ヤンマ探索記

トンボの観察記録です。

タイトルはヤンマですが、トンボなら何でも撮ります。
勿論、ヤンマが優先です。

トラフトンボ 生態写真集

2025-03-08 | ●トラフトンボ生態写真集

トラフトンボ 生態写真集(2012~22) 編集2025.3

トラフトンボの一番の魅力は卵塊造りであるが、多産地でも条件が揃わないと簡単に目撃、撮影とはいかない
以前の安定した生息地で個体数が減少、新たな撮影地の探索も難渋しており 一旦過去の記録を振り返ってみる

房総のかつての有名生息地

残された海跡湖が点在する房総の沼 かつて関東有数のトラフトンボ生息地として知られ、行けば必ず見られた
しかし、2010年代半ばからの太陽光パネル設置工事の進行に伴って、沼周辺の環境が年々変化していった
17年を最後に行っていないが、水質悪化、植生への影響も著しく、すでに絶滅していると考えられる

唯一撮影の静止の交尾態

トラフトンボの静止の交尾態を撮るために何年も通ったが、撮影できたのは14年5月の当地の一度のみである
交尾態は、林や草原での交尾後、産卵のため池に飛来した時に見るのが通常であり、静止の目撃は滅多にない
池端の草間に潜んでいたと思われる♀を探雌の♂が捕え、上空に飛ばずに近くの地上2m位の笹藪に着地した

静止した交尾態 14時40分頃から約20分静止して林に向かった



2014.5.2 千葉県

2013年5月 卵塊形成の当たり日

5月上旬、当地において初めて卵塊形成に遭遇 この日は当たり日で約2時間で4♀を目撃し3♀を撮影した
朝の気温が低く生殖活動が後倒しになったが、20℃に到達した10時半頃から交尾態が続々と飛来した

林から飛来して産卵場所を探し池を飛び回る交尾態 これを見ないことには始まらない


11時26分、4対目の交尾態が岸辺に接近して交尾、連結を解いて池中の枯れ茎に静止 卵塊形成を始めた

静止して50秒後 翅の前縁の条が薄い個体


2分20秒後 腹端を反らせ始める


3分20秒後


4分後 飛立ち 打水は草陰に入って撮影ならず


11時40分頃 続いて2番目の♀が池端の草叢に着地して卵塊形成


20秒で池側に移動 風に煽られる




卵塊の大きさは限界 目掻きして飛立ち直前


12時30分頃 3頭目は翅前縁の黒帯が目立つ個体 打水して池中の草に止まった直後で水滴が付着している


約1分後に不安定な草から池端の枯れ茎に移動


40秒後、さらに樹木に移動 遠くに飛ぶことはまずない 最初の静止からは2分30秒後


最初の静止から3分40秒後 飛立ち直前

2013.5.4 千葉県

14年5月 減少気味でもそれなりに

5月上旬、前年より気温が高く22℃の好天であったが、縄張りの♂は半減 それでも交尾態6対が飛来した
卵塊形成は午前3♀、午後1♀を目撃 3、4頭目は場所が悪過ぎた その後、冒頭の交尾態を撮影している

9時50分頃 最初の♀の卵塊形成


10時頃 2番目は交尾解除後、即時に連結を解かず、珍しく連結態で10秒程池を飛び回った 


産卵場所がすんなり決まらなかったようで、見上げる梢に止まって卵塊を形成した

2014.5.2 千葉県

15年から17年まで

15年はそこそこ交尾態は飛来したが、無斑♀狙いの採集者が増えて沼を占拠する状態で、撮影がままならず

15年の沼の植生の様子 交尾態の飛来と卵塊形成後に産卵場所を探して飛ぶ♀



2015.5.6 千葉県

16年になると個体数が激減 ソーラーパネル基地が拡大して、従来の待機水面にもいよいよ影響が及んできた
交尾態は飛来するものの、産卵せずに素通りしてしまう繰り返し 水草がかなり減っていた
17年は♂の飛来もなくなりノーシャッター これ以上行っても無駄と判断、当地での撮影を断念するに至った

