(遠い夏の思い出)
けさ 純子の夢を見た 純子17歳 僕も17歳
君が旅立つ前に 僕らは何度も会ったね
六甲山を散歩したり わが家でも会ったり
僕らは手を握り合って 別れを惜しんだ
君は水色のブラウスが とてもよく似合ってたよ
「1年間さようなら 手紙をちょうだいね」
僕がそう言うと 君は黙ってうなずいた
横浜の埠頭に 五色のテープが飛びかい
君は船のデッキから 手を振りほほ笑んだ
純子は太平洋を渡り 遠いアメリカへ行ってしまう
ひとり取り残される 自分はどうなるんだ・・・
僕の写真を 胸にしまってくれただろうか
君の胸に抱かれて 僕も太平洋を越えるのだ
真夏の日差しがデッキを照らす 輝く17歳の少女
君には あふれる未来と希望がある
それにくらべて自分は・・・ 急に僕は悲しくなった
涙をこらえ顔を伏せた その場に居たたまれず
僕は駆け足で埠頭を去る 純子よ さようなら
うしろで汽笛が鳴った それは17歳の船出を祝うのか
いや そうではない 僕らの別れの合図なのだ