今朝は、濃い霧の朝である。いよいよ春がきたと、毎年知らせてくれるのである。
これから、5月くらいまで瀬戸内地方は、濃い朝霧にしばしば襲われ、海上はもとより陸上にも少なからぬ影響をもたらす。
しかし、これはせいぜい午前中である。霧の日は、晴天の日である関係で、強い春の陽で霧はすみやかに霧散するのである。
俳句では、春の霧を「霞」という約束である。
歳時記によると、「霞・春霞・朝霞・夕霞・遠霞・薄霞・棚霞・霞む」が季語となっている。
1. 遺書書けば遠ざかる死や朝がすみ 相馬遷子
2. 春なれや名もなき山の薄霞 芭蕉
3. 名ある草名もなき草も霞む野辺 中村苑子
秋の季語は、「霧・朝霧・夕霧・夜霧・山霧・川霧・狭霧(サギリ)・霧襖(キリブスマ)・霧雨・濃霧・霧笛」である・
秋の例句は、秋にしましょう。