東京タウンウォッチング情報 & 経営コラム 「経営コンサルタント・安岡裕二」の情報とヒント

ホットな街、店の現場から“時代”が見えるタウンウォッチング。経営に関連するヒントを独善的に“切る”短文のコメント。

東京タウンウォッチング メーカー直営店(アンテナショップ)大流行 「東京おかしランド」など…

2012-07-05 21:41:02 | 銀座・日本橋・人形町・東京・丸の内
東京タウンウォッチング メーカー直営店(アンテナショップ)大流行 「東京おかしランド」など…

 東京駅地下2階「東京一番街」に「おかしランド」という おかしな!?ゾーン発見!! 中身は、メーカー直営のアンテナショップ というか、メーカーのブランド戦略の発信拠点というべきショップが集積した一角である。

  

グリコ、森永、カルビーetc.出店しているが、作り立てを買えて、その場で食べられるとあって女性の行列が出来ている。一番人気は「カルビー」(写真)だが、最近のアーモンド人気に“アーモンド元祖はこちら”とばかりに、辛み、甘味など味付きアーモンドのグリコの試食コーナーもなかなかのもの。 又、お台場のダイバーシティにも同じような店が出店していて、更に広がる気配。

 “見て、触って、試して 合点”じゃないけれど、そば業界にも“挽き立て、打ち立て、茹でたて”の3タテという言い伝えがあり、お客様には作ったばかりの旨さを味わいたいという願望がある。そこを突いた商法だが、実はメーカー側にも事情がある。

 それは、スーパー、コンビニに広がるPB(プライベートブランド)商品の伸長である。スーパー同士の提携による共同仕入れで、一流メーカーに委託生産し、メーカー品より割安に独自ブランドとして売る。製造者が名の通ったメーカーで、ワンランク安く買えるとなれば、“安心感と安さ”が手に入る訳で消費者が手に取るのは当たり前だ。

 メーカー側にとっての仕組みはBlack Box だが、同じ利幅を確保出来たとしても、プロパー品の比率が下がればジワリと収益に響いてくるだろう。そこに、メーカーブランド品のブランド力復活、強化したい事情がある。であるからこそ、お客様のメーカー品指名買いを増やす「直営ショップ」戦略の意味がある。

 今をときめくアップルのスティーブ・ジョブズは、早くから顧客に直結するブランド戦略の重要さに気がついていた。その象徴が、銀座のど真ん中に全館アップルのハード、ソフト、プレゼン施設で埋め尽くした「アップルストア」だった。アメリカ企業は短期志向だと言われるが、イノベーションを起こす人物は、さすがに長期に、しかも顧客が求める価値は何かから発想する。「すでに起こった未来を探せ」(ドラッカー)とは、さすがの炯眼である。

*「東京一番街」…JR東京駅地下2階「銀の鈴」のあるエキナカ食品街「グランスタ」のあるフロアから八重洲方面改札を抜けた正面にあります。因みに、このゾーンは、JR東海が地主さんで、東京らーめんストリートやキャラクターストリートなど特色づくりに力を入れています。
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