ヤンマ探索記

トンボの観察記録です。

タイトルはヤンマですが、トンボなら何でも撮ります。
勿論、ヤンマが優先です。

ミルンヤンマ 生態写真集

2024-01-31 | ●ミルンヤンマ生態写真集

ミルンヤンマ 生態写真集 (2013~23) 編集2024.1

交尾態  交尾態に出会うこと自体が稀であり、目撃しても大概は高い梢に着地する 撮影するまで13年を要した   

2023年8月中旬の猛暑日の16時20分頃、多摩の水路で水面から約2m半の高さで静止する交尾態を撮影した
以前、産卵中の♀を捕捉した交尾態を何度か目撃しているが、撮影できたのは後にも先にもこの1対である

静止していた交尾態





2023.8.12 東京都

産卵  コシボソヤンマと同様、落着くまではかなり敏感であるが、産卵に専念すると接近しても動じなくなる

2009年9月、鎌倉の渓流でコシボソヤンマ探索中に産卵に出会って初めて撮影 以来、当地で10年間観察した
11、12年は目撃なく、埼玉に行っていたが満足に撮れないうちに生息が怪しくなり、13年に当地の個体が復活
以下、19年の土砂崩れで観察不能になるまで、13年から年次順の産卵の記録である

当地では8月20日頃から9月中に目撃 混生するコシボソヤンマより流域から離れた場所を好み水面際では見ない
産卵基質は殆どが朽木で、たまに生木に産卵することがある

目撃はしても撮りたい場所で産卵することは少ない 9月上旬 漸く朽木の上に出てきた♀


♂と同様、複眼が美しい 

2013.9.8 神奈川県

翌年の8月下旬 川沿いの湿地を転々と移動して、結局上と同じ朽木で落着いた♀



2014.8.24 神奈川県

8月中旬に産卵を試す若い♀ ここでは産卵していない

2016.8.15 神奈川県

9月上旬 狙っていた朽木に止まった♀




人工物の橋柱に産卵 コシボソヤンマが好む場所

2016.9.6 神奈川県

9月中旬 前日の雨で水浸しの湿地に着地 1ヵ所数秒間で折れた枝を転々と移動して産卵


水面から1m半の高さにある崖の生木に産卵

2016.9.17 神奈川県

典型的な産卵環境 8月下旬 流れから2m程離れた場所にある朽木に産卵 丁度日が射した


大きな朽木に移動して落着く ここで約20分間産卵


朽木の側面での産卵を上から撮影


同じ日、若い♀が数ヵ所を移動して産卵を試す 概して若い個体程落着かない

2017.8.22 神奈川県

9月下旬の老熟♀ 産卵意欲が旺盛で1時間近く産卵した



2017.9.29 神奈川県

9月上旬 これまで最長の約1時間の産卵 流れ沿いの土手に埋もれた朽木 ここではコシボソヤンマも産卵する



2018.9.9 神奈川県

8月下旬 若くて綺麗な♀ 水面から高さ1m半程の倒木の端で産卵 




流れから離れた橋柱に産卵

2019.8.25 神奈川県

以下は西多摩の水路での産卵の様子 2014年に当地で観察を始めたが、20年から個体数が急激に減少している
上流から下流まで産卵場所が分散するので発見の確率が低い 時期は遅めで8月下旬から10月中旬に目撃する

10月上旬 水路対岸の崖の朽木で産卵

2016.10.4 東京都

流れから50㎝程上の朽木の裏側で産卵していた♀が出てきた

2019.10.5 東京都

産卵場所を探す♀ 苔に産卵したわけではない


流れから1m程上に横たわる倒木に産卵



2019.10.10 東京都

流れの中央に突き出た倒木に産卵 目立つ場所で約3分で飛び去った



2020.10.5 東京都

8月下旬 この時期の日中は♂が飛ばず、あまり警戒せずに産卵する






これも若い個体

2021.8.27 東京都

水路対岸の土手で産卵場所を探す♀ 直後に♂に捕捉された

2017.10.5 東京都

産卵場所を探して水路を遡上する♀

2021.9.29 東京都

産卵の一時休止  産卵に没頭する前の♀は驚くと近くの枝に一時避難する ストロボ光に反応することもある

産卵場所のすぐ上の枝に止まる個体は大概産卵を再開する 休止は20分程度が多いが、長いと30分以上に及ぶ
一方、産卵意欲が旺盛であると数分間で降りてくる 降りてきても元の場所で産卵するとは限らない

