<o:p></o:p>「酔いが醒めるまで花札でもする? 二人で何か面白いこと?」<o:p></o:p>
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「賭けをしない。」<o:p></o:p>
「ちょっと待って!」<o:p></o:p>
彼女のハンドバックの中で携帯電話が鳴った。彼女は画面をのぞき見ると、ふうとため息を吐いてから電話に出た。<o:p></o:p>
「お母さんよ。どうして泣いているの?そう、そうなのよ!小母さんにおいしいものをもらって、そうして。お母さんは友達と会って少ししてから帰るつもり。じゃ、わかった。じゃ、お母さんは忙しいから、これで切るね。」<o:p></o:p>
彼は彼女が通話をしている間ほとんど息を殺していて、ポケットの中から携帯電話を取り出しベルの音を振動に代えるマナーモードにした。<o:p></o:p>
「なんの賭け?行かなければならないんじゃないの?」<o:p></o:p>
「いいのよ。」<o:p></o:p>
彼女が軍用毛布と花札を引っ張ってきて、彼はテーブルを一方に押した。<o:p></o:p>
「服を脱ぐというのはどう?」<o:p></o:p>
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「あの子はどうしてしょっちゅう転ぶの?」<o:p></o:p>
シャワーを浴びて出てくるや、裸の彼女はベッドの上の布団の中から頭だけ突き出したままテレビを見た。マンチェスターユナイテッドで活躍しているサッカー選手朴チソンを念頭においての言葉だった。厚いカーテンが窓を塞いだモーテルの部屋でただ一つ照明の役割を果たしているのがテレビだった。実は彼は明るい所で彼女のすべてを見たかったが、彼女はそうではなかった。どこかに潜んで狙っているかもしれない隠しカメラに対する不安からだった。彼も彼女の横でクッションに背の半分ぐらいもたれて、関係後の気怠さを楽しみながら、いつでも転ぶ朴チソンの後ろ姿を追った。<o:p></o:p>
「ファウルを取るために計算した行動じゃない?」<o:p></o:p>
「けがをしたら自分だけ損するじゃないの? 昔のように落胆した国民のために希望を伝える時期じゃないのに、なぜあんな無謀な行動をするの?」<o:p></o:p>
姿勢を変えて横になった彼は、布団の中へ手を押し込んで彼女の胸やお腹、股間を軽くなでた。日の明るい昼間に二人の人間がモーテルで滞在できる時間は2時間だったが、まだ1時間も過ぎていなかった。会う回数が増えて、薄暗いモーテルでの午後の時間を送る日々が多くなって、テレビのチャンネルを回す手の動きも一緒に忙しくなった。しばらく休む時間を利用してテレビを視聴して、また暗闇の中に入って愛を交わすことを繰り返した。1か月に2回程度しか会えない立場なので、会って別れるまでの時間は本当に試験問題を1分で1問ずつ解いても足りないほど大事で貴重なものだった。彼はもどかしい時間の破片で組み合わせたような彼女の体の隅々を昔と少しも違わないように復元させようと軽くなでた。そうすると彼女のか細い喉から短いため息が出て、ふあという声と一緒に朴チソンが出場した競技を中継していたテレビの音が消えてしまった。闇の中で二人はずっとお互いの体のあちこちを探し、深い洞窟を彷徨うめくらのエビに変化してしまった。<o:p></o:p>
「私達・・・一緒に暮らさない?」<o:p></o:p>
カチカチに固くなったような彼女の喉を温かい舌でほぐしてやっている時に、ため息のように漏れ出た彼女の言葉だった。はるかに遠い崖を這い上がっていて大きい石にぶつかってずずっと滑り落ちていくように、彼は彼女の体の上に空っぽの袋のように崩れた。そしてしばらく何もしなかった。拍子が重なり合う二人の息だけが闇の底の床で生まれていた。<o:p></o:p>
「そんなこと・・・できるかい。」<o:p></o:p>
彼は予想がつかない彼女の不意打ちのショートにふらついていることがばれないように努めた。<o:p></o:p>
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