<11.7>続編
ひっつき虫
この時期のトンボ撮影で厄介なのは衣服に付くひっつき虫。そのひっつき虫に絡んだアキアカネを目撃しました。
産卵に集合する水田から直線距離で500m離れ、時々休止を見る草原で、ねぐらと思われる場所でのことです。
連結態で飛翔中、交尾を嫌う♀が暴れて♂、♀ともにコセンダングサの実に引っかかったものと推測しました。
すんなり交尾していれば、こんな悲劇には至らなかったはず。残念ながらここで絶命するのは免れません。
コセンダングサが群生する草原で様子がおかしい個体を目撃 連結は解除していた
♀(下)は暴れ回るが、♂は動けない状態
よく見ると、♂の腹部と♀の翅が実のとげに引っかかっていた
産卵タイムが終了した12時50分頃、同じ草原に交尾態が飛来しました。ここで交尾態を見たのは初めてです。
草原に飛来した交尾態 どこから来たのか草原での捕捉ではなさそう
移動後 危険と隣り合わせのコセンダングサの近くに止まった
再移動後 付近の水溜まりで産卵を始めたが、即飛び去る
2024.11.7 神奈川県
<11.7>
立冬
立冬を迎え、急に冷え込んで木枯らし1号が吹きました。アキアカネの連結産卵を撮影して今季も終わりです。
時期もやや遅く、行けば撮れる保証はありませんが、2年ぶりの田圃では前日の曇天の反動かまずまずの盛況。
10時半からの50分間に約30対が飛来しました。同じような環境でも、何故か一ヵ所の田圃に集まります。
同じ田圃で複数のペアが産卵始めると、警戒心が弱まり激しい動きが少なくなるので有難い。快晴で17℃。
稲刈り後の田圃の様子 水が残った田圃に飛来して産卵する
水際を好み、打水や打泥を繰り返す
打泥して腹端に泥が付着した♀
泥にべったり産卵する様子 腹部背面が褐色の♀のホバリングと打泥
腹部背面が赤色の♀の打泥
空中で♀を捉えた交尾態が隣接する乾いた田圃に静止した 付近での交尾態の目撃は少ない
移動後
2024.11.7 神奈川県
<11.3>
文化の日
トンボのシーズン終了を意識させられる文化の日。終盤間近のコノシメトンボの連結産卵の撮影に行きました。
産卵は11時半頃に始まり12時20分頃に短時間で終了。時季が遅かったのか、飛来数はまばらな状況でした。
雨上がりの秋晴れ、正午の気温は22℃で気象条件は上々でしたが、思うようになりません。
連結産卵 何時ものことながら岸辺近くには滅多に来ない
珍しく岸辺に来た連結態
草原の♂が目立つ終盤のムード 交尾態は3対目撃したがまともに撮影ならず
2024.11.3 東京都
<10.31>
挽回を期待
10月下旬はアカネ属の産卵撮影に専念する時季ですが、昼前にすっきり晴れる日がないまま月末を迎えました。
漸く朝から晴天。1週間前に行って、極端に出が悪く撮れずに終わったミヤマアカネを最優先に出直しました。
岸辺の状態に昨年から大きな変化はなく、前回の低調は日が陰り気味、高気温が原因と思われ、挽回を期待です。
10時20分頃に産卵が始まり、11時前後に連結態が集中しましたが、計10対程に留まり1時間でほぼ終了。
敏感なうえ動きが激しい産卵撮影には最低限の個体数でした。今季は少ないようです。前週より5℃低く20℃。
10時20分頃 最初の連結態が産卵 水深が浅く大小の石がゴロゴロするわんどを好む
わんどの砂地での産卵
本流側の草地での産卵 草陰に入り込むとお手上げ
産卵場所が決まるまでは高速で飛び回って産卵時に減速する
打水後のホバリング
最初の交尾の目撃は10時頃で15分後に活性化 交尾態は川原の石に止まることが多い
連結産卵が一段落すると、たまに単独産卵する♀が現われます。連結態のように移動することはありません。
11時半頃 約2分間の単独産卵を目撃
産卵後の休止 すぐ近くの石に止まる
産卵時間が終わる頃、縄張り♂が多分産卵後の♀を捕捉して、交尾態で飛び回ったり静止を繰り返していました。
交尾飛翔に見えても実際には交尾しておらず、♂が諦めないので1時間に亘って同じ行動が見られました。
11時40分頃 交尾拒否 産卵後の♀を捕捉したようで交尾が成立しない ♀の左前翅が欠損している
飛び回って何度も止まり進展なし ♂は連結を解かない
連結産卵が終盤になると、マユタテアカネの交尾態がちらほら見られるようになり、わんどの岸辺で産卵します。
<マユタテアカネ> 11時20分頃の交尾態 多くはないがそれなりに見られた
2024.10.31 東京都
<10.15>
激しい動き
リスアカネの連結産卵、久々に真剣に撮ろうと構えましたが、動きが激しくてナツアカネのようにはいきません。
11時半頃に連結態が多数現われたものの、縄張り♂の干渉で変幻自在に飛び、卵の落下は殆どヒットしません。
一斉に姿を消しては再び現われる繰り返しで、正午過ぎから、動きがやや緩慢になった連結態が増えてきました。
産卵を終えた♀が♂に捕捉されて、再び産卵する連結態のようです。いくつか撮って12時半でほぼ産卵終了。
密かに狙っているのは♂型♀、いわゆる赤♀ですが、今回も目撃はありませんでした。最高気温27℃。
激しく動く連結態
縄張り♂に捕捉された産卵後の♀
午後はカトリヤンマに専念しましたが、気温が高過ぎたか、ホバリングはまったく見られず、すぐに止まる状態。
産卵も少ないうえに超敏感で、まともに撮れないまま終了しました。
産卵ポイントの低い枝で♀を待つ♂
探雌して日が射す湿地で静止する♂
2024.10.15 埼玉県