田園調布の山荘

「和を以て貴しとなす」・・ 日本人の気質はこの言葉[平和愛好]に象徴されていると思われる。この観点から現代を透視したい。

151028 トマトフェスタと多摩川マルシェ、そして「食」への提案

2015年10月29日 11時20分34秒 | トマト

 

 

 

以上の①、②、③で起こっている問題はそれぞれが、原因となり結果となって日本社会の構造を不安定に揺すぶっています。これをさらに深刻にしないためには、それぞれの要因の一つ一つを、それぞれを解消する課題にし、しかし喜びを持って民主的に打開することが必要です。

 

澎湃として起こる地域の市民運動の流れを、よりよい明日を作る運動の束にし、相互に交流させて地域力にしてい行く必要があると思います。

 

昔ながらのトマトの勉強会は、まだぼんやりと生まれたばかりのサロンで、年齢も、性別も国籍も、思想信条も無関係に、トマトを語ることが切り口です。このサロンは今は無計画、無方針で漂って運営していますが、このサロンの力が、トマトを食べる、作る、食べ方を探る、作り方をさぐるなどありふれた日常を通して、楽しみながら、話題もトマト、あしたばを友とし、その他の野菜や食一般に拡げて食育や食文化を考える地域力に移行していくことでしょう。こういうサロンでは、当然、安全な農業や食品産業のあり方、震災支援やふるさとの心配まで議論の枠に入るようになります。別の見方からすれば食と農の関係、都市と農村の関係まで何かしなければということにまで拡がりが出るでしょう。

 

 話の枠が広がるにつれて、身近にも関係する大きな問題がたくさん押し寄せていることが実感されるようになります。その一つが『食品は安全か』というテーマです。これは子孫の継続に関わる重大問題です。食品偽装・事故が多発し、ガンも増えています。どうもおかしいと多くの人が疑念を増すと今度は健康食品(サプリメント)が大繁盛です。これもどうもおかしいと多くの人が疑念を持ち始めています。しかし、納得のいく話が得られないまま、今日になっています。

 

 『食』は命や子供を守る深刻な問題です。当然国の政治の根幹に関わる問題ですが、国策としては、無念ですが、食においても規制緩和、自由貿易、多国籍企業優遇で、完全に背が向けられています。この政策では、地方で安定雇用が生まれませんから地域の経済循環はなくなり、労働者や子供の権利も後退しますし、また原料を外国にあおぐ商品には売らんかなのウソがまじり、本物を作る人を滅ぼし、作る文化も衰えます。

 

 命は食物で作られますが、これを作る、料理する、子らに与える、残りを土に返すという命の循環が、一握りの使命感の欠落した商売人に委ねられ、さまざまな誇大広告や偽装が紛れ込んで、命や経済の循環を壊す形で支配されているという恐ろしい状況が展開されようとしています。循環、これは命といっても差し支えないでしょうが、食品においてそれを壊す例は、お金を優先させる価値観のもとで、コスト競争が神聖視され、食品の本来の価値に馴染まない、遠距離輸送、化学肥料・農薬・食品添加物依存、大豆、トウモロコシ、やがて小麦などの遺伝子組み換え原料の爆発的拡がりを招き、結果的に山林と水田の放棄・洪水多発、食糧廃棄の増加などが増えています。

 

 世界は地域から成り立っていますから、それぞれの地域で、先ずは環境を守り、地域住民が『農』と『食』の関係を、特に消費者の目線でがっちりと情報を得て、ウソを許さない、本物を(誇りを持つ名産品として)生産し流通させることです。食文化はこれで生まれ、雇用もビジネスも地元にどんどん生まれます。地方創生の根源には歴史と文化に根ざす地域の『食』の覚醒があり、その結果の『農』の復権にあるでしょう。

 

 昔ながらのトマトの勉強会は、二世代、三世代前の農村出身者で成り立っています。すべての都市生活者もそうです。私たちはそのDNAを風化させないで、トマトやあしたばと対話しながら、『本物を作る』『本物を消費する』、『地域の誇りと文化を育てる』ことが、①国際共生(多文化共生社会)②少子高齢化③地域経済を巡る構造変化に処する指針の一つであると思い、トマトフェスタ、多摩川マルシェなどの小さな流れですが、それが私たちの活動の心棒としております。(トマトフェスタ実行委員会に挨拶)

 

 


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