ブラジルを知る(2)----ブラジル農業の概要2
ブラジル農業は従来コーヒーなどの熱帯一次産品輸出を基盤とするものでした。しかし1980年代からは大豆などの穀類、濃縮オレンジジュースが拡大し、大豆は米国に比肩する規模にまで大きくなりました。濃縮オレンジジュースは世界一の規模を誇っています。では、エタノールに関連するサトウキビはどうでしょうか?実はこれも世界一の作付け面積であると言われております。バイオエタノールの騒動で、最近はサトウキビの作付けがめったやたらに拡大し、大豆栽培地帯やオレンジ栽培地帯にも作付け転換が起こっているようです。1980年代からは、カーギル、ブンゲ、ADMなどの多国籍穀物商社がブラジルにやってきて、穀物など農産物輸出をリードしていると言われています。今年、私はセラードというブラジルの穀倉地帯を車で縦断しましたが、行く道々こういう企業の穀物倉庫がそびえている姿を目にしました。ブラジルの穀物生産者の利益率は間違いなく彼ら大規模商社に操作されていると言えるのではないかと私は思います。農業経営の自主性が失われているという面では、アメリカの干渉、支配が強まっている日本でも本質はよく似た問題があるのではないかと思います。サトウキビを原料としたエタノール生産でも、本質は共通であり、大規模農家(というより農業資本)が増産に向けて規模拡大と作付け転換、農地の借り入れなどを強引に進めているらしいことを耳にしました。ブッシュ大統領がこの3月にブラジルを訪れ、バイオエタノールの生産と技術の提携関係を模索したことは非常に目立った動きで注目を集めました。アメリカ資本のバイオエタノールへの進出も始まっていることは明らかであり、こうした一連の動きを見ると、ブラジルの農業の主要な動向は、多国籍化したアグリビジネスの進めるグローバリゼーションに飲み込まれつつあるといえるのではないかと思いますが、これには慎重な分析がいるのは言うまでもないでしょう。WTOとがEPAとか国際交渉の舞台では表面的にはそれぞれの国の農民の利害がぶつかり合うように見えますが、実際は国際交渉と言うよりも多国籍企業のイニシアチブの下で、利益操作(相場支配)環境の闘争の場という側面を感じてしまいます。(続)
ブラジル農業は従来コーヒーなどの熱帯一次産品輸出を基盤とするものでした。しかし1980年代からは大豆などの穀類、濃縮オレンジジュースが拡大し、大豆は米国に比肩する規模にまで大きくなりました。濃縮オレンジジュースは世界一の規模を誇っています。では、エタノールに関連するサトウキビはどうでしょうか?実はこれも世界一の作付け面積であると言われております。バイオエタノールの騒動で、最近はサトウキビの作付けがめったやたらに拡大し、大豆栽培地帯やオレンジ栽培地帯にも作付け転換が起こっているようです。1980年代からは、カーギル、ブンゲ、ADMなどの多国籍穀物商社がブラジルにやってきて、穀物など農産物輸出をリードしていると言われています。今年、私はセラードというブラジルの穀倉地帯を車で縦断しましたが、行く道々こういう企業の穀物倉庫がそびえている姿を目にしました。ブラジルの穀物生産者の利益率は間違いなく彼ら大規模商社に操作されていると言えるのではないかと私は思います。農業経営の自主性が失われているという面では、アメリカの干渉、支配が強まっている日本でも本質はよく似た問題があるのではないかと思います。サトウキビを原料としたエタノール生産でも、本質は共通であり、大規模農家(というより農業資本)が増産に向けて規模拡大と作付け転換、農地の借り入れなどを強引に進めているらしいことを耳にしました。ブッシュ大統領がこの3月にブラジルを訪れ、バイオエタノールの生産と技術の提携関係を模索したことは非常に目立った動きで注目を集めました。アメリカ資本のバイオエタノールへの進出も始まっていることは明らかであり、こうした一連の動きを見ると、ブラジルの農業の主要な動向は、多国籍化したアグリビジネスの進めるグローバリゼーションに飲み込まれつつあるといえるのではないかと思いますが、これには慎重な分析がいるのは言うまでもないでしょう。WTOとがEPAとか国際交渉の舞台では表面的にはそれぞれの国の農民の利害がぶつかり合うように見えますが、実際は国際交渉と言うよりも多国籍企業のイニシアチブの下で、利益操作(相場支配)環境の闘争の場という側面を感じてしまいます。(続)
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