裸体の絵や彫刻は、ヨーロッパで多く見られる。
豊満な裸体画は、自身の姿と引き比べくらべ、その悔しさのあまりの嫉妬により、醜悪なものと女性達からは蔑視・敵視されているかもしれないが、
洋画日本画浮世絵を問わず女性の裸体画は、世の男性達にとって大変美しいものである。
ティツィアーノ、ヴェロネーゼ、ティントレットに代表されるヴェネツィア派の描く豊満な裸体画を、修正することなど考えつきもしなかったヴェネツィアに引き比べて、
ミケランジェロの描く裸体のキリスト像の恥部を水色の絵の具で隠し、ギリシャの古代彫刻にさえ、わざわざイチジクの葉を付け加えさせたのはローマだった。
先日の旅のとき、たまたまフィレンツェでこの事例に出くわしたが、あまりに醜悪な感じがしたので、その像の写真は撮影しなかった。
自作の旅行ビデオを懐かしく見ていたら、ヴェッキオ宮の入り口にある二の像にいずれもイチジクの葉を見にまとっていたのが見つかったので、読者にご紹介する。
ダヴィデの像の右下にヴェッキオ宮の入り口が見えるが、その両脇に立っている裸像である。写真に写っているものは、左が男性そして右が女性、それぞれの裸像にイチジクの葉があるのにお気づきになるだろう。
いかなるものを隠そうとしているのか知る由も無いが、この二像がいかにも卑猥に見え、写真撮影対象から外したのであった。
この偶然に写っていた写真をご覧になって、読者の皆さんはいかようにお感じになるだろうか。