図表1-6をご覧ください。理科の授業をX軸とY軸よって四つの部分(象限)に分け、X軸を『思考』、Y軸を『観察・実験』とおいてみる。X軸の『思考』とY軸の『観察・実験』との“正・負”を見れば、理科授業がどの象限に位置するかがすぐにわかる。
第1象限の理科授業は、「観察・実験」より「結果や結論」を導く授業であり、観察・実験による身体性と結果や結論を導く思考とのバランスがとれていることが分かる。これは小学校理科でめざしたい授業であって、「元祖理科」と名付ける。
第2象限の理科授業は、「観察・実験はさせるが、結果や結論を押し付けがちな授業になり、操作や試行偏重傾向が見られる。どのように考えさせるか、その指導力が向上することによって第1象限に移動可能なので「あすなろ理科」と呼ばせる。
第3象限の理科授業は、「詰め込み・教え込み授業であって、俗に“黒板理科”」といわれ、本来のめざす理科授業とはかけ離れている。「キャッチアップ時代」に多く見られた授業であるのだろうか。
第4象限の理科授業は、クイズ風や○択で問題を提示し、観察・実験はあまりさせないで教師の演示実験などによって結果や結論を求めるような授業範疇である。内容によりクイズ風や○択で問題を提示することによって、子どもの取り組みの熱気が増幅するので、「スパイス理科」と命名した。
あなたは、何象限の理科授業を実践しているだろうか。
有限な授業時間で、自然の素材や学区の立地などを考慮し、第1象限の理科授業の実現を図りながら、A・B区分や対象によって臨機応変に授業計画を作成し、展開できるように工夫したいものである。
図表1-6
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます