父「母のことをお袋というのを知っている?」
あきら(18歳)「小料理屋なんか、お袋の味とか」
父「いまはお袋(母親)の味じゃなく袋(包装)の中の味になっているかもね(笑)」
おじいちゃん「今、食品はほとんどプラスチックの袋に入っているね。わしの時代には八百屋や肉屋、魚屋で竹の皮とか新聞紙に包んでもらっていた。お米も一升、二升と買い布袋に入れ、米びつに移し変えていた・・。」
あきら「ああ、昭和!」
父「お袋から“お袋”」
あきら「ねえ、お袋ってなぜ言うの?」
おじいちゃん「母というものは”袋のように何もかも包み込む、包み込み、解毒して子供の安全を守る偉大な存在という意味なんだよ」
あきら「そうだ、きっとそうなのだ」
父「ポテチとかカップラーメン、コンビニのおにぎり・・お袋の味ではないね」
あきら「ご馳走様っていえない」((笑)
おじいちゃん「ご馳走とは文字通り馳せ走るという意味だよ。食事を作る母が奔走して安全で新鮮な食材を探しだし、季節に合わせて料理を作ることを言うのだ、大変な労働だね」
あきら「ご馳走様というのは大切なことだね」
おじいちゃん「あきら君は医者志望だったね」
あきら「頑張ります」
父「現代の病気のほとんどが食べ物に原因があることを究明してくれないかな」
あきら「ボクはそれにとても関心があります」
父「ある医学雑誌が精製されたお砂糖が糖尿病、精製されたお塩が腎臓病、合成アルコールを添加したお酒が肝臓病になる因子かも知れない、気をつけなさいと報告している・・」
あきら「多分なにか添加されるからだ」
母「若者が“キレル”事件ね、これは缶コーヒーなどに含まれる大量の砂糖のせいだって」
あきら「そうだよ、わかる、わかる」
おじいちゃん「こら、直ぐわかったと言うな、医者志望なら研究しますというのだ」
あきら「わかった」
おじいちゃん「こら!また言った」
おじいちゃんの個人史。昭和34年、土偶を発見。大田区郷土博物館で調べていただきました。自宅は田園調布本町、下沼部貝塚の中にあります。
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