私の塾に来る高校生は、
理系であってもとても英語がよく伸びます。
それは、徹底的に英語を理詰めで知識を
積み上げていく教え方をしているからです。
英文を正しく読む。英文の文構造をしっかりと把握した上で、
内容をつかんでいくことを大切にしています。
私が高校生のときは、もちろんインターネットなんぞはなく、
当時は、教科書以外で、自分の力をつける英語教材には、
英字新聞や、学校の図書館で借りる英文のエッセイ集や、
ラジオやテレビのNHKの放送がありました。
これは、何度も書いたことがあるので、
今更繰り返すことはしませんが、
今はなき国広正雄さん
(NASAが月にロケットを送り出した時に同時通訳をしていた人です。)
が番組を担当していたテレビの英語会話中級は本当に勉強になりました。
自分の英語力をアップさせるのに
最も影響を与えてくれたのが、国広さんの番組です。
残念ながら、学校指定の教科書は、面白くなく、
実際授業もつまらなかったです。
だから、学校の授業を聞いているだけでは、
英語は全く伸びなかったです。
高一の時に、担任だった先生は東京外大で
英語を学んだ英語の達人でした。
確かに、英語の授業は熱がこもっていましたが、
羅列的な英語文法の説明はあまり頭に入りませんでしたし、
その先生が担任だったので、
毎朝のホームルームの際にやってくれる単語テストでは、
全く単語を覚えられませんでした。
ところが、神様は僕を見捨てなかったのです。
何気に人の噂から「しけ単」という単語集が
いいらしいというのを聞いて、僕はすぐに本屋に
行きました。
本屋でその単語集を手にして前書きを読みながら、
そのあまりの説得力に感動したことを今でも覚えています。
学参にこんなに想いを託せるというのは
著者の森一郎氏はすごい人なんだなと思いながら、
レジにその本を持って行って買いました。
家に帰るとき、電車の中で、「しけ単」を読みながら、
これはとってもエネルギーと英語学習のアイデア一杯の
本だなと感じました。
今まで単語を覚えることが億劫だった私は
次の日からガラリと変わりました。
毎日、毎日1ページの10個〜12個程度の
単語を記憶し始めたのです。
必ず新しい単語を覚える前に、1日前に覚えた単語の
チェックは忘れないようにしました。
すると、どんどん頭に入りました。
今まで、担任の先生がやってくれていた単語テストで
全く頭に入らなかったものが、
この「しけ単」は違いました。
まるでスポンジに水が染み込むが如く頭に入ってきました。
この時、英単語を覚えることの楽しさを初めて知りました。
この「しけ単」に出会えて本当にラッキーだと思いました。
それは、今まで砂を噛むようにつまらなかった単語の勉強が
とても充実したものになったのです。
良い人と出会うことも大事ですが、良い書物に出会うことは
それ以上に大事だと思いました。
16歳くらいから18歳までの頃の記憶力というのは
人生のピークだそうです。この年頃に覚えたものは
実は一生ものになります。
まさにパーマネントに脳に刻まれてしまいます。
間違ったアクセントも刻まれてしまうので、
アクセントを間違って覚えるとまず修正が効きません。
半年ほど毎日毎日「しけ単」をいつもポケットに入れて
ひたすら覚えてほぼ1200個ほどの単語を頭に入れてしまいました。
そして、今まで模試などで読めなかった長文を読んでみると、
実にスラスラ読めるようになっている自分に気がつきました。
「しけ単」のおかげで、新しい世界が見えたような気がしました。
そのあと、模試を受けると、学年でトップクラスの成績をとっていました。
しけ単のすごいところは、単語の語源で、
その意味を説明してくれているところです。
実は、語源というのは、
私たち日本人が漢字を覚えるときに
部首で漢字の意味を知るように、英語にも
語源で単語が作られてきた歴史があります。
この知識を入れてながら単語を覚えるかどうかで、
その後の英単語ボキャブラリーの増強にとても
影響を与えてしまいます。
中学校時代の英語においては、基本単語は丸覚えしかありません。
hand はハンドですが、「手」と覚えるしか手がないのです。
でもimpressive なんて単語は im-press -ive という接頭語ー語幹ー形容詞形語尾
imは強調で、強くという意味です。 press は押す という動詞語源です。
強く心の中に押すので、「印象」という意味があります。この単語から、
派生語として、 名刺は impression 、副詞は impressively
接頭語を de に変えると、 depress,depression, depressively なんて
どんどん単語が増えて行きます。こういう風に語源を知っていると、
どんどんと芋づる式に記憶量が増えてくるのです。
私は、しけ単でこのようなことを知らず知らずのうちに学んでいたのです。
これはすごいことで、しけ単の見出し単語はたった1200語ですが、
派生語を入れていくと一気に3倍の3000語レベルまで増えて行きます。
ここまでくると、大概の長文は読めるようになってきます。
実は、これは日本語でも同じなのですが、いくら漢字を覚えても
それを文章の中で、読まない限り使い方をマスターすることはできません。
文章を読んだり、書いたりしながら、言葉の使い方を習得していきます。
これは、馴染みのない英語なら尚更です。英語の語感をつけるには、
英文の多読が大切なのです。
学校から指定される教科書程度の量ではあまりに少なすぎます。
英語をインプットするには、とにかくあまり難しすぎる内容ではなく、
A4の1ページの英文ならば、知らない単語は数個くらいなら、
なんとか類推して読むことができるレベルの英文をとにかく
たくさん読むことが大切です。
そのための教材として、力のある人なら、ネットの英文はおすすめです。
今回引用した英文は実はアメリカのヤフーのトップ画面から
引用したアップルに関する記事です。実に読みやすい英語で書かれています。
興味ある人は、一度読んでみてください。
さて、次回はみなさんの英語のレベル別にネットの記事だけでなく、
無料で読める物語や、エッセイや評論などをご紹介します。
では、次回をお楽しみに・・・
注意:しけ単を手に入れようかなと思われた高校生に・・・
(基礎的な単語力がない人はこのしけ単はオススメしません。
しけ単をやるまえに学校指定の単語集をマスターしてから
購入するといいですね。)