ポジャギアートYangja-pang

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

紐ざんまい(京都の旅その2)

2006-07-20 19:26:01 | ノンジャンル
《前回からの続きです》

一口に飾り結びと言っても、その用途は多彩。
長い時間をかけて培われ、練り上げられてきた装飾性は
言うまでもなく素晴らしく、心を奪われます。
しかしそれは、あくまでも使う人あってこそのもの。
目的をもって作られなければ、あの美しさは生まれないのですね。
考えてみれば昔は、布一切れ、紐一本も無駄には扱えなかったはず。
「用の美」というほど大げさなものではないにしても、
結び一つにもきちんと目的意識をもたねば…と
膨大な作品群を眺めつつ、
柄にもなく殊勝な思いにとらわれる私メでありました。



さて、申し上げるが遅れてしまいましたが、今回の旅をプロデュースしてくださったのは、京都に造詣の深い布茶さんです。
私メはただ単に「紐展見た~い! あのお店に行きた~い!」と騒いでいただけ。なにしろ京都はまるっきり不案内なものですから(京都に限りませんけど)、実際には布茶さんのナビゲーション&ディレクションにお任せしっぱなしでした。
この場を借りてお礼申し上げます<(_ _)>

「結びの美」を堪能した後のランチは、「素夢子古茶家」で。
一度は行ってみたいと思っていた伝統茶のお店です。

 入り口とカウンター席を程よく仕切っているのは巨大なモシのポジャギ。全体的に柿渋・土壁トーンのほの暗い屋内に、白と生成りが爽やかです。他に柿渋の濃淡を生かしたものもありましたが、残念ながら写真がピンボケ(~_~;)




他のお客さんの迷惑も顧みず覗き込んだ奥の部屋には、こんな可愛い蝉のステンドグラス↓
 
       

ランチの後は温かい五味子茶でほっこり(*^_^*)
いつまでも腰を落ち着けていたい気分ではありますが、
まだまだ当日の予定は終了しておりません。
雨にもめげず、今回第2の目的地である伊藤組紐店へと向かいます。
実を申しますと、このお店を訪れるにあたって、
私メは密かにビビッていたのですね。
なにしろ創業170有余年(!)に及ぶ寺町の名店。
しかも美術工芸・茶道・寺院関係がメイン顧客などという畏れ多い所に
訳のわからぬ「いちげんさん」がふらりと入りこんで
「江戸打ち見せてくださ~い」なんぞと言ってよいものか……
しかし、そのような心配はまったく無用でありました。
ま、全面的にウェルカム状態ではないのでしょうが、
とりあえず見せてほしいものを告げれば、
あとはほどよく放っておいてくれるので
見本を眺めながらじっくり迷うことができるというわけ。
もちろん質問には丁寧に答えてくれます。

 
というわけで、かねてより憧れていた江戸打ちの絹紐(特細…1.5㎜/一束3m)を6色購入。3㎜の「細」にもかなり激しく惹かれたのですが、いかんせんお値段がね……(^_^;)
それにしても、いったいこのような高級な紐で、私メは何を結ぼうというのでしょうか……「○×は死ななきゃ~治らない♪」という広沢虎三のだみ声が脳中を駆け巡っております。




雨は一向に止む気配がなく、下鴨神社付近の水路には
ごうごうと音をたてて濁流が流れています。
暑くないのは有難いのですが、地元の人さえ
「祇園祭にこれだけ雨が降ったのは初めてだ」というほどの荒れ模様。
それにもめげず訪れたのは、布茶さんご推薦の「川口美術」です。
折りしもこの日は「ムン・チャンムン展」(格子戸と窓戸)の最終日。
素朴なポジャギや李朝家具が、窓や扉のデザインひとつで
生きいきとした表情を取り戻します。
ちょうど、以前にポジャギを習っていたというお客様もいらして
おいしいお茶を囲みつつ、ひとしきりポジャギ談義に花が咲きました。



↑は川口美術さんの素晴らしいハガキの数々。
お断りするのを忘れてしまったので、店内写真はパス。
過去の催しについてはHPでどうぞ。

《京都の旅、まだまだ続きます》