産卵休止してやや高い梢に止まった♀ 4分程で産卵再開したが落着かなかった

2019.8.19 神奈川県

産卵していた場所から離れた高い梢に止まると産卵再開は期待できない

2018.8.27 神奈川県

近くに止まっても近辺で産卵を再開するとは限らない 静止後に飛び去った♀

2019.8.25 神奈川県

産卵再開時の行動  一時休止した♀の産卵再開時において、飛ぶ前に腹部を屈伸する行動を度々目撃する

産卵意欲旺盛で休止が短時間の場合では大半の個体に共通する行動で、この動作後は間違いなく飛立ち産卵に向かう

止まって1分もしないうちに腹部を曲げ始めて2分程で産卵を再開

2023.8.27 東京都

20分間の産卵後、止まると同時に腹部の屈伸を始めて3分後に産卵再開

2019.10.10 東京都

止まって3分後に屈伸を始め、40秒間何度も繰り返して産卵再開



2018.8.27 神奈川県

止まって1分程で大きなアクションをして2分後に産卵再開



2023.9.5 東京都 

探雌行動  西多摩では9月以降の日中、250m程の水路に沿って短いホバリングを交えた探雌飛翔を目撃する

当地では普段の光景であるが、探雌のパターンは地域差が大きく、鎌倉では流れ沿いでの探雌行動を殆ど見ていない

水路上を飛ぶ♂ 飛来の頻度は20分に1回のペースが多い

2015.9.24 東京都






2017.10.9 東京都

崖の草叢で探雌する♂

2022.9.28 東京都

ホバリング  西多摩では、約3mの範囲の澱みに2分程留まって2、3秒間のホバリング飛翔をする♂が現われる

上流、下流双方から探雌飛翔する♂が丁度出会って争いになる場所で♀はあまり飛来しない 縄張り占有行動である
目撃することは稀で、撮影した時期は9月下旬から10月上旬に限られる

10月上旬 谷底でホバリングする♂


澱みでホバリングする♂

2018.10.2 東京都

目撃するポイントは例年同じ澱みである



2019.10.5 東京都

9月下旬のホバリング







2022.9.28 東京都

静止  ♂が静止するパターンは様々で、とくに探雌の一環の♀待ちは気温上昇のぶら下がりとの区別が困難である

9月中旬 水路から離れた林のなかで摂食後、静止した♂ 

2013.9.19 東京都

8月中旬 やや高い梢の♂ ♀待ちなのか単に夕暮れ時の活動を待つのか 

2018.8.18 神奈川県

流れの脇の低木に止まっていた♂ 鎌倉の渓流でこの時期に時々目撃している

2018.8.16 神奈川県

8月上旬の猛暑日の若い2♂ 明らかにぶら下がり状態 観察中に左の♂が止まった



2022.8.3 東京都

やや高い梢の♀のぶら下がり



2018.9.8 神奈川県

若い個体と成熟前の個体  薄暗くやや高い場所の静止個体を8月に撮影 羽化期が長く8月下旬でも未成熟を見る

若い♂ 複眼の緑色が濃くなる前


若い♀ 同上

2023.8.12 東京都

半成熟♂



2019.8.16 神奈川県

未成熟♂


半成熟♀ 成熟過程で♂と見間違える程スリムな個体 まだ産卵しない段階

2022.8.3 東京都

さらに若い♀ 生殖器が未発達

2022.8.3 東京都

未成熟♀ 

2017.8.22 神奈川県

コメント
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