以下は当地の♂の縄張り飛翔 ホバリング狙いで行き始めたが、岸近くはあまり飛ばず、撮りやすくはなかった

行き始めた頃は、メインの待機水面だけでなく周辺の沼でも普通に縄張り行動が見られた

2012.5.19 千葉県


2014.5.2 千葉県

曇天の日 当地で最後の撮影

2016.5.6 千葉県

岡山県央の自然公園

17年5月 岡山遠征初回


房総での撮影を諦めて急遽西へ トラフトンボの羽化観察会を開催していた岡山県央の自然公園に行ってみた
5月中旬、朝方の雨が止んで10時半頃に園内の随所で交尾態を目撃、想定どおり多産していることを確信した
しかし、ポイントが絞れず♂が多い池を選択して待機 午後に交尾態2対が飛来、辛うじて卵塊形成も撮影した

14時30分頃 連結解除の直後 打水して草に静止した♀と回りを飛ぶ♂


卵塊形成を開始して20秒後に樹上に飛んでしまう


15時30分頃 おそらく産卵時に藻に絡んで水没した♀


♂のホバリング ここでは岸近くを飛ぶので撮りやすい






方向転換

2017.5.13 岡山県

18年4月 岡山遠征2年目 

4月下旬、前年と同じ池に行き、撮りやすそうな岸辺を探して待機 GWを避けたので、時期は2週間以上早い
午前は不活性でも午後は一変して交尾態が多数飛来 産卵集中日になり、過去最多の5♀の卵塊形成を目撃した
うち1♀は翅前縁の条が消失した無斑の個体である 午後の気温は前年と同じ22℃

無斑♀の産卵 <交尾態で飛来した無斑♀が卵塊形成して産卵するまでの記録>

12時2分 交尾態が飛来して10秒程飛び回る




産卵場所が決まって連結を解き、一度打水して静止した♀ 連結解除から10秒後


静止して1分10秒後


2分40秒後 翅前縁の条が完全に消失している


12時6分 3分50秒の卵塊形成後に飛立つ 改めて産卵場所を決めるまで55秒間飛び回った




打水して放卵した直後 ガマの繁みに入って5秒後に出てきた時は卵塊がなかった 


1時間以上待って、13時15分頃にやっと次の交尾態が飛来したが、縄張りの♂に絡まれて池から出て行った
さらに20分経過、3対目の交尾態が池に入り、今度はあまり飛び回ることなく、目の前で交尾、連結を解いた

13時35分頃 連結を解いたシーン 後方が♀


静止1分後 卵を出し始めるまで時間を要し、♂がしばらく回りを飛んで警護していた


静止3分後 近くにいたのか♂が様子見に戻ってきて数秒間飛び回った


静止4分後 やはり卵塊形成の進行が遅い


これまで見たなかで最長の5分20秒の卵塊形成になった


産卵は14時からの30分間に集中 交尾態が飛び回り、交尾飛翔を撮っていると次が入ってくる状態になった
ただし、池を抜ける個体が多く、待機場所付近で連結を解いたのは4対、見える所で卵塊形成したのは2♀

14時頃 産卵に飛来した交尾態 産卵場所が気に入らないようで交尾を解かず池から出て行った


ホバリングする交尾態




14時30分頃 飛来時は見逃していた♀ 卵塊が限界になって飛立つ直前


15時を過ぎると交尾態の飛来が減少 15時10分頃 ふと見るとまだ若い♀が止まっていた


30秒後


2分30秒後 この♀は草の隙間から撮れたが、草が被ることも多い 撮影は静止場所次第である


4分後 卵塊が最大になり飛立ち10秒前 大概の♀の卵塊形成は4分前後


真下の水面に降りて1秒で放卵してから10秒程池を飛んで上空に消えた これも打水シーンが撮れず


15時40分頃 最後に目撃した交尾態の連結解除の瞬間 ♀は樹上に飛んで卵塊形成した


♂のホバリング


方向転換



2018.4.26 岡山県

19年と21年の様子

19年5月中旬に行くと、個体数が著しく減少 交尾態が飛来しても通過ばかりで卵塊形成どころではなかった
行く時期がやや遅れたが、植生に変化はなく、以前から気になっていた放たれた鯉が影響していると思われる
21年4月下旬は、広大な園内では見かけても、同ポイントでの目撃はゼロ 18年の盛況は幻となった 

