宮沢賢治は最愛の妹・トシを亡くした後、悲しみのあまり樺太(からふと)へ鎮魂の旅に出かけたという。樺太の南半分は戦前、日本の領土であった。
過日、映画『樺太1945年夏 氷雪の門』を見たら、終戦直後、旧ソ連軍が真岡(まおか)という所に侵攻する場面があった。大勢の日本人が殺害されたが、郵便電信局に勤めていた9人の乙女が、もはやこれまでと集団自決するシーンは何とも悲劇的であった。涙、涙、涙である。このブログにも、その映像を載せたが、そうこうするうちにどうしても樺太へ行きたくなった。
調べてみたら、実に簡単にサハリン・樺太へ行ける。去年、国交がない北朝鮮へ行ったことを思えば雲泥の差だ。札幌や成田からは飛行機が飛んでいるし、日本の最北端・稚内からはフェリーで行ける。こんなに簡単に行けるのに、サハリンを訪れる日本人観光客はそれほど多くない。専門の旅行会社に聞いたら、夏のシーズンでもせいぜい1000人ぐらいだとか。
サハリン・樺太は南北に細長い島だが、面積は北海道よりやや小さいぐらいだ。南半分(北緯50度以南)が戦前は日本の領土だったが、敗戦によって今はロシア領になっている。 ここで樺太の領有権問題を論じるつもりはない。ロシアとの間にはクナシリ島など北方領土問題があるが、サハリンについても多くの疑問点がある。しかし、それをここで論じるつもりはない。いずれ書くかもしれないが。
とにかく、明日から行く予定だが、これは“慰霊”の旅になるだろう。稚内経由なので20日にサハリンに入る。8月20日とは、あの9人の乙女が集団自決した日だ! きっと胸に去来するものがあるだろう。帰国したらいろいろ書くつもりだ。
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