田園調布の山荘

「和を以て貴しとなす」・・ 日本人の気質はこの言葉[平和愛好]に象徴されていると思われる。この観点から現代を透視したい。

金を持っているやつが究極の勝利者と・・ばくち資本主義の咆哮と市場の退廃

2007年11月21日 22時57分41秒 | 時評
金はもう金貨でも銀貨でもなく、ただの紙ですし、印刷物に過ぎません。しかし、このお金は、交換取引の結果得た請求権ですし、このまま消費してしまわなければ次の取引にも使え別の請求権と交換することができます。こうやってお金を転がしていけば、次々と請求権が広がっていきます。今このお金の運動が目にも留まらぬ速さで地球上を動き回っています。
 商法や会社法の規制緩和を背景に、ライブドアは人為的に株価をつり上げる株式分割を駆使し、上げ底の株高をてこに企業を買収して急成長を遂げてきました。けれどもその取引は、実体経済の外で、行われました。ばくちです。このばくちをやる連中にお金を貸すやつがたくさん出てきました。そのお金の出所は、庶民の貯蓄で、実体経済から離れた、○○ファンドとか××証券とかにまわり世界中を猛烈なスピードで翔けます。そういうお金は、実際の取引に動く決済マネーの数百倍、数千倍の規模でしかも、瞬間的に動き相場を作ります。そういう金を操る人たちはにれよって巨大な額をコンピュータ上で操り、一夜にして、いや瞬時にして、大金持ちになったり、企業のオーナーになったりします。ここ10年ばかり、日本でも、構造改革だとか言って、貯金は馬鹿らしいが株式は面白いと、素人投資家をあおり立てました。ライブドアのようなやり方の氾濫は、日本の資本主義が退廃したマネーゲームに深く侵されていることを示しています。それを後押ししてきたのは、闇雲に金融取引の規制緩和とか郵政民営化などで、投機資金をばくち市場に開放してきた構造改革でした。小泉さんが、ホリエモンを稀代の寵児として、選挙に推薦し、マスコミも「勝ち組」の英雄として持ち上げたのも記憶に新しいところです。こういう人たちは英雄であるとすれば、世も末ですが、果たせるかな、躓きました。こういう連中が出ても、そのことで国民は誰一人得をしたわけではありません。低金利に嫌気がさして証券会社の口車に乗って株式を買い、株価低迷で損をこうむった人の方がはるかに多かったといわれております。「構造改革」というものの本質を考える上で、参考になりました。投資とはある事業を長い目で育てることを目的とした資金。一夜にして、売ったり買ったりする「丁半」バクチが横行しているのは、投資をゆがめるばかりではなく、健全な市場を攪乱します。現在の世界金融経済は異常としかいいようがありません。それに巻き込まれてはならないと思います。

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