群馬県南東部の溜池

19年5月 偶然の遭遇

群馬県南東部の溜池で前年に多数羽化したという情報を得て、5月上旬に様子を見に行って卵塊造りに遭遇した
夏日で風が強く、♂のホバリングも殆ど見ることがなかったので、相当運に恵まれとしか言い様がない

12時25分頃 土手を歩いていて数m先の池端に止まった♀を確認 10秒程で移動してから1分後


最初の着地から2分50秒後


強風に煽られて向きを変えて20秒程で飛立った 翅がほぼ無斑の個体である


10時半からの1時間に時々姿を見せた♂ 岸辺から離れてホバリング 以後は現われず

2019.5.8 群馬県

21年に改めて羽化探しに何度か行ったが、羽化殻1個の目撃に終わり、生殖行動も見るこことはなかった
もともと生息数が少ないようで、以後、当地での探索は断念した 近隣に似たような池があるが未確認である

宮城県北東部の沼

21年5月 産卵ポイントが絞れず

21年は岡山も群馬も成果がなく、5月中旬を待って宮城県北東部に遠征した 従来は夏に行っていた沼である
驚くほど多くの♂が飛んでいてピークの様相であったが、交尾態が飛来すると♂に追い回されて逃げてしまう
まるでウチワヤンマの交尾飛翔を見ているようで、産卵ポイントが絞れず、卵塊形成を目撃しないまま終わった 

14時頃 産卵場所を探してホバリングする交尾態 植生は良好






縄張り♂に絡まれて墜落、水没した交尾態 手前が♂




♂のホバリング



2021.5.20 宮城県

22年5月 前年同様の結末

5月下旬、前年と同じ沼を見に行くと、岸辺の形状が変化していて縄張りの♂が分散 待機場所が定まらない
交尾態は20対以上を目撃したものの、大半は高速で飛んで沼の外れの水性植物の群落に向かって消えてしまう
当地は、多産地であっても撮影の適地ではない典型的な場所といえる 遠方でもあり、再び行くか悩ましい

♂のホバリング





2022.5.24 宮城県

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サラサヤンマ 生態写真集

2025-02-17 | ●サラサヤンマ生態写真集

サラサヤンマ 生態写真集(2010~2024) 編集2020.4 改訂2022.12 2025.2


交尾態  連結態は湿地を旋回して交尾態になって樹上に消える 着地を見届けるのは困難で撮影まで6年を要した

2015年、産卵に飛来した♀を♂が空中で捕え、あまり周回を重ねず交尾態になり撮れる高さの枝に止まった

数分後に交尾を解くように♀が暴れ始めてやや短い約14分で交尾終了 ♀は同じ木のすぐ横の枝に飛んだ

2015.5.26 千葉県

交尾態になって湿地の狭い空間を猛スピードで周回するシーンは何度も見ていたが、次の撮影は4年後になった

縄張りの♂が産卵に入った♀を捕えて高い枝に着地した なんとか撮れる位置


風に揺られて不自然な形ながら撮り易い角度になった 交尾時間は約17分


この日は真夏日で連続して交尾態が撮れた 枝が入り込むもののやや低い位置に止まった


交尾を解いた連結態 交尾時間は先程と同様で約17分 ♀が飛ぶまで連結したまま1分以上静止


交尾後の♀は大概近くの枝で長時間休止する 直ちに産卵に移行することはない 上の♀は約40分間休止した

2019.5.24 埼玉県

3年が経過して22年5月下旬、交尾態の着地を見届けたが、光線状態が悪く試行錯誤しているうち形も悪くなった
その4日後、今度は運よく見通しのよい枝に止まった 交尾時間は約18分 前回は約13分間であった

交尾態が撮影できる日は暑い日が多くこの日も5月の真夏日




交尾解除後の連結態 交尾後、即時に連結を解かないのが通常 ♀は暴れ回って35秒後に飛ぶ




腹部を反らす連結解除後の♂ 連結を解いてから30秒で飛んだ

2022.5.29 埼玉県

2年後の24年5月下旬、産卵中の♀が移動して飛んだ途端に縄張り♂に補足され、交尾態が高い樹上に止まった
交尾が盛んな日で、目撃した5♀のうち4♀は飛来とほぼ同時に連結された やはり暑い日で28℃に気温上昇

