努力の方向が違う

ほとんどのビジネスパーソンは、レベルの差こそあれ日々努力をしていることだろう。
しかし世の中は変化しており、ゲームチェンジもされる。
それなのに、いまだに昭和の時代に求められていた素直で我慢強く協調性がある人材を願う風潮があるようだ。
ゲームはもはや野球ではなく、サッカーやラグビーもしかしたらRPGまで変わっているかもしれない。
ゲームが変わったのに、毎晩毎晩バットを素振りしていてもサッカーのゴールは生まれるはずがない。
本人たちがいくら努力をしていると思っても、その方向が間違っていては結果が出るはずもない。
APU学長の出口治明氏だ。

◆「飯・風呂・寝る」の生活から「人・本・旅」の生活へ
　平成の３０年間で日本の労働者の労働時間はたしかに減少した。
　だがその中身は、一般的に短時間勤務の非正規労働者が増えたせいであり、正社員の労働時間はさほど変化していない。
　正社員はこの労働時間に縛られ、新しい学びをする機会がほとんどない。
　この仕組みは、過去の製造業の工場モデルには適していた。
　
　反してGAFAやユニコーンは、どうなっているか。
　米国人と留学生の組み合わせ、ヒッピーありダイバーシティがあり、数学と音楽・物理学と歴史学などのダブルマスターも多い。
　こういった連中がワイワイガヤガヤやって、それが実行に移されユニコーンが誕生する。
　グローバルな企業競争は、競技のルールも変われば競技そのものも変わってしまったのだ。

　本人たちは一生懸命努力していても、それではゲームに勝てるはずがない。
　たくさんの人に会い、たくさんの本を読み、いろいろなところへ出かけて行って刺激を受けることが必要なのだ。
　なるほど、この「努力の方向」というものは意識したほうが良いようですね。