう。
ほんわかと人に降り注ぐ日の光と、
差し出された冷たい手を懸命に温めてあげる小さな焚き火、
そんな感じの違いがするとです。

とにかく2006のコトー先生は、
ずっとずっとひとりぼっちで悩んでいた、
そんな印象が強く残っているとです。

明かりを落とした診察室で、
自分の部屋で時にはラーメンすすりながら、
鳴海先生にブチっと電話を切られてしまいながら、
炎天下の中、けなげにチャリンコをこぎながら、
道ですれ違う人と明るく挨拶を交わしながら、
すいか畑でまたまた捕まってしまいながら、
悩んでしまっているその姿はとても一人ぼっちで、
深~く揺れる波のような懊悩が体全体に漂ってしまっており、
ついでにその横顔も深い、彫が。 美しい・・・。
んふぅ

悩むごとに、まるで何かから脱皮していくように
美しくなっていくコトー先生・・・。
最終回で、東京から帰ってきた後のコトー先生は、
天空から舞い降りた人みたいやった~。。。
風にたなびく白衣がまるで天の衣みたいだったよ・・・・
はぁ~~~~~~~~~~~~~~、もう、

「悩ませBefore → 悩んでAfter こんなに美しく変わりました♪」

って美容広告に出れてよっ、美しかぁ~~~~~~~。

吉岡君は、悩ませたらミス・ユニバース日本代表だと思う。


悩んでいる演技に限ったことではないけれど、
吉岡君の凄さって、その時々に見せる感情を、
漂わせていたり、醸し出していたりするのではなくて、
あくまでも、漂って「しまっている」、
醸し出されて「しまっている」、
というところにもあるのだと思うであります。

演じる人物が抱えてしまっている様々な感情が、
どうしようもなく、防ぎようもなく、渦巻く心の奥底から
体全体に浮き出されてしまっている、滲み出されてしまっている、
という感じがするです。

憶測の域をでないけれど、吉岡君は、演じる人物に、
きちんと寄り添える人なのではないのかな~って思うであります。
紙の上に作られた平面人物を、
自分の心の定規にむんぎゅと押し当てて、
そうして作り出した製品シールを
体面にペタと貼りつけて演技するのではなく、
脚本から読み込んだ人物の人間性をまず第一に尊重して、
その人物の呼吸音にきちんと耳を傾け、
その複雑な心模様に正面から向かい合いながら、
自分自身の心をその人物にふっと開け放して立体化させてあげる、
そんな強さ、大きな度量が、吉岡くんの演技の根底には
しっかりと流れているように感じられるわけで、
そしてその器はすなわち、
吉岡君の持つ美しさの土台のような気がしてならないとです。

美しいな、と思う人は沢山いるけれど、
美しいな、と感じさせてくれる人は希少でありまするだ。

吉岡君って、
外面の美しさに魅かれていく喜びを与えてくれるというよりは、
もっとこう、
内面から湧き出てしまっている美しさで
包み込むような幸福感を与えてくれる人、
っていう感じがするのでありまして、年輪の魅力を重ねる人なのだ、
バームクーヘンですの? 
確かに、流行に左右されない独自の味と香りで、
人を魅了し続けている人だわよね、チミってばぁ~ん。
んもぅっ、どうしてくれるのっ、惚れちゃうじゃないのっ!
とっくに惚れてるけど。


吉岡君は、きっと、
時に流されることなく、
時と一緒に実っていく人なのかもしりない。

んはぁ~っ、
たまらんとですばいっ、
吉岡く~~~~~~んっ、
好き。

大好きや。



コメント (7)
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