『そぞろ歩き韓国』から『四季折々』に 

東京近郊を散歩した折々の写真とたまに俳句。

翻訳 これはパイプではない   NO.3

2012-04-21 15:19:50 | 翻訳

 

[翻訳] これはパイプではない          NO.3<o:p></o:p>

 

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 突然出てきたメモに彼女はプッと笑った。一つの娯楽プログラムの「私のギャクは・・・」をパロディーにして書いてみたものだ。数日前にある女性雑誌から今回出版されたイミジの自伝的長編小説についてインタビューを申し込まれた。彼女は断った。ゴシップの種を探している女性雑誌は小説よりはイミジという女性作家の商業的な部分にだけ焦点を合わせるのだろう。彼女が頑強に断ると、雑誌社側では書面でインタビューを申し込んできて、作家写真は使わない代わりに本の写真を大きく載せようと提案してきた。<o:p></o:p>

 

 昨夜メールボックスを開けてみると、初めの質問が「先生の小説を一言で表現すると?だった。イミジはそれを見て一人でぶつぶつ言った。「まあ、それをどうやって一言で言うの? それじゃ私がとっくに降りているよ。こんなにいまだに書いているのかしら? そうしてメールボックスを閉めていたのだ。さて、私の小説は・・・? 彼女は眠りを誘うためにベッドテーブルにあったウィスキーの瓶を取り出しストレートで一杯一気に飲み干した。何か強いものが彼女の口の中に当った。バカデー151かウオッカのような毒酒、死薬のようなエスプレッソ・・・酒の勢いが回るやとても偽悪的な気分になってしまった。手帳に「私の小説は・・・」と記してしまい、酔った勢いに突然いたずらっ気が動いていたのだ。交通事故、浄化槽、訪問販売、どんどんとるよ、イカ、塩、花束、コーヒー、アパート、おかず、無理強い、気違い、サイダー・・・そうしてキイキイ・・・<o:p></o:p>

 

餓鬼道に落ちた亡者に相応しくない門のギシギシ鳴る音のように、わざと気分が悪い音を出して笑ったので、気分がひとしおよくなったのだ。<o:p></o:p>

 

 夫は作業室で寝ているのか朝まで戻ってこなかった。腹が立ってきた。しかしそれのどこが私の間違いなのか。夫の怒り、それは一顧の価値もないと彼女は断定してしまう。「私の小説は」に「私の夫は」を載せてみた。あああ・・・しかしそれを理解することはできるだろう。小説家の夫がどこに普通の人なのか。小説家の夫は男ではない。夫の訓戒が当てはまることもある。すべてのことが彼女の小説「凶作の地獄」のためだ。小説が復讐している。女性小説家のイミジは自分が作った「凶作の地獄」のために今や地獄の妙味をしっかりと見ている中身もわからない。<o:p></o:p>

 

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ある日力の強い怪物が・・・・<o:p></o:p>

 

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 イミジは一人で遅い朝食を食べマグカップにコーヒーを入れて居間に行く。携帯電話を押して今日のスケジュールを点検する。夕方7時にシンサ洞の定員限定の店でフロンティア・グループのメンバーとの約束が入っている。テーブルの上に朝刊新聞が置かれている。朝刊を持って平らに広く広げる。見出しだけうわの空で読みながら、新聞を通して彼女は自分の本の広告を見る。文化面の下5段目の広告だ。出版後すぐに順に出てくる広告だ。彼女の顔の写真が紙面の半分を占めている。彼女はその顔を見知らぬもののように眺める。広告のコピーは誇張が過ぎて、少しこっけいに思われたりする。紙面の上段一角にボタンぐらいのシモーヌ・ド・ボーボアールの顔がイミジの写真をあざ笑うように見下す。「女は作られるのではなく生まれる」ボーボアールの言葉をあべこべに裏返した広告コピー。そこに「韓国の女性作家が自伝小説で、このように大胆に自分のすべてを告白したことはなかった!」「初キス、初経験、大胆な行動を如実に見せてくれる彼女の率直さ!」こんな文句がずらっと並んでいる。<o:p></o:p>

 

 広告を見るたびにイミジは困惑する。まるで自分の小説が自由奔放で乱れた女性タレントの憤りの告白書のように誤って伝えられているようだ。不快感と怒りとわびしさと恥ずかしさが混じって、まるで変な食べ物を口にしたように嘔吐感があったりした。大衆は小説家イミジを「凶作の地獄」の中の女性主人公と同一視するのだろう。小説家には自伝小説というタイトルがこんなに恐ろしいものなのか? 隠れる場所がないということが過酷なことだということをイミジは悟る。初めに出版社から自伝小説というタイトルを使うと言われた時、イミジは単純に考えた。敢えて比率を計算してみたら大体51パーセント程度の自伝的な要素があると思った。自伝小説ではなくて、実は大体2パーセント程度は不足だ。いずれにしても約51パーセントにはならない。しかしその不足の2パーセントは恐ろしい威力を発揮した。<o:p></o:p>

 



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