2012年までの回想、最終回です。
トンボを撮り始めた07年5月、最初に目撃したヤンマがクロスジギンヤンマでした。
品川区の公園で飛翔する♂を見てその存在を認識しましたが、とても撮影できるしろものではありませんでした。
続いて小石川植物園の人工池で産卵に出会っていますが、まだ撮影に不慣れでしっかり撮れていませんでした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<2009>
09年4月下旬、クロスジギンヤンマの羽化を狙って江戸川区のビオトープに行くと、早くも産卵が見られました。
2年ぶりに出会った産卵です。今度は至近距離からゆっくり撮ることができました。産卵は1時間以上続きました。
♀ 産卵
2009.4.29 東京都
<2010>
10年5月上旬、ヨツボシトンボの撮影に都内の池に行くと、クロスジギンヤンマの産卵が見られました。
♀ 産卵
2010.5.3 東京都
<2011>
11年4月下旬、昨年産卵を撮影した池に行きましたが、時期が早かったようで羽化直後の1♀のみの目撃でした。
♀ 羽化直後
何度も腹部を曲げる動作、この後元気に飛立つ
2011.4.30 東京都
約1週間後、再び出かけると、今度は生殖活動がピークを迎えていました。
♀ 産卵
♀ 飛翔 産卵移動
♀ 産卵
縄張りの♂が産卵中の♀を連結、近くの低木に止まりました。枝が被るので慎重に反対側に回り初めて交尾態を撮影。
近くから撮れる滅多にないチャンスでしたが、逆光で色が出ませんでした。一瞬で樹上に逃げられました。
交尾態
樹上に逃げられる
高い場所でゆったりと交尾が続きますが、姿を見通すことのできる角度は丁度逆光になります。
太陽に雲がかかるのを気長に待っていると、ヨツボシトンボを捕えた♂が交尾態の近くに止まりました。
しばらくして、交尾態に気付いた♂が捕食もそこそこにして交尾態の♂に掴みかかり3頭が離散しました。
個体数が多いと様々な場面に遭遇する楽しみがあります。
♂ 静止 ヨツボシトンボ♀を捕食
2011.5.8 東京都
翌週の5月中旬、再び池の様子を見に出かけました。時々強い風が吹き、珍しく♂のホバリングが見られました。
やっと飛翔が撮影できました。この年は個体数がとくに多かったようです。
♂ 飛翔
2011.5.15 東京都
♀ 産卵
2011.6.15 群馬県
<2012>
12年は、都内のヨツボシトンボの池にザリガニが大発生してクロスジギンヤンマの姿が見られませんでした。
5月中旬、遠征した桶ヶ谷沼でヨツボシトンボを捕食した♂を撮影したのみに終わりました。
♂ 静止 ヨツボシトンボ♀を捕食 捕食され卵を排出
2012.5.13 静岡県
2012年までの回想です。
日本で一番美しいヤンマとも言われるマダラヤンマ、その存在を知って、当然撮りたくなりました。
最初の出会いは意外に早く、トンボを撮り始めた翌年の08年でした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<2008>
08年、公表されている栃木のマダラヤンマ保護区に初めて訪れました。
個体数は少なく、ギンヤンマが飛び回るなか個体の識別だけでも大変でしたが、一度だけ止まった♂が撮れました。
♂ 静止(・・・初撮り)
2008.9.13 栃木県
09年も、撮ることは撮りましたが遠過ぎでした。止まるのは一瞬なのでワンチャンスしかないとの印象でした。
<2010>
3年目の栃木のマダラヤンマ、2回目に出かけた9月下旬、撮り易い場所に止まり、やっと横から撮影できました。
ホバリングする個体にも出会いましたが、接近する前に消えてしまい、撮影できませんでした。
♂ 静止
2010.9.26 栃木県
10月上旬、初めて長野の保護区にも出かけましたが、日が悪かったのか目撃は2♂のみで全く飛びませんでした。
<2011>
11年は、9月上旬、10月上旬の2回、栃木に行きましたが、個体数が少なく巡り合わせも悪くて撮影できていません。
9月下旬、昨年に続いて遠征した長野では、午前中はそこそこの個体数が見られ、漸く静止の♂が満足に撮影できました。
ただし、気温は22℃止まりで殆ど飛ばず、午後からはさっぱりでした。
♂ 静止
♂ 飛翔
2011.9.24 長野県
<2012>
12年のマダラヤンマは、9月下旬、栃木より先に長野に出かけました。気温は28℃まで上昇しました。
朝のホバリングを撮影して別の池に移動。暑い午後は、休止する個体ばかりでしたが、動きが鈍く撮り放題でした。
♂ 飛翔
