食べること(その1)・・お酒を飲む理由
父「大介、人の生活に必要なものは何だろう?」
大介(15歳)「それは衣食住だよ」
父「そうだね、食う、着る、安心して住めることだね。でも人間は他の動物と違うね?」
大介「確かに。人間は特別だ。大昔は食べ物を得るのに大変だったのでしょ?」
おじいちゃん「昔は、食べものを得るのに野山を走り回っていた、それも集団でね」
大介「お魚採ったり、ウサギやイノシシを狩りしたり、草や果物も採ったり」
父「そう、手に弓矢や槍を持ち、目と耳で獲物を探し、足で追い・・してね。見つからなければお腹を減らしたままの日も続いたわけだ。こんな暮らしが何百万年も続いた」
大介「今、ボクたちそんなことはできない」
父「ところが1万年前に、人間は食べることですこし楽になった」
大介「農業だろ?どんどん人口も増えて」
おじいちゃん「人類は食を求めて集団があちこちに移動して暮らしていた。農村も都会もなかった。今では食料を作らない都会の方が人口が多い」
大介「そうか、農業のおかげなのだ。でも・・ボク、それあまり感じないで生きている」
おじいちゃん「大介、どんな人も毎日毎日、食事の度ごとに農業としっかりつながっている」
大介「そうだ、気がつかなかった」
父「大介、食べるという漢字書ける?」
大介「うん、書けるよ、上に“人”と書いて下に“良”いと書く。あっ、なんだ、人が良い?」
父「昔の人が、獲物にありついてから料理してね。そこで食は人に良いという意味で文字にしたんだろうね」
母「でも、お父さんは、食事にお酒が入るわね、これ人に良くないわね」
父「これ、お母さん、混ぜ返すな。いいか、酒という文字は液体を表すシの右に酉と書く。酉(午後6時)になれば特別の液体、つまりワインなどを飲む、これは人類歴史始まってからじゃ」
大介「お父さんはお酒が主食なのだ(笑)」。
おじいちゃんの個人史。昭和35年頃。沼部の自宅で理科教室。
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