

小学校の担任はご承知のとおり10教科程担当することになる。さらに道徳なども加わる。中学校教諭は専科であるので一つの指導案で数時間の授業を賄える。小学校の先生は毎時間毎時間新たな指導案で授業をしなければならない。それだけ授業準備に時間を要する。ただでさえ今の教室は、児童指導等一人一人の個別対応で忙しい。「トイレに行く暇もないほど」と聞く。しかも、質の高い授業を展開しない事には、子どもに資質・能力が育たない。それよりも子どもが授業に集中しなくなる。結果的には、負のスパイラルにおちいり、最悪は学級崩壊に至る。
であるから、教科が担う役割を掴み、指導内容を理解し、指導の重点を把握することが授業づくりの必要条件になる。教科による授業展開にはそれほどの違いはないが、あったとしても内容教科と技能教科程度である。教科によってどのような資質・能力を育成するかがポイントになる。図は小学校理科での育成する資質・能力である。
理科の3年を例に挙げて説明する。「(比較しながら調べる活動を通して)自然の事物・現象について追究する中で、差異点や共通点を基に、問題を見いだし、表現すること」が育成すべき力。
たっぷり自然(身の回りの事物・現象等)に触れさせ、疑問なことや不思議なことなどから調べてみたいことなどを焦点化し、さらに教室の友と調べてみたい問題を浮かび上がらせ、学習問題を絞り込み設定させる。問題解決におけるここまでの活動は、じっくり時間を確保して子どもの見方や考え方、発想などを活かし、主体的に行わせ個々の子どもが3学期までには確実にできるようにさせる。もちろん五感を十分に活用させ、事象を差異点や共通点など比較しながら調べたり考えさせたりして取り組ませる。
その後の授業展開は、教師が指導意識を持ち、教科書の内容を参考にさせるなど教師の助言や指導を強め、観察・実験、結果・結論までを導くように授業を構成する。
3年の理科授業では、自然にどっぷり浸らせ、何を解決したいかの問題を自力で見つけ出す資質・能力を付けさせて4年生に進級させることになる。これをどの子にもできるようにさせるのが3年の理科の指導の重点になる。
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