♂ 静止
夕方のホバリングがなかなか始まりません。暗くなる頃、漸く1♂が現われ、蒲の間から苦労の末撮影しました。
♂ 飛翔
2012.9.22 長野県
翌週は栃木に出かけました。気温が30℃近くに上昇。ホバリングが見られたのは午前中のみでした。
これまでになく♂が池岸近くに出て何度も止まりました。数年来なく個体数が多い証です。
♂ 静止
10時半頃、執拗に探雌する♂が見られ、しばらく目で追っていると交尾態が葦原から飛出して近くに止まりました。
一瞬で飛びましたが、何とか被らない位置での撮影に間に合いました。遂に交尾態を撮影。運が全てでした。
交尾態
2012.9.29 栃木県
10月に入った翌週、この年個体数が多いとみられる栃木は間違いなく狙い目です。再び出かけました。
天気予報が外れて現地は雨でしたが、午後から晴れて25℃まで気温が上昇。
待機した池では、葦原の中に数頭の♂が潜んでいましたが、全く飛びませんでした。
14時半頃、違う池でホバリングしている様子を察知しました。駆けつけてぎりぎり間に合いました。
♂ 飛翔
2012.10.7 栃木県
<2012>の続きです。山形のオオルリボシヤンマです。
*山形編*
12年9月上旬、山形のマダラナニワトンボに2日間遠征して常時飛び交うオオルリボシヤンマを撮りました。
初日は標高約300mの中間湿原。午後に多数の♀が産卵し、産卵を終えた♀をすかさず♂が追いかけます。
交尾態になって池から林に飛び去るペアも目撃。他所ではまず見られない光景でした。
日が傾いてルリボシヤンマが現われて縄張り争い、ギンヤンマが飛び回り、オニヤンマも乱入。賑やかでした。
♂ 飛翔
♀を追尾する♂
2012.9.9 山形県
2日目は標高約600mにある池です。朝からオオルリボシヤンマがパトロールしていました。
午後になると産卵が目立ち、2、3頭の♂が追尾します。バトルの合い間に木立で休止する♂が見られました。
♂ 静止
♂ 飛翔
♀ 飛翔 産卵移動
♀ 産卵
♀を追尾する♂
夕方近くになるとルリボシヤンマ顔負けのホバリングをする♂が現われました。
♂ 飛翔
2012.9.10 山形県
2012年までの回想です。
オオルリボシヤンマは関東でも出会えますが、北に行けば普通に見られるので、遠征ついでに撮るつもりでした。
09年、たまたま撮りましたが、やはりその気で行かないとしっかり撮影できず、結局12年に持越しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<2009>
09年8月、裏磐梯にアマゴイルリトンボを撮りに行き、タイミングよくオオルリボシヤンマの産卵に遭遇。
これが最初の出会いです。♂も目撃しましたが、飛び回ってお手上げでした。
♀ 産卵(初撮り)
2009.8.17 福島県
10年8月、オオルリボシヤンマをメインに長野に行きましたが、山の天候が急変、撮影できずに帰ることに。
11年は天候不安定で出発を見合わせるうちに時季が終わり、結局、09年以来2年間撮影できませんでした。
<2012>
これ以上先送りはできず、12年は計画を練って長野2ヵ所、山形2ヵ所で撮影。漸く天候に恵まれました。
*長野編*
9月に入り、以前から行きたかった大町市の低層湿原に行きました。幸先よく湿原の入口で♂が飛び交います。
先に進むとルリボシヤンマもいましたが、後回しにして、開けた一角で待機しました。
午後になると、次々に♀が飛来して産卵。2、3頭の♂の追尾飛行が見られ、期待どおりの展開になりました。
しかし、♀は草陰に隠れて満足に撮影できないまま時間が経過。日が傾くと♂は殺気立って♀追い回しました。
♀は産卵せず、逃げ回るばかり。池は大盛況でしたが、しっくりこないまま時間切れになりました。
ホバリングする追尾の♂
産卵移動の♀
♀ 産卵
青色型の♀
♀ 飛翔(ホバリングする上を♂が通過)
2012.9.1 長野県
2回目は翌々日です。ムツアカネを撮ってから標高2100mの観光地の池を訪れました。
オオルリボシヤンマはピークアウトしていたようです。所々で産卵は見たものの、♂は全く飛びませんでした。
低木の下で産卵に専念している♀を撮影しているとカルガモ親子が接近してきますが、逃げる気配がありません。
そのまま通過したと思った瞬間、親に連なる子の1羽に餌食にされました。あっけにとられ撮り損ないました。
♀ 産卵
♀ クリーニング行動
池の端で、すでに飛ぶ力を失ったと見られる個体を見つけました。不本意ですが、やらせです。
♂ 静止
2012.9.3 長野県