韓国語学習のための翻訳で営利目的はありません。
著者 : キム・ホヨン
(4)
愚鈍な熊は蜂蜜を吸う準備をしに登場した。今や冬が迫るので、ホームレスの身の上だった彼が温かいコンビニで夜を過ごすだけでも幸運じゃないか?そこで無料の食事をしてお金を稼ぐから、これこそ彼には蜂蜜を吸う状況だ。自分もそのことを知っているのだろうか、ドッコさんは今日も最大限さっぱりした身なりで8時5分前に到着した。
8時からシヒョンが退勤する10時までは接客とレジの計算を教え続けなければならなかった。そのあと10時からは社長に夜間勤務規則を学ぶだろう。今日は2日目。このように何日で彼が業務すべてを熟知するかわからない。シヒョンは自分に負荷された追加業務をしてはいるけれど、そのストレスをこの熊小父さんのところで解消することもできるだろうと思った。なぜかと言えば、やっと一日勤務した研修の分際でこの小父さんは入って来るや否や、シヒョンに挨拶もそこそこに倉庫へはいって行くと、しばらくしてコーヒーを持って出てきて窓の外を眺めながら飲んでいるではないか。それもマキシムのコーヒーミックスではないカヌーブラックを!カヌーブラックは社長が飲むように取っておいたものだ。シヒョンもオ女史もひそかに気を利かせて飲まないものを、コン・ユでもない熊が優雅なふりをして飲んでいるとは・・・みっともないに違いなかった。
「夜・・・しょっちゅううとうとして・・・コーヒーを続けて飲みます。これが・・・一番良かったです。」
いつのまにか近づいてきたドッコさんが内内の事情も知らずに言った。シヒョンは作り笑いをしてはっきり言い放った。
「カヌーブラックは糖尿がある社長さんだけがお飲みになるものです!」
ドッコさんがうなずいたけれど、独り言で何か言った。シヒョンはひょっとしたら罵ったのかと、かっとなって訊ねた。
「今何とおっしゃったのですか?」
「それが・・・やはり社長さんが・・・それで僕に勧めたのですね・・・。」
「えっ?」
「糖尿・・・それ、ホームレスに・・・多く発病します・・・。」
「何ですか?」
「ホームレスが・・・食事がめちゃくちゃで・・・腎臓が悪くなって・・・。」
「誰がそう言いましたか?」
「朝・・・朝の放送に出ている専門家が言いました・・・。ソウル駅でTV毎日見て・・・知りました。」
「はい、たくさんお飲みになってお体を大切になさってください。」