<以下の記事を復刻します。>
インターネットのニュースを読んでいたら、若い女性のやせ過ぎは「国民健康の脅威」だという記事が目に留まった。
これは日本成人病(生活習慣病)学会の学術集会で、筑波大学大学院の曽根博仁教授が、「日本の若年女性のやせ過ぎは、肥満と同様に、国民の健康に対する脅威となりつつある」と警鐘を鳴らしたのを記事にしたものだ。 それによると、やせ過ぎは本人の健康障害に加え、「低出生体重児」の増加にも関連しているというのだ。
具体的には、日本の女性は18歳ごろから20歳代にかけてボディマス指数(BMI)が減少し、BMIが18,5を割る傾向が強いという。この傾向は1970年代から見られるようになり、曽根教授は「世界でも特異な現象で、生理学的に不自然な傾向だ」と述べ、懸念を示している。
「低出生体重児」とは体重が2500グラム未満の赤ちゃんを言うそうだが、それが増えている。また、やせ過ぎで骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の発症リスクなどが上昇しているというのだ。
私は医学のことはよく知らないが、調べてみたら、20歳から40歳までの“妊婦”の正常なBMIは、19,3~27,9の間とされている。先に示した18,5は、明らかに正常範囲を下回るものだ。(末尾に「ボディマス指数」をリンクしておく。)
むろん、妊婦でなければ良いのだろうが、それにしてもダイエットだ美容だとかが煩く言われ、日本の女性、特に若い女性はそれに翻弄されているのではないか。 もちろん、肥満は良くない。しかし、やせ過ぎも健康に良くないのだ。
余談だが、NHKの大河ドラマ『江(ごう)』を見ていると、女優の鈴木保奈美さんや宮沢りえさんなど“美人”が多いが、どうもやせ過ぎているような感じがする。時には、痛々しく見えることもある。
昔の京塚昌子さんのように堂々たる体格になれとは言わないが、彼女はそのふくよかな雰囲気から「日本のお母さん」などと呼ばれ親しまれた。
昔に比べ生活が豊かになり、美容だダイエットだファッションだと言われるのは良いが、やせ過ぎは医療的な問題を抱えていることも間違いない。
ルノワールの絵画に出てくる女性は概して豊満な肉体に描かれているが、あれはもう“古典的”なのだろうか。私自身が古い人間だからあまりとやかく言えないが、女性の美しさは、まずその“健康美”にあると思っている。
ダイエットや美容の前に、まず健康を第一に考えるべきではないか。(2011年1月18日)
ボディマス指数・・・http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%9E%E3%82%B9%E6%8C%87%E6%95%B0