著者 : ジェフリー・ディーヴァー
出身地 : USA シカゴ
出生年 : 1950年
出版年 : 2014年
邦訳出版年 : 2015年
邦訳出版社 : (株)文藝春秋
訳者 : 池田真紀子
★☆感想☆☆☆
リンカーン・ライム・シリーズの第11作。連続殺人犯は地下で毒のタトゥーを皮膚に彫りこみ殺害する。タトゥーは短いフレーズが一つだけ。最初の殺人ではThe second, 次の犠牲者にはforty。素晴らしい書体で通常の刺青師だったら1時間はかかるところを15分ほどで完成させている。その数字の意味する所は何か。ライムの片腕アメリア・サックスは現場検証中に地上のマンホールの蓋のつまみ穴から覗く犯人の目を目撃する。犯人は犯行現場で警察の動きを観察している。ごくわずかの遺留品からライムがボーン・コレクター事件について書いた本のページの破片が見つかる。ここではライムが過去に解決した連続殺人事件、ボーン・コレクターとウォッチ・メイカ―事件とのかかわりが出てくる。一方、タトゥー連続殺人犯のビリー・ヘイヴンは、最愛の女性のことを思っていた。
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ラブリー・ガール・・・・
何年も前、彼女を初めて見たときのことを思い出す。といっても、そのときは本人に直接会ったわけではなく、写真だった。しかし見た瞬間に恋に落ちた。そう、ひとめ惚れというやつだ。それからまもなく、叔母が彼女を見てこう評した。「あら、かわいらしいお嬢さん(ラブリーガール)ね。悪くないわ」
それを聞いた瞬間、最愛の女性の彼なりの呼び名が決まった。
その少女は象牙色の美しい肌をしていた。
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未遂事件が2件続く。病院の地下と地下駐車場で。病院の地下ではサックスはビリー・ヘイヴンと遭遇するが逃げられてしまう。ラブリー・ガールはどこにいるのか、誰なのか。ビリー・ヘイヴンとは何者なのか。
どんでん返しがここでも唐突で予測できない。もう少し予測できるような構成にしてほしいと、ないものねだりをしてしまう。火曜日に始った事件が土曜日には解決している。いつものようにスピーディーだ。