視聴率という言葉がある。
どのようにして計測するかというと、関東地方の例では、約三千万人に対して、約600台の計測器を、
家庭のTVに取り付け、どのチャンネルを何時間見たのか調べるという。
人口三千万人に対して、たったの600サンプリングによる計測である。
世論調査でも然りである、僅か千数百のサンプリングで、統計処理をしているのである。
データ数が、非常に少ないことに、お気づきであろう。
統計工学という学問によると、これであらましのことは分かるというのである。
先輩から教えてもらったことであるが、朝、昼、夕と毎日三回工場を巡回する、ただ、テクテクと歩くだけでよい。
手待ちなどで作業中断何人、休んだり遊んでいるのは何人かなどを、大雑把に数えて来ればよい。
これでこの日の、生産高(操業度)のおおよそが推定できるのである。
事務方が提出する週報(次週初め)や月報(翌月初め)は、単なる後追いの確認情報に過ぎない。
その日その日の作業管理は、ざっとしているが、生々しい直近のサンプリングで可能であり、するべきであった。
お役所の窓口で、このサンプリングを実施すると、窓口要員の過不足がある程度判定できるのだが・・・、
色々差しさわりがあると思うので、興味本位では行わないことにしている。
この手法を、自分の日常に応用してみた。
おおざっぱに1時間毎に、そのときしていることをメモ・カウントするだけである。
これを数日間行い、作業項目別に整理するだけである。
炊事・洗濯・掃除・外出・居眠りや休憩・TV・CD・ラジオなどの娯楽・読書・ブログやパソコン・その他の趣味・遊び・・・・。
結果は、生存上欠かせない作業(炊事・洗濯など)は僅か20%程度、その他は、遊びか・暇つぶしか・休憩・休養・睡眠などの、どれかとなっている。
工場では、生産活動の比率が、30%超えると非常に高い操業度だと思っていた。
「本当に働いている」のは、ごく僅かである。
その他の時間は、休憩・休養(含む、遊び)なのである。
我々にとっては、この休養・休憩・遊びが、本当は一番大切な時間であろう。
忙しい忙しいというのは、勘違いである、
1.たまたま「二つ以上の作業が重なり、同時に複数の作業をすることが必要」となった時や、
2.突発的に「制限時間内に済ます必要に迫られた」時に、 過ぎないのである。
総じて、我々は、ゆったりと過ごせるだけの時間を持っているはずである。