交尾時間は19分 ♀の複眼は青みを帯びている(産卵の項で後述)


交尾解除後の連結態 ♀は36秒で飛ぶ

2024.5.29 埼玉県

連結態  交尾崩れを除き連結態を目撃するのは交尾前の場面 連結に成功し交尾が成立する確率は他種に比べて高い

産卵に飛来したまだ若い♀を草叢に押さえ込んで連結した♂ この後飛立って交尾が成立した

2021.5.23 埼玉県

♀を連結後、珍しく草叢に一時静止したシーン タイミングを計って1分15秒後に飛立ち交尾態になった

2022.6.2 埼玉県

産卵  2010年に偶然産卵を撮影、以後12年に栃木の生息地での生態を把握して13年にじっくり撮影できた

主に泥土、朽木で産卵するが草のなかでは撮影不能 栃木に始まり15年から千葉、18年以降は埼玉に転じて撮影

縄張りの♂の不在時を見計らい樹上から降りてきて朽木で産卵を始めた ♂が現われて逃げるまで約6分間

2013.6.8 栃木県

千葉の湿地の初回は幸先よく3♀を目撃 明らかに小さな個体が何度も中断して休止しつつ1時間以上泥土に産卵






長時間の産卵後に休止 産卵中に♂が何度も飛来したが、身を伏せて動かずにいたため見つからなかった

2015.5.26 千葉県

16年5月は湿地から水が引かず3回空振り 水溜りを嫌うので産卵しない 6月に漸く撮影した 約15分間産卵



2016.6.4 千葉県

17年は個体数が急減して撮影できたのは5月中旬の1日のみ 千葉の湿地で最後の産卵撮影になった

2017.5.19 千葉県

18年も同じような状況で千葉から埼玉に鞍替えした初日 若い♀が朽木で産卵して3分程で♂に捕えられた 


次の♀が別の朽木で約20分間産卵 撮りたい場所には来なかったが、今後十分期待できる環境

2018.5.20 埼玉県

19年5月下旬 交尾態撮影日は産卵前に捕まるので大概産卵の目撃がない 4日後に1時間半の長い産卵に遭遇した




産卵場所を移動してホバリング 

2019.5.28 埼玉県

20年5月下旬は湿地に水が溜まってやや乾いた草叢ばかりで産卵 6月に水が引いて朽木で約30分間産卵した





2020.6.4 埼玉県

21年5月下旬 なかなか草叢から出なかった若い♀ ♂が活発な日で目撃した5♀のうち4♀が連結された

2021.5.23 埼玉県

6月上旬 湿地内を転々として落着いた♀ ここで約7分間産卵


約1時間後 同じ♀が再び現われ何ヵ所か移動して同じ所に戻って産卵 気に入る場所は限られるようである


約12分間で小移動した

2021.6.7 埼玉県

22年は交尾態は撮影したが産卵は満足に撮れず 23年5月下旬 途中2回飛んで同じ朽木に戻り18分間産卵





2023.5.25 埼玉県

24年5月下旬 青みを帯びた複眼の♀が現われた 緑色の強い個体は見るが本種とは思えない複眼の色である




20分間の産卵後、移動したところで縄張り♂に補足された(交尾態の項参照)

