
翻訳 朴ワンソの「裸木」53<o:p></o:p>
176頁~180頁4行目<o:p></o:p>
中央階段の欄干に斜めに手を突いて立って、せっかちなパルコムが泰秀を叱っているようだった。金属でピカピカする道具を5,6種類後ろポケットに突っ込んだ泰秀が、頭をあちこち掻きながらぎこちなく笑っていた。<o:p></o:p>
深刻な顔をしていたパルコムが、突然穏やかになり、泰秀の肩をポンとたたいて寛大な表情になった。そして、その寛大な表情を変えないまま売場を一回り歩き回った。<o:p></o:p>
泰秀は少し元気を失くして、サジンが指して立っていた欄干に寄りかかって、ポケットをガサガサさせながら煙草を探している様子だった。<o:p></o:p>
サジンの部屋から世話になるシュリの奴が階段を上がってきて、泰秀を見ると自分の首を手で切るしぐさをして、<o:p></o:p>
「fire?(解雇)」<o:p></o:p>
と尋ねる。泰秀は、<o:p></o:p>
「not yet(いいえ、まだ)」<o:p></o:p>
と言うと、その短い対話を契機に素早く気分を回復するように、顔に彼本来の悪戯っぽさがこもったけれど、後ろポケットから道具を二つほど抜き取って手慰みに叩きながら私の方へ来た。<o:p></o:p>
彼の尻が気遣うこともなく私の机の上に上がってきた。私は彼のポケットに残っている道具を抜き取って金きり声を出して、その性能を尋ねた。<o:p></o:p>
「これ何をするものなの?」<o:p></o:p>
「電気を減らすもの」<o:p></o:p>
「これは?」<o:p></o:p>
「電気を断つもの」<o:p></o:p>
「これは?」<o:p></o:p>
「鉄パイプを切るもの」<o:p></o:p>
「まあ、これだけ全部あれば銀行の金庫でも開けるつもりね」<o:p></o:p>
「ちぇ、泥棒稼業が容易いと思っている。他人の中も分からずに」<o:p></o:p>
「どうして何があったの?」<o:p></o:p>
「電線だけど、空の箱の間に隠しておいたのに、何か出てきてばれたんだよ。それがどこで盗んだものなのか。ドルを払って買ったものでも、むしろ泥棒の扱いなのでみみっちくて」<o:p></o:p>
「ここがどこだと朝鮮人がドルで物品を買うの。無礼で冷たい…」<o:p></o:p>
「お金を稼ぐことも思うより難しい」<o:p></o:p>
彼はいつもになくイライラした表情だった。<o:p></o:p>
「これもやられなかったの?」<o:p></o:p>
私はさっきのシュリの手つきを真似て喉をたたくしぐさをしながら尋ねた。<o:p></o:p>
「今回だけ許してくれたんだって? 恥ずかしくて…」<o:p></o:p>
「評価してくれたのよ」<o:p></o:p>
「他の人はドラックを帯びている時に電球一箱でひっかかるから、恥ずかしくて…どんなに苦労したか。電気用品売場のスーザン・チョンを何日も前から追い回して、初めて結んだ取引なんで、恥辱だけたっぷり受けたよ」<o:p></o:p>
「エイサン」<o:p></o:p>
金さんが毛筆を投げて伸びをした。<o:p></o:p>
「シーバル混血」<o:p></o:p>
銭さんも続いて毛筆を投げた。<o:p></o:p>
午後の気怠さと疲れが徐々に始まっていた。<o:p></o:p>
「エイシャン、シーバル混血」<o:p></o:p>
泰秀が更に欲を出して、一緒に大きく伸びをしていた両手のすべての指を組んで、後頭部に当て首を後ろに反らした。無心に天井を見ていた。彼の頭の上には、灰色のほこりに覆われていた白燭の電球がまっすぐに彼を照らしていた。<o:p></o:p>