原則公演中は撮影禁止である、開演前に撮影した写真でご辛抱願いたい。
「江戸時代のスタイルで歌舞伎を楽しめる唯一の劇場」という謳い文句が、最もぴったりする。
照明が、電気に変わっている以外には、江戸期の状態に近くしつらえてある。
回り舞台・奈落は、言うに及ばず 、金丸座では〝かけすじ〟の機構を復元し、古風な宙乗りを見ることが出来た。
「第二十三回四国こんぴら歌舞伎大芝居」第一部で上演された
『芦屋道満大内鑑―葛の葉』で、葛の葉狐(扇雀)の引っ込みが、
〝かけすじ〟での「宙乗り」であった。
マイクを使用しないため、劇場のサイズは、鳴り物・せりふが十分に通る程度の規模になっている。
このことが、役者と客の間を身近にし、役者には観客の反応が直に伝わり、観客には役者の息使いまで伝わるのである。
四代目坂田藤十郎(S6年(1931年)12月31日 - )は、231年ぶりにあらたに復活させた名跡、
前名三代目中村鴈治郎)の艶やかな若さには、目を見張るものがあった。
これに、琴平宮参詣まで出来たのだから、この日は真に充実した一日となった。