2024.5.29 埼玉県 

縄張り行動  ♂は狭い縄張りを持ち♀の飛来を待つ 時折見せるホバリング飛翔と静止を繰り返し縄張り占有する

撮影初期の頃は専らホバリング撮影を目的にしていた 継続時間は個体差が大きく、気温が高いとあまり見られない

栃木の湿地はホバリングの外れがなく12年から14年に何度も行ったが、兎に角暗いうえ泥濘が酷かった

2012.6.17 栃木県

当所では午後になると数頭の♂が出揃い、1m程の高さの一定間隔で同時にホバリングする傾向が見られた 

2013.6.8 栃木県

東京の湿地は明るいのでストロボなしで撮影が可能 13年、14年に行ったが撮影機会は少なかった


同じ林縁でホバリングする♂ 一方暗い場所を占有する♂も見られた

2013.6.1 東京都

15年から18年まで何度も通った千葉の湿地は僅かな環境変化で個体数が減った 

2016.6.4 千葉県

地面すれすれの低い小枝で産卵に来る♀を待ち伏せる 学習効果のある♂の行動パターンで捕捉率も高いようだ

2016.5.26 千葉県

止まっている時間が長いものの思い出したように狭い範囲をホバリングして縄張り占有 再び静止する


水平に止まる姿もたまに見る

2016.5.16 千葉県


2017.5.19 千葉県

埼玉の湿地が一番乾燥していて泥による被害が比較的少ない 全般的に明るい環境

2018.5.20 埼玉県




2021.5.23 埼玉県






2022.5.25 埼玉県

24年5月下旬の湿地はあちこちにキノコが生えた 過去にはない事象である




探雌行動中に縄張り♂とバトルになって墜落した若い♂

2024.5.29 埼玉県

♂特有の行動  移精行動の一連ではなく、時に見せる腹部を後方に曲げる動作 移精は♀を連結後の飛翔中に行う

腹部を後方に曲げる♂ 特有の動作なのか以前にも同じ行動を撮影している

2019.5.24 埼玉県

産卵する♀に擬態して♀を誘う 時に見せる♂の行動 遠目では産卵しているように見える

2018.5.16 千葉県

♂の摂食飛翔  明るい空間での飛翔が撮れるのは摂食時であり、たまに探雌行動に移行することがある 

草叢で摂食飛翔する♂ 15分程飛び姿を消した



2015.5.28 埼玉県

摂食していた♂が突然ホバリングを始めて、おそらく樹上にいた♀を連結した 探雌を兼ねて飛び回っていた様子





2016.5.16 千葉県

休止  ♂、♀とも湿地近くの樹林の高い梢で休止するようだが、目撃することは滅多にない

高い梢で休止する♂

2016.6.4 千葉県

老熟♀の静止 マルタンヤンマがぶら下がる林に姿を見せた

2022.6.27 埼玉県

産卵休止の若い♀ 目線の高さに止まった

2022.5.29 埼玉県

湿地上の低木で休止する未成熟の♀ 未成熟の♂は撮影していない

2015.5.26 千葉県

羽化  初見のサラサヤンマは都区内の臨海公園で羽化中の♀であった 未だに脱出前の羽化個体は撮れていない

羽化する♀ 初めての撮影



2010.4.29 東京都

羽化する♀



2019.5.3 埼玉県

羽化する♂





2021.5.6 埼玉県

羽化する♀





2022.5.3 埼玉県

羽化する♀



2023.5.3 埼玉県

居残りの♀ 前日の午後から雨で気温低下してこの日の羽化はゼロ 居残っていた1♂3♀が13時を過ぎて飛立つ



2022.4.30 埼玉県

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キトンボ 番外編

2025-01-16 | ・キトンボ

産卵シーンの回顧

撮影意欲をそそられるキトンボの産卵、とくに撮りたい放卵の瞬間は産卵方法から大概は草が被ってしまいます。
そもそも個体数が多くないと産卵を撮影すること自体が困難ですが、ここ2年、例年のポイントで急減しました。
今後の動向が気懸かりです。そこで、草が被っているために掲載しなかった写真を改めて見直してみました。
また、露出設定に失敗して放置していたものも、補正して掲載しています(一部再掲載あり)。

まずは、草への放卵時に水滴とともに卵を飛ばすか、直接付着させるか、以前からの疑問点の解明を試みました。
結果、草叢に突入する個体の大半は後者の動きをするようですが、区別は微妙で写真では検証できませんでした。

♀が腹部を前に振って岸辺の草に放卵する産卵行動




背面から 腹端を草に接触させて放卵したと推定


0.2秒後 飛び上がって草叢から出てきたところ


産卵弁に蓄えた卵塊を振る連結態 手前は単独産卵の♀


開けた場所で、岸辺を目がけて放卵態勢になった連結態 


正面から 放卵前に正面向きになり、産卵弁に蓄えた卵塊が目立つ この後、土手の土に放卵した


草叢のなかの土に卵を付着させる連結態


当所で見る一般的な産卵パターンは概ね以下のとおりです。
①産卵場所に飛来した連結態が岸辺近くで打水する ②ホバリングしながら腹端に貯めた水滴に卵を排出する
③腹部を前方に振って岸辺に接近し、土か植物を目がけて卵を含んだ水滴を打ち付ける ④放卵後のホバリング 
放卵後は直ちに打水して、他の干渉を受けない限りは移動することなく、この行動を繰り返します。

