雑談は必要な選択

雑談は人の大きな楽しみの一つだ。
家でもどこでも、人が寄れば雑談が始まる。
考えてみれば、真剣な議論や政治会談、仕事の会議などを除けば、この世の会話はほとんどが雑談といえるのではないか。
飛鳥圭介さんというエッセイストの話に納得させられた。

◆雑談は必要な選択
　ここのところずっと新型コロナウイルスの感染予防のため、人が集まることを自粛（事実上の禁止）せよとのことだった。
　なので、長い間人々は雑談ができなかった。
　オンラインなんとかで画面を通して語り合う仕組みも普及したようだが、それでは現実感が乏しく気持ちが寄り添う感じではない。
　やはり同じ場所で、その場の空気を共にしないと雑談と言う感じではない。

　長い自粛生活に飽きて路上飲みに走った若者たちは、雑談に飢えていたのだろう。
　酒は単なる媒体にすぎず、感染の危険を冒しても求めたのは雑談そのものかもしれないのだ。
　考えてみれば、日常生活とは雑談生活のことでもある。
　雑談はその場で消費され、会話の記憶は詳細には残らない。
　楽しかったという思いだけが記憶される。
　だから雑談は生きていくために必要不可欠で、けっして無駄話などではない。

　ああそう言われればそうなのかも知れませんね。
　はやりの言葉で言えば、「雑談は生きていくために必要な選択なのです」かもね。