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2月になって庭の梅が咲き始めた。7日には仲間を誘ってハイキングの計画があったのだが、大雪で中止。
それほどの山に行くわけではなかったのだけど、初めての人もいたので大事をとることにしたのだ。
私の妻は、今日から3日間にわたる抗がん剤の点滴を受ける。午後の3時か4時ころまで病院にいて2種類の薬の点滴を受け、その後3種類目の薬の点滴チューブをぶら下げて帰ってくる。それを外すのは明後日の午後になる。
さて、妻の迎えの時間までこの季節の山の記録を投稿するとしよう。
4年前のこの時期に、奥多摩五日市の里山を歩いた。
武蔵五日市駅の北西に金比羅山がある。日ノ出山から伸びてきた金比羅尾根の先端にあたる。
里に近い山に金毘羅の名が付いた山がたくさんある。山の名前が金毘羅山でなくても里を見下ろす山や尾根の先端には金比羅神社が祀られていることが多い。
武蔵五日市駅の北西にある金比羅山は、駅から近くて標高も450mそこそこの里山だ。
早春に里に咲く梅の花をめでながら低山を歩くのは気持ちがいいだろうとそんなコースを歩いてみた。
武蔵五日市駅を出たら少し東京方向に歩いて三内川を遡っていく。
しばらくは住宅地だが、少し高台になっていてなかなか良さそうな住宅地だ。
このコースを選んだのは、三内川の奥に深沢という集落があり、そこに「山抱きの大樫」という木があるので、それを見ながら日ノ出山と金毘羅山をむすぶ金毘羅尾根に出て、そこから金毘羅山へと周回する計画だ。
このコースの前半はハイキング地図などには出ていないが、歩いてみたら地元の人がちゃんと整備してくれているので心配はいらない。
川沿いの道を歩いていると写真のようなこびとをイメージしたらしい木の柱が立っていた。
この赤い頭の柱はこのあとも要所要所で顔を出した。
梅の木はまだ開花前だが、ほんのりと色づいてなかなかの風情を醸し出している。
穴澤天神社という社があり、ロウバイがきれいだった。その奥にも斜面にたくさんのロウバイが植えられているところもあった。
この木は、まだ芽も吹いていないのだが、樹形や枝ぶりも美しく冬芽の色だろうか枝先が白く輝いていた。なんの木だろう。
途中には個人で山にあじさいをたくさん植えているお宅があった。季節になれば花を楽しみながらのハイキングができそうだ。
少し奥まった深沢という地区に入って、赤い帽子の小人に導かれて山道にはいる。
山に入るとすぐに「山抱きの大樫」があった。
山を抱くとはすごい、どんなだろうと思っていたが、山ではなくて岩を抱いていた。
そこは少しおおげさだったが、それなりに見ごたえのある木だった。
岩から立ち上がると幹はすぐに二つにわかれて大きく枝を広げている。
そこから尾根へと続く道は急なところには細かに横木で整備されていて、地元の人の努力に頭が下がる。
標高差350mほどを登るので、この尾根の最高点、南沢山まで少し長く感じるかもしれない。
大樫からのルート以外に先ほどのあじさい山からも登ってこれるようだ。
金毘羅尾根に出る少し手前の高まりが、今回のコースの最高点、南沢山573mだ。
山はスギの植林におおわれて展望はない。
その少し先で金毘羅尾根に出て道は格段によくなる。高低差も少なくてどんどん歩ける。
一般には、このまま金毘羅尾根道を歩いて金比羅山公園と琴平神社へむかうことをおすすめする。
ただ、私は脇道がどこにつながっているか確認したくて送電鉄塔への巡視路のある尾根道をたどってみた。
標識には鉄塔からは戻るらしい「往復」の文字があったのだが。20~30m入ると左手に地形図の破線の道が確認できた。そちらにはいかずに鉄塔をめざす。
送電鉄塔は2本ある。
2本目の鉄塔の先を確認すると尾根に沿って歩けそうななのでそのまま下ってみた。
ちょっと分かりにくいところもあったが、やがて竹林になって民家が近い感じになってきた。
そして民家の裏の道に飛び出した。そこは養沢にむかう道の途中にある本須という集落だった。
このまま帰るわけにはいかないので少し瀬音の湯方向に歩いたところからふたたび登り返して金比羅山をめざした。
この道はむかし本須と戸倉の集落を結んでいた峠道を地元の人が復活したものらしく、よく整備されていたし標識もしっかり設置されていた。
峠をこえる荷駄を背負った馬が休憩したのだろう馬の水飲み場の標識もあった。ただ、水は出ていない。
横根峠というところに出た。この峠は金毘羅尾根の途中から瀬音の湯方向に派出している尾根の途中にある。
ここからも瀬音の湯へ下ることができるようだ。それはまたの機会にして私はそこからは本来のコースである金毘羅尾根にもどり、先の金毘羅山をめざした。
少しづつ高度を下げながら進んでいくと舗装道を橋で渡るところがあった。
車でもここまであがれるようだ。橋の下には広場もあって車もとめてあった。
そこからコースをはずして尾根を登ると林の中に金毘羅山の山頂を示す案内標識があった。
標高468mだが、展望のない樹林のなかだ。寄る必要はないと思う。
ルートに戻って400mほど進むと目の前が開けて広場になり、その一角に金毘羅神社の社殿が建っていた。
ここが金毘羅公園で、桜の木が植えてあるので4月上旬にはお花見登山を楽しめるようだ。
琴平神社の裏にまわり、少し戻るようにすすむとしめ縄をかけた大きな岩がある。これがご神体なのかもしれない。
公園の少し先へとすすむとあきる野から東京が見渡せるすてきな展望台に出た。
小さな東屋があって、その周辺にたくさんおベンチが設置してある。ここで最後の休憩をのんびりと取ることができる。
五日市の町を見下ろす。その先にはあきる野の町が広がっていた。
あとはしっかりした遊歩道だ。足元は舗装してあるし、途中から両側はつつじの植え込みがしてある。
琴平神社から武蔵五日市の駅まではコースタイムで40分なので、急がずのんびりとくだることができた。
脇道にそれたことは別にして、春のころにみんなで歩きたいいいコースだった。
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