①打水


②打水後のホバリング 産卵場所を見定める 手前は干渉する♂


③草のなかに潜り込んで卵を打ちつける ②から2秒後


④放卵直後 後退してホバリング 次の打水をする直前で放卵から打水までは0.4秒


打水の様子 上の写真とは連続していない




放卵前の様子 左は打水後のホバリング 右は打水直前の連結態


右の連結態が打水した直後


産卵パターンは一様でなく、時に打水して放卵することがありますが、連続的ではありません。

岸辺に向けて放卵態勢になった連結態


そのまま前進したが、草叢の手前の水面に放卵した 

2022.10.14 長野県

一連の産卵行動のなかで、放卵の前に再度打水するという紛らわしい行動をした連結態です。
腹部を振った時に偶発的に接水したようです。動きが激しく目視できなくても、写真では様々な発見があります。

打水後、ホバリングして腹端の水滴に生殖口から卵を排出している場面


打水から1秒後に再度打水


上から0.5秒後 飛び上がったところ 打水時に放卵していないことが分かる この後、岸沿いに移動した


放卵後次の打水に向けてホバリングする個体の腹端 水滴が付いていない状態

2024.10.17 長野県

連続打水産卵、連続打泥産卵については、当所では一度のみですが、後者の産卵を目撃しています。

左は草叢のなかの泥土に産卵する連結態 右は通常パターンの産卵


連続打泥産卵

2022.10.14 長野県

参考までに、別の生息地の殆ど水がない泥田で連続打泥産卵する様子です(2019年10月に掲載済み)。

連続打泥産卵





2019.10.6 群馬県

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アキアカネ 2024<11月②>

2024-11-15 | トンボ科アカネ属

<11.7>続編

ひっつき虫

この時期のトンボ撮影で厄介なのは衣服に付くひっつき虫。そのひっつき虫に絡んだアキアカネを目撃しました。
産卵に集合する水田から直線距離で500m離れ、時々休止を見る草原で、ねぐらと思われる場所でのことです。
連結態で飛翔中、交尾を嫌う♀が暴れて♂、♀ともにコセンダングサの実に引っかかったものと推測しました。
すんなり交尾していれば、こんな悲劇には至らなかったはず。残念ながらここで絶命するのは免れません。

コセンダングサが群生する草原で様子がおかしい個体を目撃 連結は解除していた


♀(下)は暴れ回るが、♂は動けない状態


よく見ると、♂の腹部と♀の翅が実のとげに引っかかっていた


産卵タイムが終了した12時50分頃、同じ草原に交尾態が飛来しました。ここで交尾態を見たのは初めてです。

草原に飛来した交尾態 どこから来たのか草原での捕捉ではなさそう




移動後 危険と隣り合わせのコセンダングサの近くに止まった


再移動後 付近の水溜まりで産卵を始めたが、即飛び去る

2024.11.7 神奈川県

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アキアカネ 2024<11月①>

2024-11-12 | トンボ科アカネ属

<11.7>

立冬

立冬を迎え、急に冷え込んで木枯らし1号が吹きました。アキアカネの連結産卵を撮影して今季も終わりです。
時期もやや遅く、行けば撮れる保証はありませんが、2年ぶりの田圃では前日の曇天の反動かまずまずの盛況。
10時半からの50分間に約30対が飛来しました。同じような環境でも、何故か一ヵ所の田圃に集まります。
同じ田圃で複数のペアが産卵始めると、警戒心が弱まり激しい動きが少なくなるので有難い。快晴で17℃。

稲刈り後の田圃の様子 水が残った田圃に飛来して産卵する






水際を好み、打水や打泥を繰り返す








打泥して腹端に泥が付着した♀


泥にべったり産卵する様子 腹部背面が褐色の♀のホバリングと打泥




腹部背面が赤色の♀の打泥




空中で♀を捉えた交尾態が隣接する乾いた田圃に静止した 付近での交尾態の目撃は少ない


移動後

2024.11.7 神奈川県

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