1、理科授業に欠かせない条件は三つある
1、「超具体」=実物(事物・現象・映像等)を用意すること
理科は、本物の事物・現象、不可能な場合は絵や写真、動画等の映像等を用意し、そこから触ったり、いじったり、詳しく観察したりして疑問や問題を見出して、追究させる。どのような実物や現象を発想、準備し、子どもに提示できるかで「授業成功の八割方が決まること」は過言ではない。
2、「実体験と時間をたべる」=観察・実験の場と時間を確保すること
観察・実験、ものづくり・理科工作、スケッチなど実際に取り組む場を設けることは、「なぜ、どうしての不思議や疑問を持ち、調べたい問題を見出し、仲間と協力しながら観察や実験を通して、その結果を考察し解決を図っていく」、これが理科授業の基本である。
加えて、観察・実験をたっぷり行わせるために時間を十分に確保すること。特に自然体験遊びが不足している子どもたちには試行錯誤の場を意図的に設けること。子どもたちに観察や実験の準備、器具の操作などの指導を必要に応じて繰り返し、実際に取り組ませることによって、その後の学習の流れがスムーズに展開できる。
このために4月より細やかな指導を続けることが、育ちを約束できる。時間配当が当初の計画より多くなっても、予定がのびてしまっても止むを得ないことを念頭において指導に当たる。
3、「思考とその交流」=思考場面と交流場面を用意すること
パスカルは、随想録「パンセ」に「人間は考える葦である」と記している。
理科は暗記科目ではなく、「方法を考える、理(ことわり)を考える教科」である。「知識は過去」「思考は未来」と言われているが、「思考する教科」である。子どもには、自分の考えをもち、進んで発表することを大事にさせたい。一人ひとりが考えることによって、より質の高い考えへとつながる。(図表3-1)
(図表3-1)
思考場面としては、下に示すように幾つかがある。
1、 疑問や問題に気付く場面 2、 予想や仮説を考える場面 3、 解決方法を考える場面 4、 結果をまとめる場面 5、 結論を考える場面 |
発問や質問を投げ掛けることによって子どもの思考を刺激する。そのときすぐに発言させるのではなく、まずノートに考えを書かせる(これは「見える化=視覚化」)ことであり、その後に発表させる。考えたことを書いたり、発言したりすることは、「出力」になる。まず書き記すことによって「出力」が確認できるので、考えたことの証拠を残すことにもなる。
発表を苦手(真に苦手な子はいないが、発表の機会が少なかったり、発表に対するトラウマがあったりする)に感じている子どもには、書いたものを読ませることで発表になる。
○○さんと同じと応える子がいるが、確実にその子に言わせることによって、発表を苦手と捉えなくなる。
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